原子力関連リスク
当社グループは他の電力会社と比較して原子力発電の比率が高く、新規制基準への適合性確保や原子力差止め訴訟等により発電所の停止が長期化した場合、業績に大きな影響を受ける可能性がある。2025年度実績ベースでは原子力利用率が1%悪化する場合の費用増加影響は46億円程度。7基全てが福井県に集中立地しているため局所的災害による複数基同時停止リスクも存在し、使用済燃料の貯蔵管理・バックエンド費用増加リスクも抱える。対応として新規制基準への適合性確保、訴訟における安全性の主張・立証、使用済燃料対策ロードマップに基づく取組みを推進している。
気候変動・移行リスク
CO2排出規制の導入・強化による発電コスト上昇、分散型電源の技術革新加速による販売電力量減少、脱炭素対応遅れによる競争力低下・資金調達コスト増加等の移行リスクを認識している。また台風・豪雨等の異常気象激甚化による設備被害(急性リスク)や降水量減少による水力発電稼働率低下(慢性リスク)も業績に影響する可能性がある。対応として「ゼロカーボンビジョン2050」および「ゼロカーボンロードマップ」に基づき再エネ最大限導入・原子力最大限活用・火力ゼロカーボン化を推進している。
法規制・エネルギー政策変更
電力システム改革に伴う競争政策の変化、容量市場・長期脱炭素電源オークション等の各種市場制度見直し、GX-ETSや有償オークション等のカーボンプライシング導入強化により、収支変動や追加的費用負担が生じる可能性がある。第7次エネルギー基本計画が大幅に転換された場合にも業績への影響が生じうる。対応として国の政策・規制動向の情報収集を継続し、審議会等を通じて当社グループの考え方を主張するとともに、投資回収の予見性向上に取り組んでいる。
競争環境変化への対応遅れ
再生可能エネルギー由来電力や蓄電池活用ニーズの高まりを背景に分散型エネルギーシステムへの移行が進む中、当社の取組みが他事業者に劣後した場合、顧客・販売電力量の減少につながる可能性がある。また気象・景気・省エネ進展・競争状況等により小売販売電力量・販売価格が変動し、燃料費調整制度の上限超過時には燃料価格上昇を料金に反映できないリスクもある。対応として分散型エネルギー活用提案やAIを活用したエネルギーマネジメントシステムの開発・提供、多様な調達ポートフォリオの構築等により競争力強化に取り組んでいる。
市場・市況変動リスク
2026年3月末時点の有利子負債残高(連結)は4,266,618百万円(総資産の43.3%相当)であり、長期資金の一部は変動金利での調達であるため、市場金利の動向が業績に影響を与える可能性がある。また為替変動や各種商品価格変動に起因する収支変動の不確実性も存在する。対応として販売方策の工夫やデリバティブ取引の活用等により一定以上の損失回避・収益安定化を図っている。
資産価値毀損リスク
CO2排出規制強化や原子力不稼動事象の顕在化等により既存電源の稼働率が低下し、資産価値が大幅に毀損するリスクがある。ハイパースケールデータセンターの事業展開遅延・建設費高騰、M&A実施後の事業展開が計画どおりに進まない場合の資産価値毀損、国内再エネ・海外・新規事業等への投資における収益性確保失敗リスクも存在する。対応として政策動向の情報収集・審議会での主張、投資妥当性評価・投資後モニタリングを含むマネジメントプロセスの構築・運用により投資リスクの適正管理に努めている。
ITガバナンス・サイバーセキュリティ
ランサムウェアをはじめとする外部からのサイバー攻撃により設備被害・電力安定供給への支障・顧客情報流出が発生した場合、社会的信用の低下を招き業績に影響する可能性がある。またDX推進の遅延やAIの不適切利用・判断誤り、情報システムの不具合・停止等も業績に影響しうる。対応として「関西電力グループセキュリティ戦略」に基づくサイバーレジリエンス強化・サプライチェーン対策、DX戦略委員会・K4 Digital株式会社・各部門の三位一体でのDX推進体制を整備している。
ガバナンス・コンプライアンスリスク
金品受取り問題・新電力顧客情報の不適切取扱い・独占禁止法違反等の過去の不適切事象に加え、グループ会社(株式会社近貨・株式会社かんでんエンジニアリング等)での不適切事象も発生しており、重大なコンプライアンス違反の再発により社会的信用が低下した場合、業績に影響を受ける可能性がある。対応として内部統制部会・組織風土改革会議の設置、指名委員会等設置会社への移行、コンプライアンス委員会の設置等により内部統制の抜本的強化と組織風土改革を両輪で推進している。
人財基盤の揺らぎ
人口減少による労働力不足やサプライチェーンの脆弱化が進行する中、多様な人財の安定的・継続的確保が困難となり、従業員の意欲低下等により人財基盤強化が進まない場合、持続的成長が妨げられる可能性がある。また労働災害の発生等により社会的信用が低下した場合にも業績への影響が生じうる。対応として2025年度から定年を65歳まで引き上げる定年延長を含む新たな評価・報酬体系を導入し、新卒・キャリア採用の強化、関西電力グループアカデミーを通じた人財育成、賃金改定・初任給引き上げ等を実施している。
自然災害・国際情勢変化
台風・豪雨・地震・津波等の自然災害や武力攻撃・感染症により設備被害・操業支障が生じ、当社グループサービスの提供が困難になる可能性がある。中東情勢の不安定化等の国際情勢変化により燃料調達活動への影響や燃料価格・卸電力市場価格の変動拡大が生じるリスクもある。対応として防災部会の定期開催・設備レジリエンス強化、調達地域・契約期間・契約相手先・価格指標の分散による安定調達ポートフォリオ構築、多様な取引先との情報連携ネットワーク構築により機動的対応を行っている。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

