事業内容
中部電力は1951年設立の大手電力会社で、子会社78社・関連会社97社を擁する。事業は小売部門(中部電力ミライズ)、送配電部門(中部電力パワーグリッド)、燃料・発電部門(持分法適用のJERA)の3報告セグメントに加え、再生可能エネルギー・グローバル・不動産等の多角的事業群で構成される。
主要顧客は中部エリアの家庭・法人向け電力・ガス需要者であり、エリア外への販売拡大も進める。2026年3月期の連結売上高は3,546,041百万円で、GX・DX進展を背景とした電力需要増加トレンドへの対応を軸に事業展開している。
ビジネスモデル
パワーグリッドが中部エリアの送配電網を独占的に運営し安定した託送収益を確保する一方、ミライズが電力・ガスの小売販売と付加価値サービスで収益を積み上げる。JERAへの持分法投資(投資額1,626,806百万円)を通じて燃料調達・発電の利益を取り込み、再エネ・グローバル事業でも収益多様化を図る。
電源調達ポートフォリオの最適化と期ずれ管理が利益水準を左右する構造となっている。
企業の強み
中部電力パワーグリッドは中部エリア全域の一般送配電事業を担い、2026年3月期の中部エリア需要電力量は123,921百万kWhに達する。この規制事業による安定収益(セグメント経常利益47,596百万円)が収益基盤を下支えし、競合他社が短期間で代替困難な地域インフラとしての優位性を持つ。
JERAへの持分法適用投資額は1,626,806百万円に達し、燃料上流から発電・卸販売までのバリューチェーンを持分法利益として取り込む構造を持つ。2026年3月期のJERAセグメント経常利益は94,183百万円で、石炭調達競争力改善により前期比268億円増益を達成。
自社単独では構築困難な燃料調達力を確保している。
ミライズは電源調達ポートフォリオの組み替えを継続的に実施し、2026年3月期は費用削減効果の拡大と期ずれ差損から差益への転換が重なり、セグメント経常利益が前期比209億円増の137,990百万円に達した。この調達最適化能力は自社の意思決定に基づく固有の競争優位として機能している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の連結売上高は3,546,041百万円(前期比3.4%減)と、燃料費調整額(燃調収入)等の減少により2期連続で減収。一方、経常利益は291,072百万円(前期比5.3%増)と増益に転じ、親会社株主帰属純利益は227,795百万円(同12.7%増)と回復した。
JERAの石炭調達競争力改善による持分法投資利益の急拡大(61,137百万円→94,702百万円)が主要な増益ドライバー。特別損失として子会社等の減損損失16,057百万円を計上したが、法人税等の減少(60,359百万円→40,905百万円)が純利益を押し上げた。
期ずれ補正後の連結経常利益は2,840億円程度となり、中期経営目標の連結経常利益2,000億円以上を達成。自己資本比率は41.0%(前期39.1%)に改善し、財務基盤も強化された。
成長戦略
再エネ・グローバル・原発再稼働・不動産の4軸で新収益源を拡大し、GX/DX需要増に対応
持分法適用関連会社JERAへの投資額1,626,806百万円を通じ、石炭調達競争力改善・洋上風力(JERA Nex bp)・アンモニア混焼技術実証等で収益拡大を図る。2026年3月期の持分法投資利益は94,702百万円と前期比54.9%増を達成。
再生可能エネルギーカンパニーによる国内外の太陽光・洋上風力・バイオマス等の開発を推進。グローバル事業部門における海外再エネ・エネルギーインフラ投資も拡大しており、持分法適用会社への投資額(その他セグメント)は556,424百万円(前期488,134百万円)に増加。
3・4号機の新規制基準適合性審査を受けていたが、基準地震動策定に係る不適切事案を受け2026年1月に審査が停止。審査関連委託契約の解約費用8,809百万円を計上。審査再開・再稼働の見通しは現時点で不透明であり、固定資産の回収可能性は維持されているとしている。
2025年4月に不動産事業本部を設置し、日本エスコン・中電不動産とのグループ連携を深化。新規連結子会社として㈱芝リアルエステートを追加(2026年3月期)。非エネルギー領域での収益多様化を推進し、中長期的な安定収益源の確立を目指す。
GX・DX進展による電力需要増加に対応するため、系統連系需要の拡大と設備増強投資を推進。2026年3月期のパワーグリッドセグメントの有形・無形固定資産増加額は226,382百万円と前期165,728百万円から大幅増加。ウェルカムゾーンマップ公開等により再エネ接続を促進。
最終更新: 2026年7月19日

