事業内容
株式会社中央経済社ホールディングスは、1948年創業の専門出版社グループの持株会社。経営・経済・法律・会計・税務・情報分野を中心に、学術研究書・専門実務書・大学教科書・資格試験書など多岐にわたる書籍を刊行するほか、「企業会計」「税務弘報」「旬刊経理情報」「ビジネス法務」の4専門誌を発行する。
主要顧客は企業の経理・法務・税務実務担当者、公認会計士・税理士・弁護士等の専門家、大学・大学院の研究者・学生など。子会社4社(株式会社中央経済社、株式会社中央経済グループパブリッシング、株式会社シーオーツー、株式会社プランニングセンター)で構成され、企画・編集から制作・販売・広告代理まで一貫した体制を持つ。
東証スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
売上の大部分を占める出版事業(2025年9月期:3,137,126千円)は、書籍・雑誌の企画・編集・制作・販売から成る。販売チャネルはトーハン・日本出版販売経由の書店流通が中心(各社約20%)。
加えて、サブスクリプション・サービスへの電子データ提供が伸長しており、デジタル収益が拡大中。出版付帯事業(売上高119,537千円)は専門誌向け広告宣伝の請負代理が主体。
運転資金は原則自己資金で賄い、財務健全性を維持している。
企業の強み
創業77年の歴史を持ち、会計・税務・法律分野で圧倒的なブランド認知を確立。2025年9月期だけで日本会計研究学会太田・黒澤賞、日本公認会計士協会学術賞、日本原価計算研究学会学会賞など7件以上の学術賞を受賞した書籍を刊行しており、学術・実務双方での権威性が顧客基盤の安定に寄与している。
新リース会計基準(2027年4月強制適用)関連書籍を複数投入し好評を博したほか、SSBJ基準解説書をいち早く刊行するなど、法令・会計制度改正に連動した書籍を機動的に市場投入する能力を持つ。制度改正サイクルが継続的な新規需要を生み出す構造となっている。
2025年9月期末の自己資本比率は71.5%と高水準を維持。借入金残高は430,226千円にとどまり、インタレスト・カバレッジ・レシオは132.7倍と財務安全性は極めて高い。
1株当たり純資産額は1,124.31円と東証スタンダード市場平均を上回る水準で推移しており、安定した株主還元の基盤となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は2021期3,156百万円→2023期3,031百万円と低迷後、2025期3,257百万円へ回復。2026年9月期中間期(上期)は売上高1,666百万円(前年同期比1.8%減)と再び減収に転じた。
一方、売上原価の低下(前年同期1,068百万円→1,026百万円)により売上総利益は629百万円→641百万円へ改善し、販管費が前年同期並みの492百万円に抑制されたことで営業利益は148百万円(同8.1%増)と増益を確保。特別利益として投資有価証券売却益99百万円を計上したことで中間純利益は201百万円(同54.7%増)と大幅増となった。
外部環境として書籍・雑誌市場の前年同期比3.8%減少、原材料・物流コストの高止まりが引き続き収益を圧迫している。財政状態は総資産6,210百万円・自己資本比率71.5%と安定的。
成長戦略
制度改正需要の取り込み・デジタル化推進・既刊強化の三位一体戦略
新リース会計基準(2027年4月強制適用)・SSBJ基準(2027年3月期から順次適用)関連書籍を中心に、制度改正サイクルに合わせた新刊投入を継続。2026年9月期中間期においても複数タイトルが刊行直後に増刷となり、実務家需要の取り込みが進んでいる。
経営学・マクロ経済学・会計分野等の教科書を全国大学へ展開し、採用校拡大による安定的な売上基盤を構築。2026年9月期中間期においても『エッセンシャル マーケティング』『マクロ経済学の基礎〈第3版〉』等が全国採用拡大・早期増刷を達成している。
執筆者による出版記念セミナーの開催やnote記事の継続的投稿により、読者・実務家との接点を多角的に拡大。SNS上での反響が販売増に直結した事例(『対話でわかる「経営労務」』等)が確認されており、デジタルコミュニケーション戦略が収益に寄与している。
刊行から2年を経た既刊書が販売ランキング上位を維持するなど、バックリスト管理と返品抑制策を推進。高コスト化する出版流通への対応として、物価高に対応した価格設定やマーケティング施策も実施している。
生活・実用分野でペット関連書籍の新レーベルを立ち上げ、定期刊行物終了による売上減を補完。ゲームビジネス法務等の新たな実務分野への展開も開始しており、専門出版の対象領域を段階的に拡張している。
最終更新: 2026年7月17日

