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株式会社昭文社ホールディングス

9475東証スタンダード情報通信業

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株式会社昭文社ホールディングス9475

事業内容

株式会社昭文社ホールディングスは1960年創業の地図出版を起源とし、現在は旅行・観光系出版物・電子書籍を中心とする「メディア事業」、地図・ガイドデータベースを活用した官公庁・民間向けシステムを提供する「ソリューション事業」、官公庁向け業務委託の契約窓口として手数料を得る「販売代理事業」、グループ保有不動産を活用する「不動産事業」の4セグメントを運営する。連結子会社5社・持分法適用関連会社2社で構成され、2020年にホールディングス体制へ移行。

主要顧客は書店・ネット書店経由の一般消費者、警察・消防等の官公庁、インフラ・物流・タクシー等の民間企業に及ぶ。

ビジネスモデル

コアとなる地図・ガイドデータベースをメディア事業では市販出版物・電子書籍・広告・ライセンス収入として、ソリューション事業では官公庁向け地図データ・業務用カーナビSDK・観光DXプラットフォーム等のB2Bサービスとして多面的に収益化する。出版流通はトーハン・日本出版販売を主要取次として活用し、ソリューション側は官公庁との継続契約・ストック型商材で安定収益を確保する複線型モデルを採る。

企業の強み

1960年創業以来蓄積した地図・ガイドデータベースは、市販出版物・電子書籍・業務用カーナビSDK・観光DXプラットフォーム・kintone地図プラグイン等に横断的に活用されており、単一資産から複数収益源を生み出す構造が競合の短期模倣を困難にしている。

『山と高原地図シリーズ』は創刊60周年を迎えるロングセラーであり、ジグソーパズル展開で一時品切れとなる人気を博した。また『まっぷる 刀剣乱舞トラベラーズガイド』はAmazon・楽天ブックス「本」部門1位を獲得し、IPコラボによるヒット創出力を実証している。

2026年3月期末の自己資本比率は75.6%(前期比4.9ポイント向上)、現金及び現金同等物残高は6,459百万円、有利子負債残高は490百万円にとどまる。無借金に近い財務構造は事業投資・M&Aの機動性を高め、2025年10月のBEASTAR株式会社子会社化もこの財務余力を背景に実施された。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の親会社株主帰属当期純利益1,210百万円(前期比123.6%増)は、繰延税金資産の回収可能性見直しによる法人税等調整額△732百万円(益)が主因。税金等調整前当期純利益は560百万円と前期(650百万円)を下回っており、営業利益476百万円が実力値の基準となる。

2027年3月期予想では当期純利益360百万円(前期比70.3%減)と大幅減益を見込んでおり、税効果剥落後の収益水準を投資家は慎重に評価する必要がある。

ソリューション事業の営業損失は2025年3月期の124百万円から2026年3月期は32百万円へ縮小し改善傾向は明確。売上高も1,822百万円(前期比12.2%増)と成長しているが、BEASTAR子会社化に伴うのれん償却(3百万円)や減損損失(78百万円、ソリューション事業に全額計上)が収益を圧迫。

業務用ナビの警察向け需要一巡後の新規顧客開拓(インフラ・タクシー・物流)の進捗が黒字転換の鍵を握る。

2026年3月期のメディア事業売上高4,661百万円のうち、トーハン向け1,717百万円・日本出版販売向け1,241百万円の合計が連結売上高の約44%を占める。返金負債残高は2,139百万円(前期2,266百万円)と依然高水準で、返品率の変動が期間損益に直接影響する構造は変わっていない。

外部環境として旅行・観光需要の回復基調が追い風となっているが、物価上昇による消費マインドの慎重化が個人消費を抑制するリスクも残存する。

成長戦略

電子・デジタル化推進、観光DX拡大、業務用ナビ受注拡大の三軸で持続成長を目指す

電子書籍・アプリの収益拡大とIPコラボ商品(刀剣乱舞等)・新シリーズ(スッと頭に入るシリーズ、トリセツシリーズ等)のラインナップ拡充により、市販出版物の付加価値向上と収益多様化を推進。2026年3月期に電子売上2,253百万円(前期比10.0%増)を達成。

「デジタル観光マップ」新サービスのリリース、「MAPPLE地図プラグイン for kintone」の機能強化、インバウンド向け媒体『DiG Japan!』関連受注拡大により、地図DBを活用した観光DX領域での収益基盤を構築。ソリューション事業売上高は1,822百万円(前期比12.2%増)と成長継続。

警察向け需要一巡後、業務用カーナビSDK Ver.10.5を軸にインフラ企業・タクシー業界・物流業界への受注活動を展開。スーパーマップル・デジタル26の発売等、市販製品ラインも継続更新。ソリューション事業の営業損失は32百万円(前期124百万円の損失から縮小)と改善傾向。

グループ保有土地・建物の外部貸与エリア拡張を継続し、不動産事業の安定収益化を推進。2026年3月期に不動産事業が営業利益64百万円(前期は営業損失49百万円)へ転換し、資産活用方針の成果が顕在化。

2025年10月にBEASTAR株式会社を子会社化し、SNS・デジタルマーケティング領域への事業基盤を拡充。非支配株主持分41百万円を計上。のれん残高59百万円(当期償却3百万円)。新領域での収益貢献は今後の課題。

最終更新: 2026年7月19日