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出版・IP創出事業

KADOKAWAグループのIP創出基盤を担う最大セグメント

期間今期前期増減率
売上高(セグメント計・外部+内部)155,634百万円(2026年3月期)151,367百万円(2025年3月期)
外部顧客への売上高153,646百万円(2026年3月期)148,713百万円(2025年3月期)
セグメント利益(営業利益)4,054百万円(2026年3月期)8,372百万円(2025年3月期)
セグメント資産103,636百万円(2026年3月期末)97,970百万円(2025年3月期末)
減価償却費4,583百万円(2026年3月期)4,269百万円(2025年3月期)
有形・無形固定資産増加額4,043百万円(2026年3月期、企業結合除く)5,208百万円(2025年3月期、企業結合除く)
のれん償却額469百万円(2026年3月期)342百万円(2025年3月期)
のれん未償却残高3,180百万円(2026年3月期末)1,386百万円(2025年3月期末)

事業詳細

書籍・雑誌の出版・販売、電子書籍・電子雑誌の出版・販売、Web広告の販売、権利許諾等を行う。年間6,000タイトルを超える新規IPを創出し、累積された豊富な作品アーカイブがグループ成長の原動力。国内外の読者・ライセンシーを顧客とし、メディアミックス展開の源泉となるIPを安定供給することでグループ全体のLTV最大化に貢献する。主要子会社は㈱KADOKAWA、㈱ドワンゴ、YEN PRESS, LLC、台湾角川股份有限公司、Edizioni BD S.r.l.等。

直近の概況

増収も利益は前期比51.6%減、電子書籍・ライセンス減収と人件費増が圧迫

2026年3月期の出版・IP創出事業は売上高155,634百万円(前期比2.8%増)と増収を確保したが、セグメント利益は4,054百万円(前期比51.6%減)と大幅減益。国内紙書籍・電子書籍の減益が大きく、人件費増加も利益を圧迫。一方、海外事業は米国・アジアで堅調に成長し、2025年5月にイタリアのEdizioni BD S.r.l.(持分70%取得、のれん2,328百万円)を連結化し欧州展開を開始。新規IP創出数は前年同期比9.3%増加。固定資産減損損失371百万円を計上(前期63百万円)。

主要プロダクト

product
紙書籍・雑誌

国内では1タイトル当たり売上の小規模化傾向が続く一方、第4四半期に事業構造改革の一部成果が発現。米国・アジアでは堅調に成長し、近年設立した新規拠点の貢献もあり海外事業が増収。北米では「Manga Spot」直営店10店舗を運営。

platform
電子書籍・電子雑誌

2026年3月期はヒット作品が少なかったことに加え、前年同期に他社ストア向け販売において速報データに基づく見積計上による増収効果が大きかったこともあり減収。引き続きBOOK☆WALKERの運営強化と多言語化・サイマル流通の拡大を推進。

service
ライセンス収入(権利許諾)

2026年3月期は減収。メディアミックス展開の源泉として年間6,000タイトル超の新規IPを創出しており、当期の新規IP数は前年同期比9.3%増加。蓄積された作品アーカイブを活用したライセンス収入の拡大が中長期的な成長ドライバー。

service
Web広告・デジタルメディア

デジタルシフトによる収益性向上に取り組む。㈱角川アスキー総合研究所、㈱KADOKAWA Game Linkage等が関連事業を担う。

platform
IP創出・投稿プラットフォーム

国内の小説投稿サイト「カクヨム」や台湾の「KadoKado」を通じたネット投稿作品の開発、マンガアプリ「カドコミ」での新作コミック開発を継続。note㈱との事業提携により原作発掘の推進とAIを基盤とした新たなデータ流通モデルの構築にも取り組む。

成長ドライバー

  • 海外事業(米国・アジア・欧州)の継続的な増収:YEN PRESSや台湾・アジア子会社が好調を維持し、Edizioni BD(イタリア)の連結化により欧州市場への展開も開始。グローバルな作品流通拡大が売上を下支え
  • 新規IP創出数の増加:2026年3月期に年間6,000タイトル超の新規IPを創出し前年同期比9.3%増加。メディアミックス展開の源泉を継続的に拡充
  • 事業構造改革による収益体質転換:国内出版事業の組織改革、業務フロー改善による間接コスト削減、不採算事業の縮小・撤退、製造・物流改革による返品率改善に取り組む
  • グローバルな多言語化・サイマル流通の推進:電子書籍の多言語化投資と紙書籍の海外流通拡大、北米「Manga Spot」直営店ネットワーク(現10店舗)の拡張
  • note㈱との事業提携:原作発掘の推進・販売促進強化、AIを基盤とした新たなデータ流通モデルの構築に向けた共同実証

リスク

  • 国内紙書籍の構造的縮小:1タイトル当たり売上の小規模化傾向が継続しており、資材費・物流費の上昇も重なり収益性が低下
  • ヒット作品依存リスク:電子書籍・ライセンス収入ともにヒット作品の有無による業績変動が大きく、2026年3月期はヒット不足が顕在化し減収
  • 人件費・IP創出投資の増加:中長期成長に向けた継続投資が利益を圧迫しており、短期的な収益性低下要因となっている
  • サイバー攻撃リスク:2024年6月のサイバー攻撃では既刊出荷量が一時的に大幅減少。再発時の事業影響が大きい
  • のれん償却・減損リスク:M&Aによるのれん残高が2026年3月期末3,180百万円(前期末1,386百万円)に増加しており、被取得企業の業績悪化時に減損リスクが生じる。当期は固定資産減損損失371百万円を計上
  • 国内電子出版の成長鈍化:国内電子出版の成長速度が以前より緩やかになっており、前年同期の見積計上による増収効果の剥落も重なり減収

最終更新: 2026年6月23日