株式会社KADOKAWA logo

株式会社KADOKAWA

9468東証プライム情報通信業

株式会社KADOKAWA logo
株式会社KADOKAWA9468

事業内容

株式会社KADOKAWAは、出版・IP創出、アニメ・実写映像、ゲーム、Webサービス、教育・EdTech、その他の6セグメントを擁する総合コンテンツ企業。連結子会社57社・持分法適用会社11社を含むグループ全体で、年間6,000タイトルを超える新規IPを創出し、メディアミックス展開によりIPのLTV(Life Time Value)最大化を図る。

主要顧客は国内外の一般消費者・法人・教育機関に及び、北米・アジア・欧州への海外展開も積極的に推進している。2014年にKADOKAWAとドワンゴが経営統合して誕生した同社は、コーポレートミッション「世界の才能と、感動をつなぐ、クリエイティブプラットフォーマーへ」のもと、グローバル・メディアミックス with Technologyを基本戦略として推進している。

ビジネスモデル

出版・IP創出事業で年間6,000タイトル超の新規IPを生み出し、アニメ・実写映像化・ゲーム化・グッズ化・イベント化等のメディアミックスを通じてIPの収益機会を多層的に拡大する。電子書籍プラットフォーム「BOOK☆WALKER」や動画コミュニティ「ニコニコ」、通信制高校N高等学校等のデジタルサービスも収益基盤を構成し、ソニーグループとの資本業務提携によるグローバル流通拡大も進める。

企業の強み

2026年3月期に創出した新規IP数は前年同期比9.3%増加し、年間6,000タイトルを超えた。蓄積された作品アーカイブはメディアミックス展開の源泉となり、アニメ・ゲーム・グッズ等への二次展開を通じてグループ全体の収益を下支えする構造的な競争優位を形成している。

ゲーム事業は2026年3月期に売上高29,636百万円、営業利益7,541百万円、営業利益率25.4%を達成。『ELDEN RING』シリーズで培われたグローバルブランド力と開発力が高い収益性を支えており、グループ内で突出した利益貢献セグメントとなっている。

2024年12月にソニーグループと資本業務提携契約を締結し、第三者割当増資を実施。共同出資・IPのグローバル実写化・アニメ作品のグローバル流通拡大・ゲームパブリッシング拡大等9項目の業務提携を合意。

ソニーグループは2026年3月末時点で16,381,450株を保有し、長期的な関係維持を約定している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高282,908百万円(前年同期比1.8%増)と5期連続増収を達成した一方、営業利益は8,102百万円(同51.3%減)、親会社株主帰属当期純利益は1,278百万円(同82.7%減)と急激に悪化。販売費及び一般管理費が88,651百万円(前年同期82,423百万円)に膨らみ、特別損失にのれん償却額2,700百万円が計上されたことも響いた。

EPS8.71円、配当性向344.5%という異常値は、現状の収益水準が配当維持に不十分であることを示しており、収益体質の抜本的改善が急務。

2026年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは3,424百万円(前年同期13,841百万円)と大幅に減少。投資活動では定期預金の預け入れ等により21,042百万円の支出、財務活動では長期借入金返済15,472百万円等により22,425百万円の支出となり、現金及び現金同等物の期末残高は90,774百万円(前年同期129,674百万円)と38,900百万円超の減少。

インタレスト・カバレッジ・レシオも前年の186.9倍から44.0倍へ急低下しており、財務的な余裕の縮小に注意が必要。

2027年3月期の業績予想は売上高300,300百万円(前年比6.1%増)・営業利益10,100百万円(同24.7%増)・親会社株主帰属当期純利益5,800百万円(同353.7%増)と大幅回復を見込む。ただし、ゲーム事業はELDEN RINGシリーズの販売動向に業績が大きく左右される構造であり、2026年3月期も前年の『SHADOW OF THE ERDTREE』効果の剥落で売上高が11.4%減少した。

新作『THE DUSKBLOODS』等の販売動向が予想達成の鍵を握る一方、2032年3月期を最終年度とする新中期経営計画(ROE目標9.4%)の実現可能性についても慎重な見極めが必要。

成長戦略

グローバル・メディアミックス with Technologyで2032年3月期ROE9.4%を目指す

国内出版事業の組織改革・業務フロー改善による間接コスト削減、不採算事業の縮小・撤退、製造・物流改革による返品率改善を推進。2026年3月期第4四半期に一部成果が発現したと開示されており、2027年3月期以降の収益改善に向けた取り組みが継続中。

Edizioni BD(イタリア、2025年5月子会社化)・SOZO Pte. Ltd.(シンガポール、2025年11月子会社化)の連結化により欧州・東南アジアへの展開を加速。北米「Manga Spot」直営店(現10店舗)の拡張、多言語化投資の継続、電子書籍サイマル流通拡大を推進。

池袋に新制作拠点「Studio One Base」を設立しグループアニメスタジオを集結。2026年3月に若手育成・制作一体型の㈱KADOKAWAクリエイターズを設立。㈱アニプレックスとの共同出資によるアニメ映画国内配給会社㈱アニメックスを設立し、劇場アニメのヒット基盤を創出する。

フロム・ソフトウェアの新作『THE DUSKBLOODS』(2026年発売予定)、スパイク・チュンソフトの『スーパーダンガンロンパ2×2』等の新作投入により制作パイプラインを拡大。スマートフォンゲームではアニメ原作メディアミックスによる収益力向上を図る。

2032年3月期までの新中期経営計画において、ROE9.4%を目標値として設定。中長期的にはROE12%以上、総還元性向50%以上を目指す。2026年3月期のROEは0.5%(前年3.4%)と大幅に低下しており、目標達成には抜本的な収益改善が必要。

最終更新: 2026年7月19日