事業内容
株式会社トーシンホールディングスは、愛知県名古屋市を拠点とする持株会社(2018年5月に持株会社体制へ移行)。連結子会社の株式会社トーシンモバイルが運営するソフトバンクショップ・auショップ・ワイモバイルショップ・UQモバイルショップ等の携帯電話販売・サービス取次を中核事業(売上構成比約91%)とし、賃貸ビル・賃貸マンションを運営する不動産事業、複数のゴルフ場・ゴルフ練習場を運営するリゾート事業を展開する。
主要顧客は個人消費者(携帯電話購入・契約)および法人・事務所向け顧客。1994年に移動体通信事業へ参入し、2000年に大阪証券取引所ナスダックジャパン市場(現東京証券取引所JASDAQ)へ上場した。
ビジネスモデル
移動体通信関連事業では、ソフトバンク・KDDI等の通信キャリアから端末を仕入れ直営店で販売するとともに、サービス契約取次・各種手続き受託により手数料収入を得る。不動産事業では賃貸ビル・マンションの安定的な賃料収入を確保。
リゾート事業ではゴルフ場・ゴルフ練習場の入場料・プレー料収入を得る。2020年4月期の売上高は21,415百万円で、移動体通信関連事業が19,511百万円と大半を占める。
企業の強み
ソフトバンク・au・ワイモバイル・UQモバイルの複数キャリアショップを運営。2020年4月期の主要販売先はソフトバンク株式会社(売上比31.9%)、KDDI株式会社(同28.8%)、株式会社オーレンジ(同24.2%)と分散しており、単一キャリア依存を一定程度緩和している。
「さくらHills」シリーズ等の賃貸マンション・賃貸ビルを複数保有・運営。2020年4月期の不動産事業売上高は566百万円、セグメント利益は208百万円(利益率約36.7%)と高収益性を示す。移動体通信事業の変動リスクを補完する安定収益源として機能している。
トーシンリゾート株式会社・株式会社伊良湖シーサイドゴルフ倶楽部を通じ、愛知・三重・岐阜等に複数のゴルフ場を運営。事業譲受・運営受託等の手法でポートフォリオを拡充してきた実績を持ち、複数施設オペレーションによるノウハウ蓄積と運営受託の新規開拓を戦略に掲げている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年4月期の売上高は17,795百万円(前期比1.8%増)と微増を維持したが、収益の質は悪化している。営業利益は260百万円と前期の45百万円から大幅改善したものの、これは販管費削減(前期3,242百万円→当期2,652百万円)によるものであり、売上総利益は前期3,287百万円から2,912百万円へ減少した。
特別損失にゴルフ場等の減損損失1,432百万円・事業構造改善費用301百万円が計上され、税金等調整前純損失は1,031百万円。法人税等追徴税額50百万円も加わり、親会社株主帰属当期純損失は1,376百万円に拡大した。
自己資本は1,063百万円(前期2,457百万円)、自己資本比率4.9%(前期10.0%)まで低下。過去5期の業績推移は売上高が16,000〜18,000百万円のレンジで推移する一方、利益は不安定で、2026年4月期は会計不祥事・減損・更生手続コストが重なり過去最大の純損失を計上した。
成長戦略
会社更生手続による事業再建と上場維持を最優先に、三事業の継続運営で企業価値保全を図る
2026年5月8日の更生手続開始決定を受け、管財人体制の下で更生計画案を策定中。更生計画案の提出期限(管財人)は2026年9月7日。商取引債権者への債権カットなし・金融機関への元本全額長期分割弁済・DIPファイナンス(三井住友銀行)活用による事業継続を方針とする。
子会社の不適切会計に起因する会計監査人の意見不表明・特別注意銘柄指定(2025年11月22日)を受け、内部管理体制の抜本的改善が急務。2026年5月26日付で改善計画・状況報告書を公表。管財人体制の下で改善を進め、特別注意銘柄指定の解除・上場維持を目指す。100%減資は実施しない方針。
MNP競争が活況を呈する市場環境を活用し、積極的な販売促進活動と新規顧客獲得に注力。金融サービス・ポイントサービス・スマートフォン決済サービスとの連携により顧客単価向上を図る。2026年4月期のセグメント利益は183百万円と黒字転換(前期は91百万円の損失)。
財務的制約が高まる中、有形固定資産の売却(当期収入1,852百万円)により投資活動キャッシュフロー1,368百万円を確保。不動産事業の安定収益(セグメント利益304百万円)を維持しながら、資産売却による資金調達を継続。更生手続下での資産管理処分権は管財人に専属する。
最終更新: 2026年7月17日

