事業内容
KDDIは連結子会社193社・持分法適用46社を擁する国内第2位の総合通信グループ。個人向けには「au」「UQ mobile」「povo」のマルチブランドで5G通信を提供しつつ、金融(auじぶん銀行・au PAYカード)、エネルギー、LX(ライフトランスフォーメーション)、ローソンとの連携を通じた生活サービスを展開。
法人向けにはIoT・DX・クラウド・「Telehouse」ブランドのグローバルデータセンターをワンストップで提供し、AI時代の新プラットフォーム「WAKONX」も立ち上げた。国内外193社の連結子会社を通じ、個人・法人双方の顧客基盤を持つ。
ビジネスモデル
モバイル通信の月額課金(ARPU)を収益の根幹とし、同一顧客に金融・エネルギー・エンタメ等を重ね売りすることでLTV(ライフタイムバリュー)を最大化する。法人向けはモバイル・IoT・データセンターの複合ソリューションで継続課金を獲得。
持分法適用のローソン・カカクコム等からの投資損益も収益に貢献し、2026年3月期の持分法投資損益は39,890百万円(前期比45.1%増)に達した。
企業の強み
Opensignal社の「モバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポート」で4期連続・国内最多部門1位を獲得。au Starlink Direct接続数400万人突破、5G Fast Lane累計約250万人利用と具体的な利用実績が品質優位を裏付ける。
モバイルARPUは前期比100円増、スマホ稼働数は前期比36万契約増とARPU増とID増を両立した。
auじぶん銀行・au PAYカード等を束ねる金融事業は2023年3月期から2026年3月期のCAGRが30.4%と高成長を継続。Pontaポイント経済圏・ローソン(持分法適用共同支配企業)との連携により顧客エンゲージメントを高め、通信解約率の低減にも寄与する循環構造を構築している。
ロンドン(世界最大コネクティビティ)、パリ(フランス国内最大)、トロント(カナダ国内最大)、バンコク(タイ国内コネクティビティ1位)と主要拠点で高評価を獲得。2026年1月には大阪堺データセンターを開業し、AI需要を取り込む体制を整備。
ビジネスセグメント売上高は前期比8.7%増、営業利益は同12.2%増と成長が加速している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2026年3月期に6,071,915百万円(前期比4.1%増)と過去最高を更新し、2024期の一時的な落ち込みから回復した成長軌道が継続している。営業利益は1,099,125百万円(同1.1%増)と微増にとどまり、販売費及び一般管理費が1,529,370百万円(同7.0%増)と売上高増加率を上回って拡大したことが圧迫要因となった。
一方、持分法投資損益の拡大(39,890百万円、同45.1%増)やその他の営業外損益の改善(24,264百万円)が寄与し、親会社帰属当期利益は707,112百万円(同7.9%増)と過去最高を達成した。フリー・キャッシュ・フローは708,398百万円(前期68,939百万円から大幅改善)と財務体力も向上している。
2027年3月期は調整後営業利益1,210,000百万円(同5.0%増)、調整後当期利益731,000百万円(同2.7%増)を予想している。
成長戦略
中期経営戦略「Power-to-Connect 2028」のもとAI・通信基盤融合とグロース領域拡大を推進
5G通信インフラとAI基盤を融合させ、データセンター・IoT・クラウドを一体的に提供する体制を構築。ビジネスセグメントのグロース領域(IoT・データセンター等)が2026年3月期に売上高8.7%増・営業利益12.2%増と高成長を実現しており、AI需要の外部環境追い風も取り込みながら拡大が続いている。
ローソン(持分法適用共同支配企業)との連携を含むリアル接点とデジタル技術を融合し、金融・エネルギー・LX等の非通信サービスで顧客体験価値を高める。2026年3月期の持分法投資損益は39,890百万円(前期比45.1%増)と大幅拡大しており、ローソン連携の効果が数値に表れ始めている。
KDDI Digital Divergence Holdings(KDH)・アイレット等のM&A人材とグループ既存人材を融合させ、DX支援・生成AI活用ソリューションの提供体制を強化する。ビジネスセグメントのWAKONXプラットフォームを通じた法人顧客の業界特有課題解消に取り組んでいる。
2026年3月期の年間配当は1株当たり80円(連結配当性向43.6%)、2027年3月期予想は84円(同42.8%)と増配方針を継続。2026年5月には180,396,507株の自己株式消却を決議し、京セラ・トヨタ自動車からの株式取得を含む最大3,000億円の自己株式取得も決議した。
調整後当期利益に対する連結配当性向40%超を次期以降3ヶ年も維持する方針。
最終更新: 2026年7月19日

