事業内容
NTT株式会社(旧日本電信電話株式会社、2025年7月商号変更)は、子会社1,026社・関連会社161社を擁する国内最大の通信グループ持株会社。NTTドコモを中核とする総合ICT事業(携帯・スマートライフ・法人)、NTTデータグループを中核とするグローバル・ソリューション事業(SI・クラウド・データセンター)、NTT東西が担う地域通信事業(光回線・固定電話)の3主力セグメントに加え、不動産・エネルギー等の多角化事業を展開。
国内法人・コンシューマから海外グローバル企業まで幅広い顧客層を持ち、2026年3月期の連結営業収益は14,409,121百万円に達する。
ビジネスモデル
コンシューマ通信(携帯・光回線)の月額課金型サービスで安定的なキャッシュフローを確保しつつ、法人向けSI・クラウド・セキュリティ、金融・決済等のスマートライフ事業、グローバルデータセンター事業で高付加価値収益を積み上げる。設備投資は年間2,326,004百万円規模で通信インフラ・データセンターを整備し、REIT等の第三者資本も活用して投資効率を高める構造を採る。
企業の強み
2026年3月末時点でNTTドコモの携帯電話サービス契約数は93,065千契約(前期比1.8%増)、うち5Gサービスは43,893千契約(同17.6%増)。携帯電話市場シェアは39.9%と国内最大規模の顧客基盤を保有し、モバイル通信ARPUも3,960円(前期比0.5%増)と微増傾向にある。
この顧客基盤はスマートライフ・金融事業の展開基盤としても機能する。
NTTデータグループを通じて世界規模のデータセンターネットワークを保有し、総受電容量は約2,000MW(2030年度3,000MW拡張計画)。2026年3月期のグローバル・ソリューション事業の営業利益は4,882百万円(前期比50.7%増)、EBITDAは8,037百万円(同29.1%増)と急拡大しており、物理インフラの規模が競合優位の源泉となっている。
2026年3月末時点でフレッツ光(コラボ光含む)の契約数はNTT東西合計23,985千契約(前期比0.8%増)。フレッツ光ARPUはNTT東日本4,480円(前期比1.6%増)、NTT西日本4,510円(同1.3%増)と改善傾向。
全国に張り巡らされた光ファイバーインフラは短期間での模倣が困難な固有資産であり、法人・コンシューマ双方の収益基盤を支える。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
営業収益は2022年3月期12,156,447百万円から2026年3月期14,409,121百万円へ5期連続増収(5.1%増)。営業利益は2024年3月期1,922,910百万円をピークに2025年3月期1,649,571百万円へ大幅減少後、2026年3月期1,706,221百万円へ回復したが、ピーク比では依然11.3%低い水準。
当期利益も同様に2024年3月期1,279,521百万円から2026年3月期1,037,032百万円と回復途上。外部要因として生成AI普及によるデータセンター・DX需要拡大が増収を後押しする一方、NTTデータグループ完全子会社化に伴う金融費用増(240,068百万円)・のれん減損(57,466百万円)が利益回復の重石となっている。
2027年3月期は営業収益15,060,000百万円(4.5%増)、当期利益980,000百万円(5.5%減)を予想。
成長戦略
グローバル事業・データセンター・AI・金融の多角化で通信事業依存からの構造転換を推進
2025年9月に完全子会社化を完了し、法人・グローバル分野での意思決定を迅速化。グローバル・ソリューション事業の営業利益が前期比50.7%増の488,211百万円と早期に効果が顕在化。データセンター・AI投資をグループ一体で推進する体制を整備した。
総受電容量約2,000MW(国内No.1・世界No.3)から2030年度3,000MWへの拡張を計画。NTT DC REITのシンガポール証券取引所上場(2025年7月)により売却益129,451百万円を計上し、投資資金の循環モデルを確立。
設備投資額は2,326,004百万円と前期比11.4%増加。
2025年10月に住信SBIネット銀行を連結子会社化し「d NEOBANK」を開始。2026年3月に「NTTドコモ・フィナンシャルグループ」体制への移行と金融事業の同グループへの移管(2026年7月予定)を発表。
取得対価4,200億円、取得日以降の売上高92,378百万円・当期利益12,010百万円を計上。
光電融合デバイス「PEC-2」を2026年度中に商用提供予定。Broadcom・Accton等サプライチェーン各社と連携体制を構築し、NTTイノベーティブデバイスで生産体制を強化。「PEC-3」は2028年商用サンプル提供を目標に開発中。香港金融業界向けIOWN APNサービスも開始。
2025年10月に「tsuzumi 2」を提供開始(同サイズ帯で世界トップの日本語性能)。OpenAIとの「ChatGPT Enterprise」日本初販売代理店契約、Google Cloudとのグローバルパートナーシップによる業界特化型AIエージェント開発など、複数LLMを組み合わせた付加価値の高いAIソリューションを展開。
2026年5月8日取締役会で2026年5月11日から2027年3月31日における発行済普通株式総数14億株・取得総額200,000百万円の自己株式取得枠を決議。年間配当は5.30円(2026年3月期)から5.40円(2027年3月期予想)へ増配予定。配当性向は42.0%から44.6%へ上昇見込み。
最終更新: 2026年7月19日

