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日本通信株式会社9424

モバイル通信サービス及びモバイル・ソリューション(単一セグメント)

MVNO/MVNE・MSP・FPoS事業を展開する日本通信の唯一の報告セグメント

期間今期前期増減率
売上高(連結)11,633百万円9,238百万円
営業利益(連結)1,134百万円962百万円
経常利益(連結)1,117百万円1,000百万円
親会社株主に帰属する当期純利益(連結)763百万円849百万円
売上総利益(連結)4,414百万円3,843百万円
売上原価(連結)7,220百万円5,396百万円
営業利益率9.7%10.4%
総資産(連結)11,995百万円7,341百万円
自己資本比率(連結)37.6%50.4%
現金及び現金同等物期末残高7,107百万円4,300百万円
1株当たり当期純利益4.58円5.12円
1株当たり純資産27.01円22.31円
日本通信SIM契約回線数94.7万回線(2026年3月末)
FPoS電子証明書提供件数127,646件(2026年3月末)

事業詳細

携帯電話事業者(ドコモ等)のモバイル通信ネットワークを活用し、個人・法人向けに「日本通信SIM」等のMVNOサービス、MVNEパートナー支援、法人向けモバイル・ソリューション(MSP事業)を提供。加えて、特許技術FPoS(FinTech Platform over SIM)を活用したデジタルID・認証基盤事業を展開。米国子会社がローカル4G/5G事業の技術・ノウハウを蓄積し、2026年11月にネオキャリアとしての新サービス開始を目指している。

直近の概況

売上高25.9%増の増収増益も、特別損失計上により純利益は前期比減少

2026年3月期の売上高は11,633百万円(前期比25.9%増)、営業利益は1,134百万円(同17.8%増)と増収増益を達成。成長の主因は「日本通信SIM」を中心とした音声定額・準定額サービスの拡大。一方、子会社my FinTech株式会社の事業用資産に係る減損損失215百万円および投資有価証券評価損43百万円を特別損失に計上したことで、親会社株主帰属当期純利益は763百万円(同10.1%減)にとどまった。ネオキャリア向け初期投資資金60億円の社債調達を完了し、無形固定資産(ソフトウエア仮勘定)が前期末440百万円から1,790百万円へ大幅増加。「ビジョン2030」を策定し、2030年度に売上650億円・営業利益150億円を目標として掲げた。

主要プロダクト

service
日本通信SIM

2020年7月に総務大臣裁定を受けて発売。通信品質と合理的な料金体系が評価され、J.D.パワー「2025年携帯電話サービス顧客満足度調査」MVNO部門で2年連続総合満足度第1位を受賞。2026年3月末時点の契約回線数は94.7万回線。2026年4月1日からの携帯電話不正利用防止法改正を踏まえ、申込時の本人確認をマイナンバーカードの署名用電子証明書を用いた「日本通信アプリ」による方法のみに変更。

platform
MVNEパートナープラットフォーム

当社の通信インフラ・システムをパートナー企業に開放し、パートナーが独自ブランドでMVNOサービスを展開できる基盤を提供。

service
モバイル・ソリューション(MSP事業)

閉域SIM間通信の提供、PCI DSS完全準拠の安全な決済ソリューション、IoT機器・防犯カメラ用の上り優先SIMの提供など、無線通信を使った多様な法人向けソリューションを展開。米国子会社JCI US Inc.を通じてローカル4G/5G事業の技術・ノウハウを蓄積し、日本のパートナー企業・顧客企業向けローカル携帯網接続SIMも提供。

platform
FPoS(FinTech Platform over SIM)

電子署名法に基づく認定電子認証局がスマートフォン内蔵の安全領域で秘密鍵を生成・電子証明書を発行し、なりすましやデータ改ざんを防止。子会社my FinTech株式会社が提供。2026年3月末時点の電子証明書提供件数は127,646件。ウェルネット株式会社のスマホ決済アプリへの組み込み、群馬県前橋市「めぶくPay」等の地域決済サービス(累計決済額50億円突破)、地銀ネットワークサービスとの金融機関向け本人確認サービス等の実績を持つ。

service
ネオキャリア新サービス

NTTドコモとの音声・SMS網相互接続に基づき、2026年11月24日にサービス提供開始予定。初期投資総額約65億円を想定し、三菱UFJ銀行・りそな銀行・横浜銀行を引受人とする第1回~第4回無担保社債(適格機関投資家限定)の発行により合計60億円の調達を完了。FPoSに対応した「日本通信アプリ」を通じて既存「日本通信SIM」ユーザーの円滑な移行を図る。

成長ドライバー

  • 「日本通信SIM」の通信品質・合理的料金体系への高評価(J.D.パワーMVNO部門2年連続1位)による契約回線数の継続的伸長(2026年3月末94.7万回線)
  • ドコモとの音声卸料金適正化(2020年総務大臣裁定)により一定の粗利率を維持しながら加入者増加が収益に直結する構造
  • 2026年11月24日予定のネオキャリア新サービス開始に向けた初期投資資金60億円の調達完了とコアネットワーク構築の進捗
  • FPoS事業における商用サービス移行後の導入事例積み上げ(地域決済累計50億円突破、地銀ネットワークサービスとの金融機関向け展開等)と電子証明書提供件数の拡大
  • 「日本通信アプリ」のFPoS対応アップグレード(2026年6月予定)によるセキュリティ強化とネオキャリア新サービスへの円滑な顧客移行基盤の整備
  • 米国子会社JCI US Inc.を通じたローカル4G/5G事業の技術・ノウハウ蓄積とネオキャリア向けSIM認証技術への活用
  • 「ビジョン2030」に基づく通信サービス事業とデジタルトラスト事業の両輪成長戦略(2030年度売上650億円・営業利益150億円目標)

リスク

  • ネオキャリア向けシステム構築(無形固定資産のソフトウエア仮勘定が前期末比約1,350百万円増)への先行投資拡大により投資活動CFが2,155百万円の支出となり、財務活動(社債発行3,936百万円)で賄う構造が継続
  • 社債残高の大幅増加(固定負債の社債が前期末1,714百万円から4,862百万円へ増加)に伴う自己資本比率の低下(50.4%→37.6%)と財務レバレッジの上昇
  • 2026年11月24日予定のネオキャリア新サービス開始が遅延した場合の先行投資回収リスクおよび社債利息負担(当期29百万円)の増加
  • 「日本通信SIM」の成長に伴う携帯網調達コスト(売上原価)の増加率(33.8%増)が売上総利益の伸び(14.9%増)を上回る構造的リスク
  • 子会社my FinTech株式会社において過年度より営業損失が継続し減損損失215百万円を計上した実績があり、FPoS事業の収益化・スケールアップに時間を要するリスク
  • MNO4社および多数のMVNOとの激しい価格競争による収益圧迫リスク
  • 携帯電話不正利用防止法改正への対応(本人確認方法の変更)が新規申込の利便性に影響し、契約回線数の伸長を抑制するリスク

最終更新: 2026年6月18日