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日本通信株式会社

9424東証プライム情報通信業

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事業内容

日本通信株式会社は「安全・安心にビットを運ぶ」をミッションに掲げ、ドコモ・ソフトバンクのモバイル通信ネットワークを活用したMVNO/MVNE事業(日本通信SIM・bモバイルブランド)、法人・パートナー向けモバイル・ソリューション事業(MSP事業)、および独自特許技術FPoSを活用したデジタルID・認証基盤事業(FPoS事業)を展開する。主要顧客は個人ユーザー(2026年3月末94.7万回線)、法人・金融機関・決済代行業者等のパートナー、および米国市場の金融機関等。

連結子会社6社・持分法適用関連会社1社を含むグループで事業を運営し、2022年3月期から5期連続黒字を達成している。

ビジネスモデル

主収益源は「日本通信SIM」を中心とした月額課金型の音声定額・準定額プランで、加入者数の増加が売上に直結するストック型モデル。2020年の総務大臣裁定によりドコモからの音声卸料金が適正化され、一定の粗利率を確保しながら加入者増加が収益に直結する構造を実現。

これに加え、法人・パートナー向けモバイル専用線・ローカル5G向けSIM等のMSP事業、およびFPoS技術を活用した電子証明書・デジタルID認証サービスによる収益多様化を図っている。

企業の強み

2020年6月の総務大臣裁定によりドコモからの音声卸料金が「能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えた金額を超えない額」に設定され、MNOと競争可能なコスト構造を確立。2022年3月期から2026年3月期まで5期連続で営業黒字を達成し、売上高は4,634百万円から11,634百万円へと拡大した。

「日本通信SIM」はJ.D.パワー ジャパン「2025年携帯電話サービス顧客満足度調査」MVNO部門で2年連続総合満足度第1位を受賞。通信品質・合理的料金体系・手続きサポートへの高評価が契約回線数の継続的伸長を支え、2026年3月末時点で94.7万回線を達成している。

FPoS(FinTech Platform over SIM)は当社が特許を取得した独自技術で、金融庁から金融取引の安全性確保と利便性向上に資することが認められている。my FinTech株式会社は2021年11月に電子署名法に基づく特定認証業務の認定を取得し、2026年3月末時点で電子証明書提供件数127,646件、FPoS活用地域決済の累計決済金額50億円突破という実績を積み上げている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高11,633百万円(前期比25.9%増)と堅調な増収を達成した一方、売上原価が33.8%増と売上高の伸びを上回り、売上総利益率は47.8%から38.0%へ低下。販管費も3,280百万円(前期比13.9%増)に拡大し、営業利益率は9.7%(前期10.4%)とわずかに低下した。

ネオキャリア向け初期投資総額約65億円の社債発行に伴う社債利息(29,692千円)・社債発行費償却(4,822千円)が営業外費用を押し上げており、2027年3月期以降も先行投資フェーズが続く見込みである。

親会社株主帰属当期純利益は763百万円と前期849百万円から10.1%減少した。主因はFPoS事業を担う子会社my FinTech株式会社の事業用資産に対する減損損失215百万円の計上であり、同社では過年度より営業損失が継続している。

FPoS事業は電子証明書提供件数の積み上げや地域決済・金融機関向け展開で実績を拡大しているものの、収益化は依然初期段階にあり、投資家は収益貢献の時期と規模を慎重に見極める必要がある。

ネオキャリア向け初期投資資金約65億円は三菱UFJ銀行・りそな銀行・横浜銀行を引受人とする第1〜4回無担保社債(適格機関投資家限定)の発行により調達完了。2026年11月24日のサービス開始予定に向けてネットワーク構築・接続試験・オペレーション整備が進行中である。

ネオキャリア化が実現すれば収益構造の抜本的変化が期待されるが、財務活動CF3,636百万円の大半が社債発行収入であり、自己資本比率は50.4%から37.6%へ低下した点には留意が必要である。

成長戦略

ネオキャリア化・FPoS普及・デジタル認証基盤強化の3軸で2030年度売上650億円を目指す

NTTドコモとの音声・SMS網相互接続に基づき、2026年11月24日にネオキャリアとしての新サービス提供を開始予定。初期投資総額約65億円の資金調達は完了済みで、ネットワーク構築・接続試験・オペレーション整備を進行中。FPoS対応「日本通信アプリ」により既存94.7万回線顧客の円滑な移行を図る。

2026年6月に「日本通信アプリ」をFPoS対応にアップグレード予定。地域決済(めぶくPay・ゆでぴ等)・金融機関向け本人確認(地銀ネットワークサービスとの連携)等で導入実績を積み上げ中。

2026年3月末時点の電子証明書提供件数は127,646件、地域決済累計取扱額は50億円を突破。子会社my FinTechの収益化加速が課題。

FPoSによるマイナンバーカード同等のセキュリティ(JPKI連携・HSM秘密鍵管理・ダイナミック・オプトイン)を自治体・金融機関・事業者向けに展開。ネオキャリアのSIM認証技術にも米国子会社で蓄積したSIM認証技術・認証基盤を活用し、通信とデジタルIDを融合した差別化基盤を構築する。

2026年5月策定の中長期経営方針「ビジョン2030」に基づき、通信サービス事業とデジタルトラスト事業の両輪成長を推進。2027年3月期をビジョン2030の初年度と位置付け、ネオキャリア実現とFPoS普及を最優先課題とする。2030年度目標は売上650億円・営業利益150億円。

最終更新: 2026年7月19日