広告収入の景気依存リスク
売上高の多くを占めるテレビ放送事業収入は企業の広告宣伝費に依存しており、景気後退や消費マインドの冷え込みが広告出稿の抑制を通じて経営成績に直接影響する。インターネット広告をはじめとする多様なメディアとの競争激化も従来のテレビ広告収入の減少圧力となる。対応策として、コンテンツのマルチメディア展開や収益機会の多角化を推進している。
視聴形態多様化・メディア競争リスク
スマートフォン・タブレットの普及や動画配信プラットフォームの台頭により、テレビの視聴形態が多様化し、地上波放送の相対的地位が低下するリスクがある。視聴率の低迷は広告収入の減少に直結し、コンテンツ制作費・配信コストが増加する一方で収益性が悪化する可能性がある。ビジネスソリューション本部を中心に、データ・テクノロジー活用や情報発信強化に取り組んでいる。
コンプライアンス・内部統制リスク
不適切な会計処理、情報漏洩、ハラスメント等のコンプライアンス問題や内部統制の不備が発生した場合、企業イメージの著しい毀損、アドバタイザーからの契約解除、訴訟・規制当局からの処分等につながり経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。当社グループの業態は視聴者・アドバタイザーからの信用・信頼に大きく依拠しているため、信用失墜の影響は特に大きい。対応として、役職員へのコンプライアンス周知徹底、内部監査機能強化、2026年7月設置予定のリスクマネジメント委員会による統合的管理体制を構築する方針である。
放送免許・認定取消リスク
テレビ朝日、BS朝日、シーエス・ワンテンは電波法・放送法等の法令規制を受けており、法令違反により放送免許が取り消された場合、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性がある。また、認定放送持株会社の資産基準等を満たさなくなった場合には認定の取り消しを受けるリスクもある。対応として、法務部・コンプライアンス統括局等複数部門によるチェック体制と、経営トップを統括責任者とするコンプライアンス研修・啓蒙活動を推進している。
外国人株主議決権制限リスク
放送法の規定により、外国人等が有する議決権割合が20%以上となる場合、認定放送持株会社の認定が取り消されるリスクがある。2026年3月期においても20%を上回る部分について名義書換の拒否を実施するなど適正に対処しており、今後も外国人等の議決権行使制限措置を継続する方針である。この制限は外国人投資家の株式取得・議決権行使に影響を与える構造的リスクである。
個人情報漏洩・セキュリティリスク
番組出演者・視聴者・インターネット事業会員・ショッピング事業顧客等の個人情報を保有しており、不正アクセスや不正利用による情報外部流出が発生した場合、信用性の低下や業務停滞、収益への影響が生じる可能性がある。多種多様なデータ活用にも取り組んでいるため、情報管理リスクは拡大傾向にある。コンプライアンス統括局デジタルガバナンス推進部を中心に技術的対策・社内ルール整備・スタッフ教育を実施している。
設備・投融資リターン未達リスク
技術水準維持やコンテンツ制作力強化に向けた設備投資・投融資が期待されるリターンをもたらす保証はなく、リターンが想定を下回る場合は財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。投融資の規模・性質・態様に応じてリスクを判断する社内体制を構築しているが、事業環境の急速な変化により投資効果が不確実な状況にある。戦略的投資を継続しつつ、リスク判断体制の整備により影響の極小化を図っている。
自然災害・事業継続リスク
大規模災害発生時には放送継続困難やCMなし災害情報番組の放送、放送時間短縮が生じる可能性があり、設備被害や社員被災、放送機器障害により通常の事業継続に影響が出るリスクがある。電力不足への対応も放送時間短縮につながる可能性がある。非常災害対策マニュアル、事業継続シミュレーション、社員安否確認システム、防災訓練、バックアップ体制強化等の対策を講じているが、影響・被害の完全排除は困難である。
未知感染症による事業影響リスク
新型コロナウイルス感染症拡大時には広告出稿量の減少、イベント・出資映画の延期・中止、ドラマ撮影中断等、テレビ放送事業およびその他事業収入の減収につながる事態が発生した。今後、感染力や致死率がさらに高い未知の感染症が発生した場合、新型コロナウイルス感染症の影響を上回る事業への影響を受ける可能性がある。コロナ対応のノウハウをグループ内で共有・継承するとともに、様々な環境下でのコンテンツ提供・事業継続対応力の強化に注力している。
気候変動・人的資本リスク
想定以上の規模・スピードで気候変動リスクが進行した場合、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があり、少子高齢化に伴う労働人口減少等による人材獲得競争激化で適切な人材確保・育成が計画通りに進まないリスクもある。また、人権デュー・デリジェンスへの取組みが不十分な場合にはステークホルダーの信用失墜等により事業に影響を及ぼす可能性がある。TCFD提言への賛同・分析実施、気候変動対応チーム・人的資本チームの発足(2025年9月)、人権方針の公表(2024年2月)および人権デュー・デリジェンスの継続実施により対応を強化している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

