事業内容
朝日放送グループホールディングスは、朝日放送テレビ・朝日放送ラジオ・スカイA(CS放送)を核とする放送事業を中心に、アニメ・イベント・動画配信等のコンテンツ事業、住宅展示場・通販・ゴルフ場運営等のライフスタイル事業を展開する認定放送持株会社である。子会社28社・関連会社17社で構成され、テレビ広告主(広告代理店経由)を主要顧客とする放送・コンテンツ事業が売上高の約86%を占める。
2018年に持株会社体制へ移行後、アニメ・CG・イベント等の周辺領域へのM&Aを積極化し、総合コンテンツ事業グループへの転換を進めている。
ビジネスモデル
主収益源は朝日放送テレビのスポット・ローカルタイム・ネットタイム広告収入であり、電通・博報堂DYメディアパートナーズ等の大手代理店経由で販売される。これに加え、自社IPをアニメ・イベント・動画配信・海外展開へ二次利用することで収益を多角化する。
ライフスタイル事業では住宅展示場運営・通販・ゴルフ場で安定的な非放送収益を確保し、放送の集客力と組み合わせることで相乗効果を狙う構造となっている。
企業の強み
朝日放送テレビは開局以来初となる個人全体視聴率(全日・ゴールデン・プライム)の2年連続3冠を達成した。高視聴率は広告主への訴求力を直接高め、スポット収入・ローカルタイム収入の増加に寄与しており、2026年3月期の放送・コンテンツ事業売上高は82,150百万円(前期比4.6%増)を記録した。
ライフスタイル事業のハウジング部門は売上高の約7割を占め、関連子会社の合併(2026年4月にABCライフィズ㈱へ統合)により国内トップクラスのシェアをさらに強化した。放送・コンテンツ事業との連携による集客力を活用し、単なる住宅展示にとどまらない「複合ライフスタイル情報発信拠点」への進化を実績として進めている。
ABCアニメーション・SILVER LINK.・ABCオプテラスタジオ等のアニメ・CG制作子会社群を保有し、2026年1月には中国現地法人(愛漫希(上海)文化伝媒有限公司)を設立してアニメの海外展開基盤を構築した。自社IPをアニメ・イベント・動画配信・海外ライセンスへ多層展開することで、放送広告収入に依存しない収益源を形成している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期85,100百万円から2026年3月期95,998百万円へ5期連続増収で推移しており、成長軌道は安定的である。一方、営業利益は2022年3月期4,203百万円→2023年3月期2,594百万円→2024年3月期832百万円と急落し、当期純利益は2024年3月期に-884百万円の赤字となった。
2025年3月期以降は雇用・所得環境の改善を背景とした広告市場の回復、大阪・関西万博関連収入の増加、スポット収入の拡大により収益性が急改善し、2026年3月期の営業利益は4,763百万円(前期比83.8%増)、当期純利益は4,456百万円に達した。収益性の回復は外部環境の好転に依存する部分が大きく、今後の持続性が注目される。
成長戦略
独創的IPの価値最大化とデジタル・海外展開による総合コンテンツグループへの進化
個人全体視聴率2年連続3冠を背景に広告競争力を維持しつつ、TVerやradikoへの配信拡大により新規視聴者・リスナー層を獲得する。デジタルプラットフォームへの展開を深化させ、放送外収益の拡大を図る。
2026年1月に設立した中国現地法人(愛漫希(上海)文化伝媒有限公司)を活用し、共創パートナーとの連携によるアニメ周辺事業・海外ライセンス展開を拡充する。SILVER LINK.・ABCオプテラスタジオ等の制作子会社群と連携し、質の高い独創的IPを継続的に創出する。
2026年4月にエー・ビー・シー開発㈱がハウジングサポート㈱・アドバンス開発㈱を吸収合併しABCライフィズ㈱へ統合することで、国内トップクラスの住宅展示場シェアをさらに強化する。放送・コンテンツの集客力を活用した「複合ライフスタイル情報発信拠点」への進化を推進する。
CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)のCentralized Data Platformへの強化、生成AIを活用した番組制作効率化(SE探偵・もじもじくん等)、マルチプラットフォーム向け自動編集システムの導入(作業時間約20%削減)等を推進し、コスト競争力と新たな広告手法(トリプルスクリーンCM等)の開発を進める。
Media over IP(MoIP)技術の社内基幹システムへの導入を完了し、大阪・関西万博でのIOWN検証・リモートプロダクションによる4K/HDR中継を実施した。バーチャルプロダクション技術を活用したコンテンツ制作ワークフロー革新により、制作品質の向上と効率化を継続する。
最終更新: 2026年7月19日

