事業内容
株式会社エーアイテイーは、自社で輸送手段を保有しない独立系NVOCC(貨物利用運送業者)として、国際海上コンテナ輸送を中核に、輸出入通関・検品検針・3PLを含む総合的な国際貨物輸送事業を展開する。取扱貨物の大部分は中国・東南アジアから日本への輸入貨物であり、中国沿海部(上海・大連・天津・青島・蘇州・寧波・厦門・深圳等)に独自の拠点網を構築。
台湾・ベトナム・ミャンマーにも連結子会社を持ち、アパレルを中心とした荷主企業に対してFCL・LCL輸送から通関・配送・流通加工まで一貫サービスを提供する。2022年にはプライム市場へ移行し、グループは当社・連結子会社6社・持分法適用関連会社4社で構成される。
ビジネスモデル
FCL輸送では荷主収受運賃と船会社支払運賃の差額、LCL輸送では複数荷主からの混載運賃と船会社支払運賃の差額がそれぞれ収益源となる。これに加え、輸出入通関・検品検針・3PLなどの付帯業務手数料が収益を補完する。
自社輸送手段を持たないため固定費が低く、Cargo Information Serviceによるデジタル付加価値提供で顧客囲い込みと価格転嫁力の維持を図る構造である。
企業の強み
上海・大連・天津・青島・蘇州・寧波・厦門・深圳等に独立系NVOCCとして独自拠点を構築。特定商社・メーカー系列に属さないため幅広い荷主に対応でき、日中間貨物輸送のノウハウを長年蓄積している。この拠点網が競合との差別化基盤となっている。
船積予約・船積状況・到着日等をウェブ上でリアルタイム提供するCargo Information Serviceを独自開発・運営。通関手続きの可視化・最適化機能も備え、2026年2月期には機能拡充を実施。子会社でも同様のデジタルサービスを展開し、新規顧客獲得と既存顧客の取引深耕に活用している。
2026年2月期の通関受注件数は152,656件(前期比9.6%増)と大幅に伸長。輸入取扱コンテナ本数も241,442TEU(前期比4.5%増)と回復基調にある。通関・配送・検品検針等の付帯業務は運賃変動の影響を受けにくく、収益安定化に寄与している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の営業収益は2023期69,463百万円をピークに2024期51,400百万円まで落ち込んだ後、2025期55,638百万円、2026期58,399百万円と回復基調。2027期通期予想は62,500百万円(前期比7.0%増)と回復継続を見込む。
営業利益も2023期5,288百万円のピーク比では低水準ながら、2027期第1四半期は1,106百万円(前年同期比4.3%増)と改善傾向。外部要因として、海上運賃水準の高止まり・円安環境・燃油サーチャージ引き上げが収益を押し上げる一方、春節時期ずれによる取扱数量の一時的減少(輸出入合計62,397TEU、前年同期比2.8%減)や人件費増加(ベースアップ)が利益率改善の制約要因となっている。
売上総利益率は18.0%と前年同期(17.4%)から改善しており、価格転嫁の浸透が確認できる。
成長戦略
付帯業務・三国間輸送・DX・ASEAN拡大による総合物流企業への進化
コスト上昇分を荷主への価格転嫁で吸収する取り組みを継続。2027年2月期第1四半期において売上総利益率が前年同期比0.6ポイント改善しており、価格転嫁の浸透が数値に表れている。
デジタルサービス「Cargo Information Service」の機能拡充を通じ、新規顧客獲得と既存顧客との取引深耕を推進。日本セグメントでは取扱コンテナ本数が前年同期比減少の中でも営業収益が増加しており、単価向上・付帯収益拡大の効果が確認できる。
台湾・ベトナム・ミャンマーの現地法人を活用し、中国代替生産地からの貨物取扱拡大を狙う。台湾子会社では三国間輸送が堅調に推移する一方、ミャンマー・ベトナムは低調が続いており、収益貢献には引き続き時間を要する状況。
生成AIを活用した事務工数削減・処理能力向上によりグループ全体の生産性向上を図る。2027年2月期第1四半期において販売費及び一般管理費は1,586百万円(前年同期1,500百万円から増加)と人件費増加が続く中、業務効率化による費用抑制への取り組みを継続。
高マージンの付帯サービス受注拡大により収益構造の改善を図る。2027年2月期第1四半期の通関受注件数は38,459件(前年同期比2.5%減)と取扱数量は減少しているが、売上総利益率の改善に付帯サービスの貢献が寄与していると考えられる。
最終更新: 2026年7月17日

