株式会社エーアイテイー logo

株式会社エーアイテイー

9381東証プライム倉庫・港湾運送業

株式会社エーアイテイー logo
株式会社エーアイテイー9381

事業内容

株式会社エーアイテイーは、自社で輸送手段を保有しない独立系NVOCC(貨物利用運送業者)として、国際海上コンテナ輸送を中核に、輸出入通関・検品検針・3PLを含む総合的な国際貨物輸送事業を展開する。取扱貨物の大部分は中国・東南アジアから日本への輸入貨物であり、中国沿海部(上海・大連・天津・青島・蘇州・寧波・厦門・深圳等)に独自の拠点網を構築。

台湾・ベトナム・ミャンマーにも連結子会社を持ち、アパレルを中心とした荷主企業に対してFCL・LCL輸送から通関・配送・流通加工まで一貫サービスを提供する。2022年にはプライム市場へ移行し、グループは当社・連結子会社6社・持分法適用関連会社4社で構成される。

ビジネスモデル

FCL輸送では荷主収受運賃と船会社支払運賃の差額、LCL輸送では複数荷主からの混載運賃と船会社支払運賃の差額がそれぞれ収益源となる。これに加え、輸出入通関・検品検針・3PLなどの付帯業務手数料が収益を補完する。

自社輸送手段を持たないため固定費が低く、Cargo Information Serviceによるデジタル付加価値提供で顧客囲い込みと価格転嫁力の維持を図る構造である。

企業の強み

上海・大連・天津・青島・蘇州・寧波・厦門・深圳等に独立系NVOCCとして独自拠点を構築。特定商社・メーカー系列に属さないため幅広い荷主に対応でき、日中間貨物輸送のノウハウを長年蓄積している。この拠点網が競合との差別化基盤となっている。

船積予約・船積状況・到着日等をウェブ上でリアルタイム提供するCargo Information Serviceを独自開発・運営。通関手続きの可視化・最適化機能も備え、2026年2月期には機能拡充を実施。子会社でも同様のデジタルサービスを展開し、新規顧客獲得と既存顧客の取引深耕に活用している。

2026年2月期の通関受注件数は152,656件(前期比9.6%増)と大幅に伸長。輸入取扱コンテナ本数も241,442TEU(前期比4.5%増)と回復基調にある。通関・配送・検品検針等の付帯業務は運賃変動の影響を受けにくく、収益安定化に寄与している。

エンヴァリスの着眼点

2027年2月期第1四半期は営業収益14,933百万円(前年同期比1.3%増)、営業利益1,106百万円(同4.3%増)と営業段階では増収増益を達成。一方、経常利益1,173百万円(同10.0%減)・親会社株主帰属純利益789百万円(同9.3%減)の減益は、前年同期に為替差益175百万円を計上した反動によるものであり、構造的な収益悪化ではない。

会社自身も「当初計画から大きな乖離はなく、概ね計画どおり」と説明しており、通期予想(営業収益62,500百万円、営業利益4,530百万円)に変更はない。

外部要因として、円安環境・海上運賃水準の高止まり・燃油価格動向が業績の主要ドライバーとなっている。2027年2月期第1四半期では円安と運賃水準上昇が収益を押し上げた一方、前年同期の為替差益消滅が経常利益を押し下げた。

米国通商政策をめぐる動向や中東情勢に起因する燃油価格変動、人民元の対ドル動向など、同社の意思決定に依らない外部変数が業績の振れ幅を規定する構造は継続しており、業績予想の達成確度を評価する上でのリスク要因として留意が必要。

中国セグメントは営業収益1,740百万円(前年同期比6.7%減)と減収ながら、セグメント利益196百万円(同31.2%増)と利益率が大幅改善。費用抑制と売上総利益率改善の効果が顕在化している。

一方、その他(台湾・ベトナム・ミャンマー)セグメントは営業収益395百万円(同12.3%減)、セグメント利益38百万円(同47.5%減)と大幅減益。ミャンマーの物流受注低調・ベトナムの組織再編影響が重なっており、チャイナプラスワン戦略の収益貢献には時間を要する状況が続いている。

成長戦略

付帯業務・三国間輸送・DX・ASEAN拡大による総合物流企業への進化

コスト上昇分を荷主への価格転嫁で吸収する取り組みを継続。2027年2月期第1四半期において売上総利益率が前年同期比0.6ポイント改善しており、価格転嫁の浸透が数値に表れている。

デジタルサービス「Cargo Information Service」の機能拡充を通じ、新規顧客獲得と既存顧客との取引深耕を推進。日本セグメントでは取扱コンテナ本数が前年同期比減少の中でも営業収益が増加しており、単価向上・付帯収益拡大の効果が確認できる。

台湾・ベトナム・ミャンマーの現地法人を活用し、中国代替生産地からの貨物取扱拡大を狙う。台湾子会社では三国間輸送が堅調に推移する一方、ミャンマー・ベトナムは低調が続いており、収益貢献には引き続き時間を要する状況。

生成AIを活用した事務工数削減・処理能力向上によりグループ全体の生産性向上を図る。2027年2月期第1四半期において販売費及び一般管理費は1,586百万円(前年同期1,500百万円から増加)と人件費増加が続く中、業務効率化による費用抑制への取り組みを継続。

高マージンの付帯サービス受注拡大により収益構造の改善を図る。2027年2月期第1四半期の通関受注件数は38,459件(前年同期比2.5%減)と取扱数量は減少しているが、売上総利益率の改善に付帯サービスの貢献が寄与していると考えられる。

最終更新: 2026年7月17日