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東海運株式会社

9380東証スタンダード倉庫・港湾運送業

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東海運株式会社9380

事業内容

東海運株式会社は1917年創業の総合物流企業で、物流事業(港湾運送・国際貨物・倉庫・建材輸送)、海運事業(セメント専用船・一般貨物船による内外航輸送)、不動産事業(保有資産の賃貸)、その他事業(植物工場によるトマト生産・販売)の4セグメントを展開する。主要顧客は太平洋セメント株式会社(売上高の21.1%)をはじめとする製造・建設関連企業で、国内13社の子会社・3社の関連会社を含むグループ体制のもと、タイ・オランダ・中国・パナマ等に海外拠点を持ち、国際複合一貫輸送も手掛ける。

東京証券取引所スタンダード市場上場。

ビジネスモデル

売上高の約75%を占める物流事業では港湾荷役・倉庫保管・通関・陸上輸送を一体提供し、継続的な取引関係から安定収益を得る。海運事業では太平洋セメント向けセメント専用船輸送を中核に、新造船投資による輸送能力拡大で収益を積み上げる。

不動産事業は保有土地・建物の賃貸で高利益率の安定収益を創出。中期経営計画では倉庫・フォワーディング・海外事業を拡大注力事業と位置付け、ICT投資と適正料金収受の推進により収益性改善を図る構造。

企業の強み

1952年に小野田セメント(現・太平洋セメント)の海上輸送業務を開始して以来、70年超にわたる取引関係を維持。2026年3月期における太平洋セメント向け売上高は8,489百万円(全体の21.1%)に達し、セメント専用船の新造投資を継続することで輸送体制を強化している。

長期継続取引による収益の安定性は競合他社が短期間で模倣困難な固有の強みである。

2024年に横浜港流通センターおよび危険物マルチワークステーション朝倉サイトの2棟の新倉庫が本格稼働し、倉庫関連業務の収益改善に寄与した。不動産事業では新規賃貸契約締結により2026年3月期の営業収益が778百万円(前期比33.6%増)、セグメント利益が632百万円(同34.2%増)と大幅増益を達成。

物流事業とのシナジーを意識した資産活用が収益多様化に貢献している。

京浜・阪神・中部・九州の主要港湾に加え、タイ・オランダ・中国・パナマ等に海外拠点を保有。港湾運送事業法免許、通関業許可、AEO認定通関業者認定(2016年)、特定保税承認者承認(2014年)など多数の許認可を保有しており、新規参入障壁として機能する。

国際複合一貫輸送ネットワーク「TANDEM GLOBAL LOGISTICS」も構築済みである。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業利益は868百万円(前期比26.3%増)、経常利益は981百万円(同32.7%増)と2期連続の大幅増益を達成。ただし営業利益率は2.2%にとどまり、絶対水準は低い。

新倉庫・新造船の稼働効果が利益押し上げに寄与した一方、販売費及び一般管理費の増加(3,432百万円、前期比2.9%増)やICT投資拡大が利益率改善の制約となっている。

太平洋セメント向け売上高は全体の約21%を占め、単一顧客への依存度が高い。外部要因として、住宅投資の低迷・建設資材価格高止まりを背景に建設関連貨物の荷動きは低調が続いており、フェリー輸送は輸送需要減少により大幅減収となった。

2027年3月期予想でもセメントを中心とした建材需要の減少を想定しており、構造的な需要縮小リスクへの対応が課題。

2027年3月期の会社予想は営業収益42,386百万円(前期比5.6%増)、営業利益1,131百万円(同30.2%増)と強気の見通し。新造船の通年寄与が主な増収ドライバー。

一方、当期の営業キャッシュフローは2,130百万円(前期3,025百万円から29.6%減少)、長期借入金は8,775百万円(前期6,728百万円)へ増加しており、設備投資に伴う財務負担の拡大とキャッシュ創出力の低下が懸念材料。CF対有利子負債比率は5.8年(前期3.4年)に悪化している。

成長戦略

新造船通年寄与と適正料金収受で2027年3月期営業収益42,386百万円・営業利益1,131百万円を目指す

2025年7月・9月・2026年2月に稼働開始した新造セメント船4隻が2027年3月期は通年寄与。豊前久保田海運のセメント輸送体制強化により、太平洋セメント向け輸送需要を安定的に取り込む。海運事業資産は6,889百万円へ拡大済み。

横浜港流通センター・危険物マルチワークステーション朝倉サイトの本格稼働により倉庫関連業務収益は5,077百万円(前期比8.1%増)を達成。大型スポット案件獲得や既存倉庫の稼働率向上を継続し、中期経営計画の拡大注力事業として位置付ける。

運賃・料金の適正化を推進し、収益性の低い事業・資産の売却・再構築を実施。物流事業で保有資産の収益性低下により減損損失131百万円を計上しつつ、経営資源の有効活用と資本収益性向上を図る。中部地域での輸送単価改定が当期収益増に寄与。

保有土地への新規賃貸契約締結により不動産事業収益は778百万円(前期比33.6%増)、セグメント利益は632百万円(同34.2%増)に拡大。物流事業とのシナジーを意識した保有資産の有効活用を継続し、安定的なキャッシュ創出源として育成する。

中期経営計画に基づき、生産性向上・将来成長に向けた戦略的ICT投資を実行。2027年3月期予想では販売費及び一般管理費にICT投資上昇を織り込み済み。短期的にはコスト増要因となるが、中長期的な業務効率化・競争力強化を目指す。

最終更新: 2026年7月19日