事業内容
株式会社キユーソー流通システムは、1966年にキユーピー㈱の倉庫部門から分離・独立し、食品の保管・荷役・全国共同配送を中核とする総合物流グループ。連結子会社15社を含むグループ全体で、冷凍・冷蔵・チルド・常温の4温度帯物流ネットワークを全国展開する。
主要顧客はキユーピー㈱グループおよび㈱日本アクセスで、2025年11月期の営業収益は202,602百万円。国内の共同物流・専用物流に加え、インドネシアを中心とした海外物流も展開し、「日本からアジアに広がる物流ネットワーク」の構築を中長期目標に掲げる。
ビジネスモデル
複数荷主の食品を共同配送することで輸送効率を高める「共同物流事業」(営業収益の約68%)、コンビニ等の物流センターを受託運営する「専用物流事業」(同約20%)、車両・物流機器販売とインドネシア等海外物流を担う「関連事業」(同約13%)の3セグメントで構成。適正料金施策による単価改善とコスト管理を通じて利益を確保する構造。
設備投資は自己資金と長期借入金で賄い、2025年11月期の設備投資額は12,513百万円。
企業の強み
1982年に冷蔵・冷凍食品の共同配送事業を開始して以来、4温度帯対応の全国物流ネットワークを構築。2019年の首都圏SLC新設、2021年の低温リレー輸送開始など継続的なインフラ拡充を実施。食品物流に特化した温度管理技術は参入障壁として機能している。
その他の関係会社であるキユーピー㈱は2025年11月期に12,458百万円(総営業収益比6.2%)の取引を維持。1966年の設立母体との長期的な取引関係は安定収益の基盤となっており、グループ内外の食品メーカー・卸との多層的な顧客基盤を形成している。
第8次中期経営計画のもと適正料金施策を継続推進し、2025年11月期の共同物流事業営業利益は前期比15.9%増の2,964百万円、専用物流事業営業利益は同9.4%増の1,446百万円を達成。料金適正化による単価改善が利益率向上に寄与している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
営業収益は2021期175,967百万円から2025期202,602百万円へ5期連続増収。2026年11月期通期予想は205,000百万円(前期比1.2%増)と増収基調を維持。
一方、利益面は2026年11月期中間期に営業利益2,960百万円(前年同期比3.6%減)、親会社株主帰属中間純利益1,263百万円(同13.9%減)と悪化。外部要因として燃料・電力コストの高止まりや人手不足に伴う労務費上昇が利益を圧迫。
通期予想当期純利益2,100百万円は前期2,648百万円から20.7%減の見通しで、収益性の低下局面が続いている。包括利益は為替換算調整勘定の改善(前年同期△632百万円→当期832百万円)により2,598百万円と大幅改善。
成長戦略
「物流の持続性確保と新たな価値創出」を掲げ国内整備と海外拡大を並行推進
共同・専用物流の両セグメントで適正料金施策を継続し、2026年11月期中間期も増収を実現。コスト増を上回る料金改定の定着が課題であり、特に共同物流事業での利益率回復が急務。
有形固定資産取得5,544百万円(中間期)を中心に物流拠点・車両への投資を継続。減価償却費は4,008百万円(前年同期3,627百万円)と増加しており、投資効果の発現が利益改善の鍵となる。
インドネシアでの新規・既存取引拡大に加え、インドColdrush社株式取得により南アジアへ進出。関連事業は中間期営業収益12.2%増・利益23.6%増と最も高い成長率を示しており、グループビジョン2036の「日本からアジアに広がる物流ネットワーク」構築が進展中。
人手不足・コストアップへの対応として、DX推進や業務効率化による生産性向上を図る。第8次中計の3つ目の基本方針として位置付けられており、労務費上昇を吸収するための構造改革が求められる。
最終更新: 2026年7月17日

