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株式会社上組

9364東証プライム倉庫・港湾運送業

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株式会社上組9364

事業内容

株式会社上組は1867年の神戸港開港時に創業した総合物流企業。港湾荷役・コンテナターミナル運営・倉庫業・自動車運送・国際複合一貫輸送を中核とする物流事業と、重量建設機工・不動産賃貸・太陽光発電・ソフトウェア開発等を担うその他事業の2セグメントで構成される。

連結子会社33社・関連会社18社を擁し、国内主要港湾から香港・上海・深圳・ベトナム・シンガポール・インドまで事業拠点を展開。飼料・穀物・青果物・コンテナ等の多様な貨物を取り扱い、荷主企業・船社・商社等を主要顧客とする。

ビジネスモデル

港湾荷役から倉庫保管・国内配送・国際輸送まで一気通貫のサービスを提供し、取扱トン数・入出庫量に連動した営業収益を得る。物流施設・荷役機械・車両等の自社アセットを活用することで差別化を図り、スポット案件も積極受注して稼働率を最大化する。

その他事業の不動産賃貸・金融業が安定収益を補完し、政策保有株式・不動産の売却益が純利益を押し上げる構造も持つ。

企業の強み

1867年の創業以来、港湾運送を中核に全国主要港湾へ拠点を拡大。物流事業の営業収益261,097百万円・セグメント利益率12.1%を達成し、飼料・穀物・青果物・コンテナ等の多品種貨物を261,247千トン取り扱う実績を持つ。

充実した物流施設・荷役機械・車両等の自社アセットが競合の模倣を困難にしている。

2026年3月期末の自己資本比率は73.5%、純資産合計397,859百万円と財務健全性が高い。営業活動によるキャッシュ・フローは35,717百万円の純収入を確保し、設備投資14,852百万円を自己資金で賄いながら積極的なM&A投資も実行できる財務余力を維持している。

2026年2月に日本ポート産業株式会社を完全子会社化し国内基盤を強化。2025年11月にはインド・ムンドラ港でコンテナ取扱・NVOCC事業を展開するSAURASHTRA FREIGHT PVT.LTD.を連結子会社化し、香港・上海・深圳・ベトナム・シンガポールに続くアジア拠点網を拡充した。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業収益は294,758百万円(前期比+5.6%)、営業利益は36,544百万円(同+10.4%)、親会社株主帰属純利益は31,262百万円(同+16.1%)と全利益段階で増収率を上回る増益率を達成。物流事業のセグメント利益率は12.1%(前期11.8%)に改善。

賃貸不動産・政策保有株式の売却益(特別利益合計6,096百万円)が純利益を押し上げた点は一時的要因として留意が必要。

2027年3月期の連結業績予想は営業収益305,000百万円(+3.5%)に対し営業利益34,300百万円(△6.1%)、純利益27,340百万円(△12.5%)と減益見通し。SAURASHTRA FREIGHT PVT.LTD.等の新規連結に伴うのれん償却・統合コスト、販管費の増加が利益を圧迫する見込み。

投資活動CFが△60,608百万円(前期△7,467百万円)と急拡大しており、成長投資先行フェーズへの移行が短期的な利益成長の逆風となる。

2026年3月期の年間配当は205円(前期130円)と大幅増配し、配当性向は65.9%(前期50.4%)に上昇。2027年3月期も年間205円(配当性向74.0%予想)を維持する方針。

自己株式取得(当期13,000百万円)と合わせた総還元額は30,205百万円に達する。一方、現金及び現金同等物は95,509百万円→69,189百万円と大幅減少しており、M&A投資と高水準還元の継続可能性について財務余力の観点から注視が必要。

成長戦略

中期経営計画2030でグローバル事業確立と国内基盤強靭化を両輪に推進

インド・ムンドラ港でコンテナ貨物取扱・保管事業およびNVOCC事業を展開するSAURASHTRA FREIGHT PVT.LTD.を連結子会社化(2026年3月期)。関係会社株式取得19,261百万円・子会社株式取得19,390百万円を投下し、グローバル物流ネットワークを拡充。

日本ポート産業株式会社を完全子会社化し、国内港湾運送における事業基盤を強化。港湾運送・倉庫・国内運送の取扱量増加により物流事業営業収益は261,097百万円(前期比+7.4%)を達成。スポット案件の積極受注も寄与。

2026年3月期にROE8.0%を達成し、中期経営計画2030の最終年度財務目標を前倒しで実現。当初計画どおり進捗する見通しとして目標達成に向けた取り組みを継続。配当性向65.9%・自己株式取得13,000百万円と株主還元も強化。

投資有価証券売却益4,387百万円(2026年3月期)を計上し、政策保有株式の縮減を推進。売却資金をM&A・設備投資・株主還元に再配分することで資本効率の改善を図る。投資有価証券残高は129,088百万円と依然高水準であり、継続的な縮減余地が存在。

最終更新: 2026年7月19日