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株式会社大運

9363東証スタンダード倉庫・港湾運送業

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株式会社大運9363

事業内容

株式会社大運は1945年創業の老舗港湾運送会社で、東京証券取引所スタンダード市場に上場。大阪・神戸・名古屋・東京に拠点を持ち、港湾荷役(無限定)・通関・倉庫・国際海上コンテナ輸送・NVOCC・3PLを一体的に提供する。

主要顧客は船会社・荷主・元請港運事業者で、輸出入貨物の船積みから陸揚げ・内陸輸送・保管まで一貫引き受けを行う。売上高の98.1%を港湾運送事業が占め、自動車運送事業(海上コンテナ内陸輸送・フェリー輸送)と損害保険代理業が補完する構造となっている。

ビジネスモデル

荷主・船会社から港湾荷役・通関・倉庫・内陸輸送を一括受託し、作業量に応じた役務収入を得る。主要取引先との継続的な取引関係を基盤に、新規顧客獲得と既存顧客との取引深耕で収入を積み上げる。中国事務所を活用した海外パートナーネットワークを通じ、国際一貫輸送の付加価値を高めることで収益性の向上を図る。

企業の強み

港湾運送事業法に基づく無限定業者として、貨物の船積みから陸揚げまでの一貫引き受けが可能。大阪・神戸・名古屋・東京の主要港湾都市に拠点を持ち、1945年の創業以来80年にわたり蓄積した顧客基盤と作業実績を有する。これらは競合が短期間で模倣困難な固有の参入障壁を形成している。

港湾荷役・通関業・倉庫業・NVOCC・国際海上コンテナ内陸輸送を自社グループ内で完結できる体制を持つ。2026年3月期において港湾運送事業の営業収入は9,044百万円(前期比+6.8%)と増収を達成しており、一貫サービス提供力が主要取引先の継続受注につながっている。

2026年3月期末の純資産は4,077百万円で、営業活動によるキャッシュ・フローは543百万円(前期216百万円から大幅増)。現金及び現金同等物の期末残高は1,498百万円を確保。長期借入金の返済を進めながら財務健全化を継続しており、外部環境の変化に対する財務的耐性を維持している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業利益は347百万円(前期比+42.6%)、経常利益441百万円(+36.1%)、当期純利益334百万円(+24.2%)と全利益指標で二桁増益を達成。営業利益率は3.8%(前期2.8%)に改善。

主要取引先の受注堅調と円安環境下での輸入貨物増加が追い風となった。2027年3月期会社予想は営業収入9,400百万円(+2.0%)・営業利益350百万円(+0.8%)と増収増益継続を見込むが、成長ペースは鈍化する見通し。

自動車運送事業は2026年3月期もセグメント損失11百万円(前期損失13百万円)と赤字が継続。燃料費等諸コスト高騰の影響が続いており、売上高も前期比△17.8%の163百万円に縮小。

全社売上の1.8%に過ぎないため業績への直接影響は限定的だが、構造的な収益改善策が示されていない点は注視が必要。原油価格の動向次第では損失幅が拡大するリスクがある。

2026年3月期の為替差損は23百万円(前期14百万円)と拡大し、円安の恩恵と裏腹のコスト増が発生。販管費の保険料は59百万円(前期37百万円)と大幅増加。

これらが営業利益率の本格的な改善を制約している。一方、営業CFは543百万円(前期216百万円)と大幅改善し、固定化営業債権の解消(214百万円→ゼロ)が資産の質改善に寄与。

財務活動CFの改善(△198百万円、前期△568百万円)も評価できる。

成長戦略

新規顧客獲得・取引深耕・国際一貫輸送拡大によるSCM高付加価値化

新規顧客の開拓と既存顧客との取引量拡大を並行推進。2026年3月期は港湾運送事業の外部顧客売上高が前期比+6.8%増の9,044百万円に拡大し、施策の効果が数値に表れている。

輸出入・近海・港湾荷役・倉庫・内陸輸送を一体化した国際複合一貫輸送サービスの受注拡大を推進。円安環境下での輸入貨物受注が堅調に推移し、2026年3月期の増収に貢献。

高付加価値・高収益を目指したSCM(サプライチェーンマネジメント)の構築と業務効率化を推進。2026年3月期の営業利益率は3.8%(前期2.8%)に改善したが、絶対水準は依然低く継続的な取り組みが必要。

前期末に214百万円計上されていた固定化営業債権が2026年3月期末にゼロとなり、貸倒引当金も大幅減少。バランスシートの健全化が進み、営業CFの大幅改善(543百万円)にも寄与した。

最終更新: 2026年7月19日