事業内容
東洋埠頭株式会社は1940年設立(前身は1929年設立の日満倉庫)の老舗総合物流企業。国内では普通倉庫・サイロ・冷蔵倉庫・危険品倉庫等の多様な倉庫施設での保管業務、大型荷役機械を活用したばら貨物・コンテナの港湾運送業、貨物自動車による輸配送を展開する。
川崎・博多・鹿島・志布志・常陸那珂等の主要港湾拠点を保有し、農産品・穀物・合成樹脂・コンテナ等の幅広い貨物を取り扱う。国際物流では子会社㈱東洋トランスを通じロシア・中央アジア向け輸送・倉庫・通関業務を行い、2023年8月にはカザフスタン共和国に現地法人を設立し中央アジア拠点を拡充している。
東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
倉庫・港湾施設等の固定資産(2026年3月期末帳簿価額30,523百万円、総資産の54.5%)に長期投資を行い、保管料・荷役料・輸送料・施設賃貸料を収益源とする。設備資金は長期固定金利借入で調達し金融収支を安定化。
グループ各社への業務委託と連携により多拠点・多品目対応を実現。国際物流では現地法人を通じた輸送・倉庫・通関の一貫サービスを提供する。
企業の強み
普通倉庫・サイロ・青果物倉庫・冷蔵倉庫・危険品倉庫等の多様な施設を川崎・博多・鹿島・志布志・常陸那珂等の主要港湾に自社保有。川崎支店にはプライベートバース(自社埠頭)を有し、競合が短期間で模倣困難な独自性の高い物流インフラを構築している。
2026年3月期のばら積み貨物取扱数量は511万トン(前期比+3.9%)、コンテナ取扱数量は205,754TEU(前期比+8.5%)と双方で増加。大型荷役機械を活用した海陸一貫作業の実績が蓄積されており、穀物・農産品・合成樹脂等の多品目対応力が顧客基盤の維持・拡大に寄与している。
2023年8月にカザフスタン共和国に現地法人(東洋トランスセントラルアジア有限責任会社)を設立し、2026年4月には倉庫を増築。2026年3月期の国際物流事業営業収益は5,616百万円(前期比+33.4%)と急拡大しており、中央アジア向け輸送ルートの先行開拓が収益貢献を始めている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
営業収益は2024年3月期(34,697百万円)を底に回復し、2026年3月期は38,079百万円と過去5期で2023年3月期(38,086百万円)に次ぐ高水準。営業利益1,501百万円・純利益1,466百万円はいずれも過去5期最高。
国内総合物流事業では農産品・合成樹脂・穀物・コンテナの取扱数量増加と適正料金収受が寄与。国際物流事業では中央アジア向け輸送の急拡大が収益に大きく貢献。
外部要因として諸物価高騰・人手不足・輸送能力不足が続く中、適正料金収受の推進が利益率改善を支えた。営業活動CFは3,261百万円(前期比+51.5%)と大幅改善。
一方、固定資産取得増加(3,727百万円)により投資CFの純支出が拡大し、現金及び現金同等物の期末残高は4,007百万円(前期比▲479百万円)に減少した。
成長戦略
新規施設稼働・中央アジア展開・DX推進で2028年創業100周年に営業収益500億円を目指す
新規施設の本格稼働により物流関連施設の賃貸収入が増加。2026年3月期のその他業務営業収益は前期比+6.8%増収と貢献が顕在化。引き続き固定資産取得(当期3,727百万円)を通じた施設拡充を推進。
カザフスタン共和国での物流センター開設・倉庫拡張を軸に中央アジア向け輸送を拡大。2026年3月期の国際物流事業営業収益は5,402百万円(前期比+33.4%)、営業利益は157百万円(前期比+228.3%)と急成長を実現。
新基幹システムの本格稼働とデジタル化推進により業務効率化を図る。費用削減と生産性向上を通じた利益率改善が目的。2027年3月期の業績予想においても継続施策として位置づけられている。
社会的責任の向上と競争力強化を目的としたカーボンニュートラル施策を推進。荷主企業のサステナビリティ要請への対応力強化により、長期的な顧客基盤の維持・拡大を図る。
最終更新: 2026年7月19日

