事業内容
株式会社スマサポは「smartなくらしをsupportする」を経営理念に掲げ、電話・書面・FAX中心のアナログな不動産業界において、不動産管理会社と入居者間のコミュニケーション課題をデータ・テクノロジーで解決する単一事業会社。主力サービスは新生活サポート「スマサポサンキューコール」(入居時のコールセンター代行・ライフライン取次)と入居者アプリ「totono」(各種申請・チャット対応のデジタル化)。
2016年に不動産管理会社向けソリューション提供事業を開始し、2022年12月に東京証券取引所グロース市場へ上場。大東建託パートナーズ・リクルート・エポスカードなど大手企業との提携を通じ、全国の不動産管理会社を主要顧客として事業を展開している。
ビジネスモデル
収益は主に二系統。①スマサポサンキューコール:不動産管理会社から入居者情報提供の対価を支払いつつ、新電力・インターネット回線・ウォーターサーバー等の商材提供事業者から取次手数料を収受する仲介モデル。
②入居者アプリtotono:不動産管理会社から初期導入料と月額利用料を収受するSaaS型モデルに加え、チャット対応BPO(totono2.0)による運営受託収益も加算。入居者からは料金を徴収しない設計で、管理会社の業務効率化と収益向上を同時に実現することで継続利用を促進する。
企業の強み
大東建託パートナーズ(資本業務提携・2022年7月)、リクルート(業務提携・2023年8月)、エポスカード(業務提携・2024年1月)と相次いで提携を締結。大東建託パートナーズとはスマサポサンキューコールの導入も開始しており、大手管理会社経由での顧客基盤拡大が進んでいる。
スマサポサンキューコールの単価は2022年9月末5,982円→2025年9月末7,147円と3年間で約19%上昇。コンタクト数が前期比でわずかに減少した2025年9月期においても、提案商材の拡充・アップセルにより単価上昇が継続し、売上高5.3%増・営業利益75.6%増を達成した。
2024年9月にチャット対応BPO付加サービス「totono2.0」を開始し、2025年9月末時点でユーザー数64,687ユーザー・ARPU103円を達成。また、2025年1月には台湾政府機関「国家住宅及都市更新中心」が推進する住宅管理アプリ開発プロジェクトへの参画が実現し、国内実績の海外展開可能性を示した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去の業績推移は、2023年9月期の赤字(営業利益△133百万円)を底に、2024年9月期108百万円、2025年9月期190百万円と急回復してきた。しかし2026年9月期中間期は売上高1,368百万円(前年同期比3.9%減)、営業利益60百万円(同47.1%減)、中間純利益37百万円(同60.5%減)と大幅に悪化した。
主因はtotono1.0→2.0移行期における売上の一時的な落ち込みと、人的資本投資・AI研究開発等の先行費用増(販管費前年同期比+44百万円)。外部環境として都心部の堅調な賃貸需要と管理業界の人手不足は継続しており、通期予想(売上高3,150百万円、営業利益230百万円)は据え置かれているが、下期での大幅回復が前提となっている。
成長戦略
totono2.0拡大・AI投資・他業種提携の三位一体で収益基盤を多層化
従来のtotono1.0に入居者対応業務のアウトソーシングを付加したtotono2.0の販売に注力。当中間期にユーザー数は前四半期比18.0%増、ARPUは初めて120円を超え122円を達成。機能拡充と導入促進を継続し、管理会社・入居者双方への付加価値向上を図る。
BPOコスト削減と業務効率化を目的としたAI分野への研究開発投資を充実させる方針を明示。当中間期の投資活動CF(無形固定資産取得70百万円)に一部反映されており、長期的な収益性改善への布石として位置づけられている。
コンタクト数が前年同期比微減の中、案内する商材数を増加させることで顧客満足度向上と単価上昇を両立。コンタクト数依存から商材の質・量による収益拡大モデルへの転換を推進しており、当中間期に単価上昇として成果が表れている。
家具サブスク・自転車保険等の他業種サービスをtotonoプラットフォーム上で取り次ぐことで手数料収益を積み上げる。プラットフォームのユーザー数拡大に伴い取次収益の絶対額拡大が期待される複線型収益モデルの強化策。
長期的な成長基盤として人的資本への投資を積極化する方針を明示。当中間期の販管費増加(前年同期比+44百万円)の一因となっているが、会社側は短期的な利益圧迫を許容しつつ中長期の競争力強化を優先する姿勢を示している。
最終更新: 2026年7月17日

