事業内容
川西倉庫は1903年創業の老舗総合物流企業で、2026年3月末時点で当社および連結子会社10社で構成される。国内物流事業では倉庫業(普通・冷蔵)を核に港湾運送・貨物運送取扱・通関・流通加工を一体提供し、神戸・大阪・名古屋・横浜・東京等の主要港湾都市に拠点を展開する。
国際物流事業ではNVOCC(非船舶運航業者)を中心に海外輸送・輸出入取扱・海外倉庫事業を展開し、シンガポール・タイ・インドネシア・ベトナム・米国に現地法人を保有する。主要顧客は食品・工業品等の荷主企業であり、港湾立地の倉庫ネットワークを活かした一貫物流サービスが競争力の源泉となっている。
ビジネスモデル
倉庫業では寄託貨物の保管料と入出庫荷役料を収受し、保管残高の水準が収益の安定性を左右する。港湾運送では船内荷役・荷捌等の取扱量に応じた運送料金を収受する。
貨物運送取扱業ではノンアセット型を含む取次業務で運賃・料金を得る。国際物流ではNVOCCとして複合輸送の取次手数料を収受し、海外現地法人では倉庫保管料・荷役料も加わる。
太陽光売電・不動産賃貸が小規模ながら高利益率で安定収益を補完する構造となっている。
企業の強み
1903年創業で2026年に123年目を迎える。神戸・大阪・名古屋・横浜・東京の主要港湾都市に支店・営業所を展開し、普通倉庫の期末保管残高281,785トン(前期比103.7%)・港湾運送取扱合計2,207,368トン(前期比113.9%)を実現する物流インフラを保有する。
倉庫保管・港湾運送・貨物運送取扱・通関・流通加工を単一グループ内で完結できる体制を持つ。2026年3月期の国内物流事業営業収益は21,484百万円、セグメント利益率8.5%を達成。M&Aで取得した(株)エムティーサービスが第4四半期から業績に寄与するなど、運送機能の拡充も進んでいる。
シンガポール・タイ・インドネシア・ベトナム・米国に現地法人を保有し、国際物流事業の営業収益は4,532百万円。2025年9月にベトナム子会社TOAN PHAT LOGISTICS JOINT STOCK COMPANYを連結化し、インドネシアでは倉庫用地への設備投資(50百万円)も実施。
海外倉庫事業を足掛かりとした国際物流拡充の実績を積み上げている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
営業収益は2023年3月期の27,107百万円をピークに一旦落ち込んだ後、2025年3月期25,543百万円→2026年3月期26,400百万円と緩やかな回復基調。営業利益は2024年3月期1,160百万円をピークに2025年3月期1,027百万円→2026年3月期1,115百万円と持ち直したが、経常利益・純利益は2期連続減少。
M&A取得関連費用(112百万円)・支払利息の倍増(49百万円→97百万円)・為替差損(前期は差益51百万円)が経常利益を押し下げた。外部要因として、前期低調だった港湾運送取扱量の回復が国内物流を下支えした一方、海運市況の変動が国際物流の収益性に影響した。
親会社株主帰属純利益は636百万円(EPS82.91円)と2022年3月期523百万円以来の低水準に近づいており、M&A投資の回収が今後の利益回復の鍵となる。
成長戦略
次世代物流施設・ASEAN投資・リコンストラクションの三本柱でVision2027達成を目指す
中期経営計画Vision2027の第一の柱。老朽施設の更新・高機能化により保管効率と顧客サービス水準を向上させ、国内物流事業の収益基盤を強化する。2026年3月期は建設仮勘定が874百万円から12百万円へ大幅減少しており、施設竣工・稼働フェーズへの移行が示唆される。
三大重点戦略の第二の柱。インドネシア・タイ・シンガポールの既存拠点に加え、2026年3月期にベトナム子会社(TOAN PHAT LOGISTICS)を新規連結化し第3四半期より業績寄与開始。
アジア地域の有形固定資産は4,818百万円→5,044百万円へ増加。外部要因としてASEAN経済成長が追い風となる環境にある。
三大重点戦略の第三の柱。M&Aによる運送事業強化を中心に事業領域を拡大。
2026年3月期に(株)エムティーサービスを取得(第4四半期より寄与)、後発事象としてGBtechnology株式会社の株式51%を取得対価918百万円で取得決議(2026年6月みなし取得日)。倉庫事業と運送事業の一体化によるサプライチェーン最適化を目指す。
最終更新: 2026年7月19日

