事業内容
アサガミ株式会社は1948年創業の東証スタンダード上場企業。物流事業(倉庫・港湾フォワーディング・運輸の3部門)を中核に、不動産賃貸・管理事業、新聞・婚礼・年賀印刷を手掛ける印刷事業、および建築工事・業務請負のその他事業を展開する。
主要顧客はJFEスチール等の製鉄・鉄鋼関連企業、AGC等の素材メーカー、建設機械メーカー、新聞社等。連結子会社9社を含むグループ全体で売上高39,123百万円(2026年3月期)を計上する。
ビジネスモデル
物流事業(売上構成比58.2%)で規模を確保しつつ、不動産事業(同8.9%)が高い利益率(セグメント利益率約48%)で収益を下支えする二層構造。印刷事業(同35.5%)は受託印刷の移管受注や料金改定で収益性を改善中。各事業の設備・拠点を活用した内部取引も収益効率化に寄与する。
企業の強み
1953年に川崎製鉄(現JFEスチール)千葉製鉄所の特命業者となって以来、70年超にわたり製鉄関連の原材料・製品の港湾荷役・陸上輸送を担う。同様に旭硝子(現AGC)とも1959年から長期取引を継続しており、大手素材メーカーとの深い取引関係が安定的な受注基盤を形成している。
不動産事業のセグメント売上高3,480百万円に対しセグメント利益1,681百万円と利益率は約48%に達する。大型物流施設・商業施設等の賃貸・管理を手掛け、修繕費・減価償却費のコントロールにより高い利益率を維持。物流・印刷事業の収益変動を補完する安定的な高収益源として機能している。
婚礼分野での事業構造改善(固定費削減)と新聞分野での他社工場からの印刷物移管受託・料金改定が奏功し、印刷事業の営業利益は前年同期比110.5%増の875百万円を達成。売上高が前年同期比5.8%減の中でも大幅増益を実現しており、コスト構造の改善効果が実績として確認できる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は41,526百万円(2022期)→41,092百万円(2023期)→39,634百万円(2024期)→38,944百万円(2025期)→39,123百万円(2026期)と緩やかな縮小から横ばい圏で推移。一方、営業利益は2024期の1,537百万円を底に2025期1,929百万円、2026期2,582百万円と2期連続で大幅改善。
2026期の改善要因は、物流事業における料金改定・製鉄関連作業量増加(外部要因として鋼材需要の底堅さが寄与)、印刷事業の固定費削減効果の顕在化、不動産事業の賃料上昇傾向(外部要因として都心オフィス市況の好調が寄与)の三重奏。自己資本比率は5期連続改善で51.6%に達し、財務体質の強化も確認できる。
2027期は外部環境悪化(米国関税・燃料高)を主因に営業利益2,029百万円(前年比21.4%減)と反落予想。
成長戦略
料金改定・業務効率化・顧客基盤拡大の3軸で持続的な利益成長を追求
物流コスト上昇(燃料費・人件費)を背景に、運輸部門・港湾フォワーディング部門での料金改定を継続実施。2026年3月期の運輸部門売上高は13,972百万円(前年同期比5.4%増)と料金改定効果が顕在化。2027年3月期は燃料価格急上昇が逆風となるが、料金改定の定着による単価維持が課題。
婚礼分野の取引先構成適正化・固定費削減策を前期までに実施し、2026年3月期のセグメント利益は875百万円(前年同期比110.5%増)と大幅回復を達成。新聞分野では他社工場からの印刷物移管受託により受注量を確保。構造的縮小市場での収益維持施策として継続中。
建設機械の輸出取扱量増加・製鉄関連作業量の拡大を通じて港湾フォワーディング部門の売上高を伸長。2026年3月期は6,931百万円(前年同期比4.5%増)を達成。ただし2027年3月期は米国関税政策の影響による航空貨物取扱量減少が懸念されており、取扱品目・仕向地の多様化が課題。
最終更新: 2026年7月19日

