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株式会社杉村倉庫

9307東証スタンダード倉庫・港湾運送業

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株式会社杉村倉庫9307

事業内容

株式会社杉村倉庫は1895年創業、大阪市港区に本拠を置く老舗物流企業。倉庫保管・荷役荷捌・貨物自動車運送を中核とする物流事業(営業収益9,582百万円)に加え、土地・建物・駐車場等の賃貸を行う不動産事業(同1,343百万円)、ゴルフ練習場運営と太陽光売電のその他事業(同318百万円)を展開する。

主要顧客は富士フイルムロジスティックス㈱(売上比率37.2%)をはじめとする食品・製造業系荷主。子会社の杉村運輸㈱・杉村興産㈱と連携し、保管から輸配送・流通加工まで一貫サービスを提供する。

親会社は野村ホールディングス㈱。

ビジネスモデル

物流事業では保管面積133,564㎡の自社倉庫を月平均91.6%の高稼働率で運用し、保管料・荷役荷捌料を主収益源とする。運送は子会社杉村運輸㈱への委託を活用し固定費を抑制。

不動産事業では大阪市港区の自社保有地・建物を賃貸し、セグメント利益率60.5%という高収益を実現。両事業の安定キャッシュフローを設備維持・更新投資に充当する内部資金完結型モデルを基本とする。

企業の強み

大阪港営業所を中核拠点とし、保管面積133,564㎡の自社倉庫を保有。2026年3月期の月平均保管面積利用率は91.6%と高水準を維持しており、食品をはじめとする既存顧客の取扱物量増加が保管料・荷役荷捌料収入の安定的な拡大を支えている。1895年創業以来の長期顧客関係が稼働率の下支えとなっている。

不動産事業のセグメント利益率は60.5%(利益877百万円/収益1,343百万円)と極めて高く、グループ全体の収益安定性に大きく貢献している。大阪市港区に自社保有する土地・建物・駐車場を賃貸しており、既存物件での賃料改定や駐車場利用台数増加により増収基調を維持。

セグメント資産5,643百万円を背景とした資産基盤の厚みが強みである。

2022期から2026期にかけて売上高は10,192百万円から11,242百万円へ拡大し、営業利益は1,176百万円から1,411百万円へ5期連続で改善傾向にある。2026期は営業原価が前期比31百万円減少し、販管費も6百万円減少したことで、増収幅が小さい中でも営業利益は44百万円(3.3%)増益を達成した。

コスト管理能力の高さが実績として示されている。

エンヴァリスの着眼点

会社予想では2027年3月期の営業利益は1,260百万円(前期比△10.7%)と大幅減益を見込む。首都圏営業所の大規模修繕費増加、人件費・燃料費の上昇が主因。

一方、2021年稼働の基幹システム減価償却費が次期中に終了する点はプラス要因。大阪港倉庫の増改築・大規模改修方針が次期中に決定された場合、既設建物解体費用等の追加コストが業績予想に影響する可能性があり、下振れリスクとして注視が必要。

2022年3月期から2026年3月期にかけて営業収益は10,192百万円→11,242百万円(+10.3%)、営業利益は1,176百万円→1,411百万円(+20.0%)と着実に拡大。ただし2026年3月期の増収率は0.1%と成長が頭打ちに近く、2027年3月期は減収減益予想。

外部要因として配送ドライバー不足の深刻化や物価高止まりによる事業コスト上昇が継続しており、収益改善余地は限定的との見方もある。

大阪市港区本社近辺の土地有効活用と大阪港営業所倉庫の増改築・大規模改修の検討が進行中。これらが実現すれば不動産事業の新規収益化と物流事業の保管能力強化が同時に図られ、中長期的な収益拡大につながる可能性がある。

一方、投資実行時には一時的なコスト増や減損リスクも伴う。配当は1株当たり15円(配当性向25.3%)と低水準にとどまっており、資本効率向上に向けた株主還元方針の明確化も投資家の関心事項となっている。

成長戦略

倉庫機能強化・遊休不動産活用・コスト効率化の三軸で収益基盤を再構築

物流事業の中核拠点である大阪港営業所内の老朽化倉庫について、機能強化を目的とした増改築または大規模改修を検討中。実現すれば保管能力・機能の強化により既存顧客の取扱物量拡大や新規顧客獲得に貢献する見込み。方針決定時には既設建物解体費用等が一時コストとして発生する可能性がある。

本社近辺に所在する土地の有効活用に向けた検討を進めており、不動産事業の新規収益源として期待される。既存の高収益不動産ポートフォリオ(セグメント利益率60%超)にさらなる収益物件を加えることで、安定収益基盤の拡充を図る。

2021年稼働の社内基幹システムに係る減価償却費が2027年3月期中に終了する見込みであり、販管費の減少要因となる。引き続き業務効率化により生産性向上を図り、人件費・燃料費等のコスト上昇を吸収する方針。

食品をはじめとする既存顧客の取扱物量増加を通じた保管料・荷役荷捌料収入の拡大を継続。倉庫稼働率の高水準維持と下払費用等の原価管理により、次期においても倉庫稼働率は高水準で推移する見通し。

最終更新: 2026年7月19日