事業内容
東陽倉庫株式会社は1926年設立(前身は1893年創業)の老舗総合物流企業で、名古屋港を中心に中部・関東・関西・海外に拠点を展開する。物流事業(倉庫業・港湾運送・陸上運送・国際輸送・流通加工等)と不動産事業の2セグメントを運営し、連結営業収益は30,161百万円。
主要顧客にはユニリーバ・ジャパン株式会社(営業収益の11.2%)をはじめ、非鉄金属・食料工業品・消費財メーカー等が含まれる。アジア・北米・欧州に海外拠点を持ち、グローバルな複合輸送サービスを提供する。
ビジネスモデル
収益の約98%を占める物流事業では、保管・荷役・運送・通関・国際複合輸送を一貫して受託する3PL型モデルを採用し、顧客の物流業務を包括的に担う。残約2%の不動産事業は自社保有施設の賃貸を主軸とし、セグメント利益率42.0%の高収益構造を持つ安定収益源として機能する。
設備投資資金は金融機関からの長期借入で調達し、営業キャッシュ・フローの再投資により拠点拡充を継続する。
企業の強み
1893年創業を起源とし、1926年設立以来、名古屋港を核に倉庫・港湾・陸運・国際輸送を一体運営してきた実績を持つ。2025年7月の知多市物流施設開設など継続的な拠点拡充を実施しており、2026年3月期の保管貨物期中平均月末残高は221千トン(前期比105.3%)と増加基調にある。
物流事業(営業収益29,545百万円、利益率6.1%)と不動産事業(営業収益616百万円、利益率42.0%)を組み合わせた「八ヶ岳型」経営戦略を掲げ、異なる事業領域での同時成長を図る。不動産事業の高利益率が物流事業の収益変動を補完し、グループ全体の収益安定性を高めている。
上海・タイ(バンコク・チョンブリ)・韓国釜山・米国ロサンゼルスに現地法人・資本参加先を持ち、IATA貨物代理店資格・認定通関業者・特定保税承認者の各資格を保有する。2026年3月期の国際輸送事業は航空輸送の増加により堅調に推移し、グローバル業務の高度化が収益に貢献している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の連結営業収益は30,161百万円(前期比3.3%増)、営業利益1,376百万円(同10.9%増)、当期純利益1,662百万円(同11.2%増)と、いずれも過去5期で最高水準を達成。物流事業では中東・南米からの非鉄金属保管残高の堅調推移、港湾運送でのアルミ地金・輸出貨物増加、円安環境(外部要因として)を追い風とした国際輸送の拡大が寄与。
一方、2027年3月期の連結業績予想は営業収益30,500百万円(1.1%増)、当期純利益1,150百万円(30.8%減)と大幅減益を見込む。特別利益の剥落と持分法投資利益の減少が主因で、経常利益も1,700百万円(11.0%減)予想。
包括利益は3,015百万円(前期比61.9%増)と投資有価証券評価差額金の大幅増加(1,089百万円)が純資産を押し上げた。
成長戦略
3PL推進・グローバル強化・不動産安定収入拡大の三本柱による同時成長戦略
物流テクノロジーを駆使した3PLサービスの提供強化を継続。2025年7月開設の知多市物流施設が早期に本格稼働し取扱量拡大に貢献。有形固定資産への継続投資(2026年3月期1,949百万円支出)により物流能力の増強を図る。
アジアを中心とした海外ネットワークの拡充とグローバル業務体制の高度化を推進。2026年3月期は円安環境を活用した航空貨物の増加により国際輸送事業が堅調に推移。引き続き海外拠点の拡充を継続方針として掲げる。
自社保有不動産の有効活用を通じた不動産関連事業の拡大を図る。2026年3月期は賃貸料収入・工事請負収入の減少により不動産事業営業収益は616百万円(前期比8.2%減)と苦戦。2027年3月期以降の回復が課題。
最終更新: 2026年7月19日

