事業内容
株式会社ヤマタネは1937年創業の東証プライム上場企業。倉庫・港湾・国際物流・機密文書管理を手掛ける物流関連事業を基盤に、米穀卸売・加工食品卸売を中心とする食品関連事業、不動産賃貸・流動化事業、グループITを支える情報関連事業の4セグメントを展開する。
主要顧客は大手量販店・外食産業・コメ小売店・荷主企業等。2026年3月期の売上高88,674百万円のうち食品関連が56,282百万円と約63%を占め、物流関連26,079百万円、不動産関連4,604百万円、情報関連1,706百万円が続く。
2025年4月にカンパニー制へ移行し、部門別収益管理と事業間シナジー創出を加速している。
ビジネスモデル
物流事業では保管料・荷役料・運送料等のサービス収益を積み上げ、食品事業では全国産地から玄米を仕入れ精米・卸売する差益モデルで収益を得る。不動産事業はビル賃貸による安定賃料収入に加え、物流不動産の計画的流動化による売却益を組み合わせる。
情報事業はグループ内外へのITサービス提供で収益を補完する。M&Aによる子会社化を積極活用し、バリューチェーン拡大と規模拡大を同時に追求する構造となっている。
企業の強み
全国主要産地との長期的信頼関係を基盤に玄米を直接調達し、ISO9001・SQF認証取得の精米工場で加工・卸売する一貫体制を保有。政府備蓄米の精米作業受託実績を持ち、関連圃場面積は合計約1,650haに達する。競合が短期間で模倣困難な産地ネットワークと生産基盤が収益の源泉となっている。
物流関連(営業利益2,369百万円)・食品関連(4,027百万円)・不動産関連(2,043百万円)の3事業が独立して利益を創出し、特定事業への依存度を分散している。不動産賃貸の安定収益と食品・物流の成長収益が組み合わさり、2026年3月期の連結営業利益は5,864百万円と前期比55.1%増を達成した。
2022年以降、シンヨウ・ロジ、ショクカイ、農産ベストパートナー、しん力、ヤマタネドキュメントマネジメント、キョクトウ等を相次いで子会社化。2026年にはアジテック・ファインフーズ、コメプロも子会社化し、食品製造・農業コンサルまでバリューチェーンを拡張。
各社の通年連結寄与が業績押し上げに直結している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期46,765百万円から2026年3月期88,674百万円へ5年間で約1.9倍に拡大。2026年3月期は前期比9.6%増収、営業利益は5,864百万円(前期比55.1%増)、親会社株主帰属純利益は5,498百万円(同77.8%増)と大幅改善。
ROEは9.0%(前期5.6%)に上昇した。増益の主因は食品関連のコメ需給逼迫による販売単価上昇(外部要因)、物流関連の価格転嫁進展、新規連結子会社4社の寄与、投資有価証券売却益1,649百万円・受取補償金1,773百万円の特別利益計上。
2027年3月期は売上高98,560百万円(11.1%増)を予想する一方、コメ需給緩和・先行投資費用・金利上昇により営業利益4,110百万円(29.9%減)と大幅減益を見込む。
成長戦略
「ヤマタネ2028プラン」で食×物流シナジー・CRE戦略・DX推進により売上高1,000億円・ROE7.5%以上を目指す
2025年4月のカンパニー制移行により部門別収益管理を高度化。物流×食品の協働(コメ・農産物領域の物流プラットフォーム構築)、情報カンパニーによるグループDX支援を推進。2026年3月期は中期計画財務目標を初年度に全項目達成した。
2025年に農産ベストパートナー・しん力(コメ卸・EC)を子会社化し食品関連の売上・利益に即寄与。2026年にはアジテック・ファインフーズ(食品製造・販売)・穂海耕研(農業経営コンサルティング)の子会社化を予定し、産地から製造・販売までのバリューチェーン統合を加速する。
2025年7月にヤマタネドキュメントマネジメント・キョクトウを取得(取得原価1,688百万円)し、関東・関西両拠点での機密文書保管・電子化事業を確立。物流カンパニーの国内業務収益に貢献し、2027年3月期も通年寄与が見込まれる。
物流不動産の計画的流動化を2026年3月期より本格開始し売却益を計上。清水建設との越中島開発計画を着実に推進。2027年3月期は不動産関連売上高6,070百万円(前期比31.8%増)・営業利益2,600百万円(同27.3%増)を予想し、全セグメント中最大の増益寄与が期待される。
資本コスト・株価を意識した経営の実現に向け、政策保有株式の縮減スピードを加速。2026年3月期は投資有価証券売却益1,649百万円を計上。新役員報酬制度(ROE・ROIC等KPI導入、業績連動型譲渡制限付株式報酬)を2026年6月の定時株主総会に付議予定。
最終更新: 2026年7月19日

