事業内容
ヤマシタヘルスケアホールディングス株式会社は、1926年創業の山下医科器械株式会社を中核とする医療機器販売持株会社。2017年12月に持株会社体制へ移行し、現在は連結子会社9社を擁する。
主力の医療機器販売業では、一般機器・消耗品・低侵襲治療・専門分野・情報サービスの5分野を通じ、病院をはじめとする医療機関に幅広い医療機器・消耗品・ITシステムを供給する。九州・中国地方を主要地盤とし、離島・過疎地域を含む地域医療インフラを支える役割を担う。
医療機器製造・販売業(整形外科用インプラント・超音波診断装置)および広島県福山市での医療モール運営も手掛ける。
ビジネスモデル
医療機器メーカーから仕入れた機器・消耗品を医療機関へ販売する卸売型ビジネスが収益の根幹。消耗品・診療材料は繰り返し需要が発生するストック型収益を形成し、設備機器販売・医療ITシステム構築・メンテナンスサービス・SPD(院内物品管理アウトソーシング)等の付加価値サービスで収益を補完する。
自社開発製品(整形外科用インプラント・超音波診断装置)の製造・販売も育成中。
企業の強み
中核事業会社・山下医科器械株式会社は2026年8月に創業100年を迎える。九州・中国地方の医療機関との長期的な取引関係を背景に、2025年5月期の連結売上高は64,486百万円と安定的な規模を維持。離島・過疎地域を含む物流体制の維持を経営方針に明記し、地域医療インフラとしての社会的役割を担う。
一般機器・一般消耗品・低侵襲治療・専門・情報サービスの5分野に専門営業スタッフを配置。内視鏡ではオリンパス社との特約店契約を保有し、電子カルテ・医療ITシステムの常設展示場「MEDiPlaza西日本」でのITコンサルティングも提供。単なる物販にとどまらない総合的な医療機関支援体制を構築している。
有利子負債がなく(キャッシュフロー対有利子負債比率・インタレストカバレッジレシオとも算出対象外)、2025年5月期末の現金及び現金同等物残高は5,698百万円。自己資本比率は32.6%。
営業キャッシュフローは617百万円を確保し、設備投資・配当・自己株式取得を自己資金で賄う財務健全性を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期55,146百万円→2026期64,149百万円と拡大基調だったが、2026期は前期比0.5%減と初の微減。営業利益は2023期1,156百万円をピークに低下が続き、2026期は737百万円・営業利益率1.1%まで低下。
外部要因として放射線機器・画像診断機器の設備投資需要が前年割れとなったことが売上を押し下げた。一方、消耗品・低侵襲治療・専門分野は堅調で、市場環境として高齢化に伴う医療需要の底堅さは継続。
親会社株主帰属純利益は648百万円(前期比5.1%増)と増益だが、これは法人税等の減少(前期329百万円→当期282百万円)によるもので実力ベースの改善とは言い難い。
成長戦略
積極投資とグループ機能向上によるバランス経営で中期的な収益基盤強化を目指す
新鳥栖TMSセンター(仮称)の増改築および自動倉庫・搬送ロボット・倉庫管理システム等のマテリアルハンドリング設備導入を推進。建設仮勘定は862百万円に積み上がっており、安定的な商品供給体制の構築と省人化による生産性向上を目指す。
手術支援ロボットや高性能画像診断装置等の高付加価値製品の販売拡大に注力。システム提案・保守サービスを組み合わせたソリューション営業を強化し、顧客満足度向上と収益性改善を図る。補正予算による医療DX・ICT整備・設備更新需要の確実な取り込みも狙う。
処遇改善・定期昇給・譲渡制限付株式付与等の人的資本投資を継続。2026年5月期に給料手当及び賞与は3,973百万円(前期比+169百万円)に増加。魅力ある組織づくりを通じた人材確保・定着を図り、中長期的な競争力の源泉とする。
2026年8月の山下医科器械株式会社創業100周年を機に、周年事業を通じたブランド価値向上と既存取引先への深耕を図る。長年培ってきた顧客との信頼関係を一層強固なものとし、中長期的な企業価値向上に取り組む。
整形外科用インプラントおよび超音波画像診断装置「ブレストスキャン」の販売拡大を通じ、セグメント損失の縮小を図る。2026年5月期のセグメント損失は185百万円(前期220百万円から縮小)と改善傾向にあるが、依然赤字が継続しており収益化が課題。
最終更新: 2026年7月17日

