継続企業前提に関する疑義
フィナンシャルテクノロジー事業の大型プロジェクト中断に伴い、減損損失245,318千円および事業構造改善引当金繰入額108,416千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は527,903千円となり、当連結会計年度末の純資産は△95,937千円の債務超過に陥りゴーイングコンサーン疑義が生じた。対応策として、2026年1月19日に株式会社フィックスターズとの資本業務提携契約を締結し、株式会社Fixstars Investmentを割当先とする第三者割当増資(96,715千円)を決議・払込完了しており、債務超過の解消が見込まれている。ただし、2026年11月期の営業利益黒字化達成が前提条件となっており、計画未達の場合は財務状況が再び悪化するリスクがある。
自社システムへの不正侵入リスク
セキュリティ製品・サービスを提供する企業として、ハッカー・クラッカーによる不正侵入・データ搾取・改ざん等が発生した場合、他社以上に信用面で重大な影響を受けるリスクがある。ウイルス拡散、技術情報・顧客個人情報の流出、ホームページ改ざん等が生じた場合、信用失墜・事業停滞・復旧コストの発生が見込まれる。対応策として、EDRツールのインストールや多要素認証によるアクセスセキュリティ強化、安全設計のクラウドプラットフォームの選択を実施している。
「守り」領域特化による需要変動
GRC・セキュリティサービスは企業にとってコスト削減対象となりやすい「守り」の領域であり、経済環境悪化時には需要が低減するリスクがある。景気後退局面では顧客企業がIT投資を抑制する傾向があり、当社グループの売上・利益に直接的な影響を及ぼす可能性がある。当社グループは新サービス・新規事業への取り組みにより事業拡大を図っているが、構造的な需要変動リスクは残存する。
技術革新への対応遅延リスク
ビジネスのグローバル化に伴う海外法規制の適用拡大や巧妙なサイバー攻撃の頻発に対応するため、GRC・セキュリティ業界では最新技術を取り入れた新サービスの考案と品質向上が不可欠となっている。当社グループが最新技術への対応で他社に大きく先行された場合、競争力の低下により経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。継続的な技術投資と人材育成が求められるが、小規模組織ゆえにリソース制約が課題となり得る。
専門人材の確保・流出リスク
当社グループのサービス提供には高い専門性を有するコンサルタント・エンジニアが不可欠であり、採用・育成が計画どおりに進まない場合や優秀な人材が社外流出した場合、サービスの円滑な提供および積極的な受注活動が阻害される。従業員213名(2025年11月30日現在)と小規模な組織であるため、特定人材への依存度が高く、退職による影響が大きい。採用・育成への積極的な投資方針を掲げているが、GRC・セキュリティ分野の専門人材は市場での競争が激しい。
代表取締役への過度な依存
創業者である佐々木慈和代表取締役は、経営方針・事業戦略の立案・決定および新事業モデル創出において中核的役割を担っており、同人が業務継続困難となった場合に経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。権限委譲による依存度低減に努めているものの、発行済株式(自己株式除く)の32.89%を保有する大株主でもあり、経営・株主両面での集中リスクが存在する。組織的な経営体制の整備が継続的な課題となっている。
競合激化による価格下落リスク
GRC・セキュリティ業界は将来の成長が期待される市場であるため、国内外の新規事業者が参入してくる可能性がある。競合激化により価格下落や価格競争以外の要因での受注喪失が生じた場合、当社グループの事業活動および経営成績に影響を及ぼす可能性がある。特に財務基盤が脆弱な現状では、価格競争への耐性が限定的であるリスクがある。
製品バグ・欠陥による契約解除リスク
当社の自社製品プラットフォームは海外製品を利用しており、十分な検証・テスト後にサービス提供を行っているが、サービス提供開始後に重大なバグや欠陥が発生する可能性がある。バグ・欠陥が原因で顧客サービスに著しい損害を与えた場合、契約解除に伴う売上減少等により経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。海外製品への依存という構造的リスクが存在し、品質管理の徹底が継続的に求められる。
新株予約権行使による株式希薄化
取締役・従業員向けインセンティブおよび第三者割当による新株予約権が発行されており、本書提出日現在の潜在株式数は319,970株で、発行済株式総数1,380,130株の23.18%に相当する。これらの新株予約権が行使された場合、既存株主が有する株式の価値および議決権割合が希薄化する可能性がある。特に今回の債務超過解消のための第三者割当増資も実施されており、希薄化圧力が高い状況にある。
パートナー企業(外注先)の確保リスク
当社グループは専門分野ごとにパートナー企業(外注先)を選定し相互協力してサービスを提供しているため、当該企業に不測の事態・信頼関係の毀損・外注コストの高騰等が生じた場合、サービスの円滑な提供および積極的な受注活動が阻害される可能性がある。小規模組織ゆえに内製化余力が限られており、特定パートナーへの依存度が高い場合には代替調達が困難となるリスクがある。外注先の管理・関係維持が事業継続上の重要課題となっている。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年5月1日

