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東京汽船株式会社

9193東証スタンダード倉庫・港湾運送業

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東京汽船株式会社9193

事業内容

東京汽船は1947年創立の東京湾特化型マリンサービス会社。曳船(タグボート)事業を中核に、横浜・東京・横須賀・千葉の各港で船舶の離着桟補助・エスコート・湾口水先艇業務を提供する。

海事関連事業では洋上風力発電交通船(CTV)の運航を2013年より手掛け、国内外の洋上風力プロジェクトに参画。旅客船事業では久里浜~金谷間のカーフェリー定期航路と横浜港観光船(持分法適用会社YCruise経由)を運営し、地域水上モビリティを担う。

連結子会社5社・持分法適用関連会社8社を含むグループで構成される。

ビジネスモデル

主収益源は曳船事業における港湾曳船作業料率・エスコート作業料率の課金モデルで、入出港船舶数と単価の積で売上が決まる。固定費(船員費・減価償却費)比率が高い装置産業型であり、稼働率向上と料率改定が収益改善の主要レバー。

海事関連事業はCTV傭船収入、旅客船事業は運賃・物販収入が加わる。持分法適用会社を通じた軽資産化も進めている。

企業の強み

横浜川崎・東京・横須賀・千葉の4地区で曳船サービスを提供し、浦賀水道・中ノ瀬航路のエスコート業務やLNGバース警戒船業務など公共インフラ的役割を担う。2026年3月期の曳船事業売上高は9,517百万円で全社売上の72%を占め、2025年5月の料率値上げ後も全地区で増収を達成した。

国内初の洋上風力発電アクセス専用船運航(2013年)以来、富山県入善港O&M向けCTVや北九州響灘洋上ウインドファームの建設段階CTV傭船を受注。2026年3月期の海事関連事業売上高は前期比100.4%増の1,956百万円に達し、実績の蓄積が新規案件獲得の競争優位となっている。

2026年3月期末の純資産は29,344百万円、自己資本比率74.5%。長期借入金は期中369百万円減少し財務レバレッジは低水準。固定資産売却益7,970百万円を含む当期純利益5,046百万円の計上により利益剰余金が積み上がり、CTV建造・持分法会社株式取得を自己資金で賄える資金余力を有する。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の親会社株主帰属当期純利益5,046百万円(前期比146.9%増)は、土地・建物・船舶の売却による固定資産売却益7,970百万円が主因。経常利益は347百万円にとどまり、本業の収益力は依然として限定的である。

特別損失として減損損失334百万円・環境対策引当金繰入額233百万円も計上されており、純利益の持続性には慎重な評価が必要。法人税等2,573百万円の支払いが翌期以降のキャッシュフローに影響する点にも留意が必要。

会社は2027年3月期業績予想を「未定」とし、米国・イスラエルとイランの軍事衝突によるホルムズ海峡の事実上封鎖を主因として挙げた。タンカーを中心とした曳船作業対象船舶の大幅減少が予想されるが、規模は不明としている。

曳船事業は売上高の72%を占める中核セグメントであり、外部環境の変化が業績に直結する事業特性を持つ。2025年5月の料率値上げ効果が下支えとなる一方、船舶数減少の影響を相殺できるかが2027年3月期の最大の焦点となる。

海事関連事業は2026年3月期に売上高1,956百万円(前期比+980百万円)を達成したが、用船料・支払手数料・減価償却費の増加により営業損失192百万円(前期342百万円の損失から改善)が継続。CTV新造・建造価額上昇が固定費を押し上げており、稼働率向上と追加案件獲得が損益分岐点到達の鍵となる。

旅客船事業も観光船部門の持分法移管後も営業損失58百万円が継続しており、グループ全体の営業利益106百万円は曳船事業の319百万円が他セグメントの損失を補う構造となっている。

成長戦略

曳船料率値上げ・CTV拡大・旅客船事業軽量化の三本柱で収益構造を再構築

2025年5月より全地区でハーバータグ作業料率およびエスコート作業料率を値上げ。2026年3月期は年後半にかけて新料率の適用が浸透し、全地区で増収に寄与した。曳船事業売上高は前期比10.7%増の9,517百万円、営業利益319百万円を達成。

富山県入善港O&M作業に加え、北九州響灘洋上ウインドファーム建設作業でのCTV多数傭船により売上高は前期比100.4%増の1,956百万円を達成。ただし用船料・減価償却費増加により営業損失192百万円が継続。

CTV新造投資(建設仮勘定1,608百万円)を継続中であり、稼働率向上による損益分岐点到達が次の目標。

横浜港観光船部門(港内観光船・水上バス)をYCruise株式会社(持分法適用関連会社)へ事業移管し、人件費・食材費を中心とした営業費用を削減。旅客船事業の売上高は796百万円減少したが、連結ベースでの固定費軽量化を実現。ただし営業損失58百万円は継続しており、カーフェリー部門の収益安定化が課題。

最終更新: 2026年7月19日