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東海汽船株式会社

9173東証スタンダード海運業

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東海汽船株式会社9173

事業内容

東海汽船は1889年創業、東京証券取引所スタンダード市場上場の海運会社。東京諸島(伊豆諸島・小笠原)と本土間の旅客・貨物定期航路を主軸に、商事料飲・ホテル・旅客自動車運送の4事業を展開する。

貨客船「さるびあ丸」「橘丸」、高速船ジェットフォイル3隻を運航し、離島住民の生活インフラを担う公共的使命と、観光需要を取り込むリゾート航路の二面性を持つ。子会社11社・関連会社1社を含むグループで、大島温泉ホテル運営や島内バス運行まで一貫した島嶼サービスを提供する。

ビジネスモデル

売上高の約88%を海運関連事業が占め、旅客運賃・貨物運賃が主収益源。離島航路整備法の対象航路には国・東京都の補助金が収益を補完(2025期その他収益988百万円)。商事料飲・ホテル・バス事業は旅客部門との送客連携で相互補完し、輸送量変動に左右されにくい安定収益を積み上げる構造を志向している。

企業の強み

1889年創業、1907年に東京府との命令航路契約を締結した歴史を持ち、離島航路整備法に基づく指定航路を運営する。法的・行政的な参入障壁が高く、東京諸島と本土を結ぶ定期旅客・貨物航路において事実上の独占的地位を維持している。

海運代理店5社・船内サービス会社・船舶修繕会社・ホテル・バス会社など11子会社を擁し、旅客輸送から島内移動・宿泊・物資供給まで一貫したサービスを提供。グループ間の送客連携により、ホテル事業の宿泊稼働率・客室単価が2025期に改善した実績がある。

2023年実施の伊豆諸島航路運賃改定効果が2025期に通期寄与し、収益の下支えとなった。費用面では効率的な船隊運用・減便により船舶燃料費・修繕費を中心に改善を実現。2025期の設備投資額は305百万円と抑制的で、減価償却費1,215百万円を大幅に下回るキャッシュ創出構造を維持している。

エンヴァリスの着眼点

2026年12月期第1四半期の営業損失は58百万円(前年同期33百万円)と損失が拡大。船舶修繕費および人件費の増加が海運関連事業の利益を前年同期の55百万円から14百万円へ大幅に押し下げた。

通期営業利益予想は260百万円(前期比50.3%減)と大幅減益見通しであり、費用増加トレンドが通期業績の下振れリスクとなる。

第2四半期累計の営業損失予想は900百万円と、前年同期比で大幅な損失拡大が見込まれている。通期で260百万円の営業利益を確保するには、第3・第4四半期(夏季以降)で1,160百万円超の利益創出が必要な計算となり、東京湾納涼船等の最多客期の動向が業績の鍵を握る。

天候・感染症等の外部要因による下振れリスクが高い構造は変わっていない。

2026年12月期第1四半期末の有利子負債(短期借入金3,509百万円+長期借入金6,448百万円)は合計9,957百万円と総資産20,672百万円の約48%を占める。一方、長期借入金は前期末6,737百万円から6,448百万円へ289百万円減少しており、返済は着実に進んでいる。

自己資本比率は24.9%と前期末25.4%から小幅低下したが、継続企業の前提に関する注記は該当なし。

成長戦略

安全運航の再構築を基盤に、商事料飲の第三の柱化とコスト弾力化で持続的収益体質を目指す

インフルエンサー招致による若年層向け情報発信強化、旅行会社主催ツアーとの連携(河津桜まつり等)により乗船客数を前年同期比7.5%増の15万7千人に拡大。引き続き個人客・団体客の取り込みに注力。

旅客数・貨物輸送量に左右されにくい安定的な事業構造を構築すべく、船内自動販売機・レストラン収入の底堅い推移を維持。公共工事遅れによるセメント販売減少が課題だが、料飲部門は安定推移。営業利益21百万円は前年同期と同水準を維持。

販売主力をオンライン旅行エージェントから旅客部門・自社販売に移行し、宿泊客・日帰り利用客が増加。労働生産性向上施策により費用面も改善。売上高108百万円(前年同期94百万円)、営業利益19百万円(前年同期9百万円)と大幅改善を実現。

2026年1月より路線バス運賃改定を実施。椿まつり期間中の乗合・貸切バス需要と合わせ、売上高95百万円(前年同期86百万円)、営業利益22百万円(前年同期17百万円)と増収増益を達成。

船舶修繕費および人件費の増加が2026年12月期第1四半期の利益を押し下げる主因となっており、通期での費用管理が課題。減価償却費は287百万円(前年同期296百万円)と若干減少しているが、修繕費・人件費の増加圧力が継続している。

最終更新: 2026年7月17日