事業内容
栗林商船は1919年創業の老舗内航船社で、当社及び連結子会社14社・関係会社7社で構成される。主力の海運事業では北海道と本州を結ぶ内航定期航路(RORO船6隻体制)を軸に、外航近海航路・港湾運送・陸上輸送を組み合わせた海陸一貫輸送を展開する。
補完事業として北海道登別市でのリゾートホテル運営、室蘭市を中心とした不動産賃貸、青果物・豆類雑穀卸売を手掛ける。主要顧客は製紙・自動車・建設資材等の荷主企業で、東京証券取引所スタンダード市場に上場している。
ビジネスモデル
売上高の約90%を占める海運事業では、北海道定期航路のRORO船運航による安定的な運賃収入が収益の根幹をなす。港湾荷役・陸上輸送をグループ内で完結させる海陸一貫輸送により、荷主への付加価値を高める。
不動産事業は営業利益率約50%の高収益安定収益源として機能し、ホテル・卸売事業が補完的に収益を積み上げる構造となっている。
企業の強み
1919年創業で設立100周年を超える老舗内航船社。北海道定期航路においてRORO船を令和7年10月より6隻体制に増強し、輸送能力を強化している。昭和44年に国内初のRORO船を建造した先駆者としての技術・運航ノウハウの蓄積が競合参入障壁となっている。
栗林運輸・八千代運輸・共栄陸運・三陸運輸・大和運輸等の陸運子会社と、青函フェリー・栗林物流システム等の海運子会社を擁し、港湾荷役から陸上配送まで一貫して提供できる体制を構築。令和8年3月期の海運事業セグメント資産は52,502百万円に達し、グループ全体で輸送インフラを保有している。
不動産事業は売上高568百万円に対し営業利益288百万円と営業利益率約50.6%を誇る高収益セグメント。室蘭市を中心とした店舗テナント向け賃貸事業で安定的な賃貸需要を確保しており、海運事業の収益変動を補完する安定収益源として機能している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は53,825百万円(前期比1.4%増)と微増にとどまり、営業利益は2,081百万円(同23.1%減)と大幅に悪化した。外部要因として燃料油価格の高値推移、作業費・船員費・資機材コストの上昇が国内定期航路の収益を直撃。
近海航路は採算重視のスポット取り込みで増益を確保したが補完しきれなかった。一方、投資有価証券売却益2,776百万円の計上により税金等調整前純利益は5,801百万円に膨らみ、親会社株主帰属当期純利益は3,724百万円(同84.9%増)と表面上は大幅増益。
2027年3月期は純利益1,700百万円(同54.4%減)と特別利益剥落による大幅減益を予想している。
成長戦略
モーダルシフト対応・グループ再編・農産物物流参入で輸送網を多角的に拡充
2024年問題を背景とした陸上輸送から海上輸送へのモーダルシフト需要に対応するため、新造船や輸送機材への積極投資を継続。当期の有形・無形固定資産増加額は3,694百万円と前期(1,720百万円)の約2.1倍に拡大。商品車両輸送は中短距離・長距離ともに順調に進展している。
北海道北斗市の豆類・雑穀卸売業者である株式会社鈴木商店を2025年9月30日付で完全子会社化(取得原価300百万円)。グループ物流ネットワークと同社の仕入・販売ネットワークを融合させ事業シナジーを追求。連結後の「その他」セグメント売上高は2,337百万円に拡大した。
2026年1月20日の取締役会決議に基づき、三陸運輸株式会社および株式会社ケイセブンを完全子会社とする株式交換を2026年4月1日に実施(簡易株式交換)。グループ全体の輸送ネットワークを強化し、海陸一貫輸送サービスの提供範囲を拡大する。
低調な運賃市況が継続する近海航路において、採算性を重視した三国間航路を軸とした運航と、バイオマス関連を中心としたスポット貨物の獲得に注力。当期は減収ながら増益を確保しており、効率配船による収益性改善が進んでいる。
最終更新: 2026年7月19日

