事業内容
共栄タンカー株式会社は1937年創業の外航海運専業企業で、東証スタンダード市場に上場。大型原油タンカー(VLCC)・大型LPG船(VLGC)・小型LPG船・ばら積船を中心とした船隊を保有・運航し、長期貸船契約による安定収益を事業の根幹に置く。
主要顧客は日本郵船(売上高の42.5%)とコスモ石油(同29.7%)の2社で、両社合計で売上高の72.2%を占める。当社本体と海外子会社9社で構成されるグループ体制のもと、船舶保有・運航・貸渡しを一体的に展開。
2026年3月末時点で所有船15隻・載貨重量屯数2,125,500M/Tの船隊を運航する。
ビジネスモデル
収益の100%が貸船料で構成される純粋な貸船モデル。当社および海外子会社が船舶を保有し、日本郵船・コスモ石油等の大手荷主・船社に長期契約で貸し渡すことで安定的なキャッシュフローを確保する。
船舶建造・取得資金は金融機関からの長期借入金で調達し、傭船期間に合わせた返済計画を組む。2026年3月期の海運業収益は過去最高の15,509百万円を記録した。
企業の強み
売上高の42.5%を日本郵船、29.7%をコスモ石油が占め、上位2社で72.2%を占める高集中型の顧客構造。長期貸船契約を主体とする事業運営により、スポット市況の変動に左右されにくい安定収益基盤を構築している。
2022期から2026期にかけて売上高は一貫して増加し、過去最高の15,509百万円を達成した。
2004年にISO9001(品質管理)およびISO14001(環境管理)の認証を取得し、安全運航と海洋・地球保全に継続的に取り組む。この船舶管理技術は顧客との信頼基盤となっており、大手荷主との長期契約維持に寄与している。また、国内外での継続的な船員採用・教育により技術基盤の継承を図っている。
日本郵船は当社の主要株主であり、子会社間で船舶を共有するなど事業上重要かつ緊密な関係にある。1963年の海運集約以来60年超にわたる関係を維持しており、売上高の42.5%を日本郵船向けが占める。この関係は新規顧客開拓や船隊整備においても事業基盤として機能している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期12,141百万円から2026年3月期15,509百万円へ5期連続で増加基調を維持。2026年3月期は前期比2.3%増の15,509百万円と微増にとどまった。
営業利益は2024年3月期に124百万円の損失を計上した後、2025年3月期に1,373百万円へV字回復したが、2026年3月期は船員費増加等により1,244百万円(前期比9.4%減)と小幅減少。経常利益886百万円(同13.9%減)。
親会社株主に帰属する当期純利益は414百万円(同91.9%減)と大幅減少したが、前期の船舶売却益5,800百万円(特別利益)の剥落と当期の法人税急増(2,083百万円)が主因であり、経常収益力の本質的な低下とは区別して評価する必要がある。外部要因として、VLCCは3月にWS400超の歴史的高値を記録し、VLGCも一時9万ドル台に達したが、長期貸船契約主体のため市況急騰の直接的な恩恵は限定的であった。
成長戦略
LPG船隊拡充と船隊最適化を通じた安定収益基盤の強化と収益性向上
2025年3月期に「PAUL」、2026年3月期に「JOSEPH」のLPG船2隻を取得し順調に稼働。建設仮勘定が4,601百万円(前期3,569百万円)に増加しており、新造船の発注が進行中。2027年3月期は年度を通じた新造船の業績貢献本格化を見込む。
傭船契約終了に伴いばら積船「KT BIRDIE」を2026年3月3日に譲渡。2027年3月期第1四半期に船舶売却益約18億円を計上予定。継続的な船隊入替えにより資産効率の向上と収益の平準化を図る方針。
当社保有の石油製品船がメキシコ当局から出港許可が下りず停泊を継続中。2026年3月期に特別損失349百万円を計上し、2027年3月期にも追加の特別損失計上を予定。問題解決が次期業績の重要な変数となっている。
安全運航を第一に環境保全に資する競争力ある船隊整備と事業機会拡充に向けた積極的な営業活動を継続。高値圏で推移する新造船価格や運航コストの高止まりへの対応として、各船の運行効率向上と諸経費節減に取り組む。
最終更新: 2026年7月19日

