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神奈川中央交通株式会社

9081東証プライム陸運業

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神奈川中央交通株式会社9081

事業内容

神奈川中央交通グループは、1921年創業の神奈川県最大手バス事業者を中心に、当社・子会社19社・関連会社2社で構成される。コア事業である旅客自動車事業(乗合バス・タクシー・貸切バス)に加え、不動産事業(賃貸・分譲)、自動車販売事業(商用車・輸入車)、流通・飲食・ホテル・架装等の多角的な生活密着型事業を展開する。

主要顧客は神奈川県内の一般旅客・法人・地域住民であり、小田急電鉄を関係会社に持つ。2026年1月には水島商事・林間商事・エムエス企画を連結子会社化し、不動産分譲事業を強化した。

2025年度の連結売上高は126,773百万円に達する。

ビジネスモデル

旅客自動車事業(売上高57,908百万円)が日々の安定的な収入基盤を形成し、グループ全体のキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を通じて資金を集中管理する。不動産事業(営業利益率23.2%)は高収益セグメントとして位置づけられ、グループ保有土地の高度利用と分譲事業拡大で収益を積み上げる。

自動車販売事業(売上高44,907百万円)は商用車・輸入車の販売と整備収入で安定収益を確保し、架装・飲食等の周辺事業が補完する構造となっている。

企業の強み

1921年創業以来、神奈川県内で乗合バス・タクシー・貸切バスを運営し、2025年4月には神奈川中央交通東・西を吸収合併して路線網を一元化した。旅客自動車事業の売上高は57,908百万円に達し、AIオンデマンドバスや自動運転バスの実証実験も実施するなど、地域交通インフラとしての代替困難な地位を確立している。

不動産事業の営業利益率は23.2%(営業利益1,588百万円)と全セグメント中最高水準を誇る。2026年1月に水島商事・林間商事・エムエス企画を連結子会社化し、湘南エリアを中心とした戸建分譲事業を強化した。

グループ保有土地資産の管理一元化と高度利用推進により、長期ビジョン「Vision 2030」の中核事業として位置づけられている。

旅客自動車・不動産・自動車販売・その他(架装・飲食・ホテル等)の4セグメントが並立し、単一事業への依存度を低減している。2025年度は自動車販売事業が前期比16.4%増収・営業利益前期比20.0%増、その他事業の営業利益が前期比16.6%増となり、旅客自動車事業の利益減少を他セグメントが補完した実績がある。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高が前期比7.3%増の126,773百万円と増収を達成したが、設備投資拡大に伴う減価償却費の増加(5,586百万円→6,457百万円)と従業員待遇改善による人件費増加が重なり、営業利益は前期比8.3%減の6,776百万円と2期連続の減益となった。2027年3月期予想でも営業利益6,200百万円(前期比8.5%減)と3期連続の減益が見込まれており、投資フェーズにおける利益水準の低下が当面の課題である。

2026年3月期末の借入金・社債・リース債務残高は前期末比10,391百万円増の72,267百万円に拡大し、支払利息も484百万円から818百万円へ急増した。インタレスト・カバレッジ・レシオは前期19.0倍から11.9倍へ低下し、外部要因として金利上昇局面が続く場合には財務コストのさらなる増加が懸念される。

中期経営計画の目標指標である有利子負債/EBITDA倍率「6倍台」の達成可否が注目点となる。

2026年3月期の自動車販売事業は売上高44,907百万円(前期比16.4%増)・営業利益1,687百万円(前期比20.0%増)と好調で、グループ全体の利益を下支えした。外部要因として物流業界の設備投資需要が商用車販売を後押しした面もあるが、神奈川三菱ふそう自動車販売㈱の車両整備収入増加など自社営業努力も寄与している。

また、2026年1月の水島商事グループ取得による不動産事業の規模拡大効果が2027年3月期以降に本格貢献するかが注目される。

成長戦略

Vision 2030に基づく持続可能なモビリティ実現と不動産領域への重点投資

AIオンデマンドバスや自動運転バスの実証実験を湘南エリアで継続実施し、人材不足下でも持続可能な公共交通の維持を目指す。道の駅「湘南ちがさき」連絡新系統の開設など新規需要への対応も進めている。

㈱水島商事・㈲林間商事・㈱エムエス企画を2026年1月に連結子会社化し、湘南エリアを中心とした戸建分譲体制を強化。グループ保有土地資産の高度利用と分譲事業の拡大を推進している。

ホテル事業における平塚別館の閉館や飲食事業における不採算店舗の閉店を進め、費用削減と収益性改善を図っている。その他事業の営業利益は前期比16.6%増と改善効果が顕在化している。

中期経営計画において有利子負債/EBITDA倍率6倍台を2026年度目標として設定。ただし2026年3月期末の有利子負債残高は72,267百万円と前期末比10,391百万円増加しており、投資拡大局面での財務規律維持が課題となっている。

最終更新: 2026年7月19日