事業内容
丸全昭和運輸は1931年創業の総合物流企業で、当社と子会社37社・関連会社5社で構成される。貨物自動車運送・港湾運送・倉庫業・通関業を中核とする物流事業(売上の約87%)に加え、工場構内での原料・重量物移送等を担う構内作業及び機械荷役事業(同約11%)、建設・不動産・自動車整備・警備・保険代理業等のその他事業(同約2%)を展開する。
国内は関東・中部・関西・北海道・九州等に拠点を持ち、海外は米国・中国・東南アジア・韓国・南米等11カ国に子会社・関連会社を有する。製造業・化学・食品・電機等の幅広い産業を顧客基盤とし、「得意先の最良のロジスティクス・パートナー」を目指す。
ビジネスモデル
顧客の物流業務を一括受託する3PL(サードパーティ・ロジスティクス)モデルを中心に、輸送・保管・通関・構内作業を一体提供することで継続的な収益を得る。料金改定の継続推進により収受料金の適正化を図りつつ、M&Aや新規連結子会社化によるネットワーク拡充で取扱量を積み上げる構造。
設備投資(2026年3月期実績8,173百万円)により物流拠点・車両・ITシステムへの投資を継続し、サービス品質と効率性を高めることで顧客基盤の維持・拡大を図る。
企業の強み
創業94年の歴史を持ち、国内19社・海外11社の連結子会社を擁する広域ネットワークを構築。貨物自動車運送・港湾運送・倉庫業・通関業・構内作業を一体提供できる複合一貫輸送体制は、競合が短期間で模倣困難な固有資産である。
2026年3月期の売上高は148,603百万円に達し、5期連続で増収基調を維持している。
2026年3月期末の自己資本比率は69.4%(前期比1.7ポイント改善)、現金及び現金同等物は40,402百万円と潤沢な流動性を確保。負債は60,207百万円と総資産204,585百万円に対して低水準であり、設備投資(中計3年間400億円)やM&A(同100億円)を自己資金・借入で賄える財務余力を有する。
2015年の丸全電産ロジステック取得(ニデック系)、2025年10月のM&Fロジスティクス新規連結(日東富士製粉系)など、M&Aを通じて電機・食品・穀粉等の取扱品目と顧客基盤を継続的に拡充してきた実績を持つ。第9次中計でもM&Aに100億円を配分し、物流子会社・3PL関連企業等を対象に積極展開を継続する方針を明示している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は売上高148,603百万円(前期比2.8%増)、営業利益15,462百万円(同5.6%増)、親会社株主帰属当期純利益12,685百万円(同29.4%増)を達成。売上高は5期連続増収、営業利益率は10.4%と過去5期で最高水準。
純利益の大幅増は前期の減損損失2,670百万円消滅による特別損失縮小(270百万円)が主因。外部要因として、航空貨物では半導体関連需要拡大が追い風となった一方、国内貨物総輸送量は生産・建設関連の低調により前年を下回り、ドライバー不足・燃料費高止まりがコスト圧力として継続した。
営業CFは17,166百万円と前期比899百万円増加し、現金残高は40,402百万円に積み上がった。
成長戦略
第9次中計(2025〜2027年度)で3PL・グローバル・DX・M&Aを推進
顧客の物流業務を包括受託する3PL事業を中核成長領域と位置づけ、倉庫・輸送インフラへの投資を加速。2026年3月期は建設仮勘定が2,583百万円増加しており、次期稼働に向けた設備投資が進行中。2027年3月期は「攻めの設備投資」を標榜し、有形固定資産取得支出の拡大が見込まれる。
航空貨物(半導体関連需要拡大)・海上輸送・海外倉庫業(米国青果物等)を拡充。2026年3月期は航空貨物取扱量増加・米国倉庫業増収を実現。外部要因として米国通商政策・中国経済低迷等の地政学リスクが下振れ要因となり得るが、グローバルネットワーク拡充を継続。
M&Fロジスティクス株式会社を2026年3月期に新規連結子会社化し、穀粉取扱増加等の収益貢献を実現。子会社株式取得支出908百万円・連結範囲変更を伴う取得支出188百万円を計上。第9次中計において引き続きM&Aを企業基盤変革の柱として位置づけている。
中計期間中に本稼働予定の次期基幹システムを活用し、オペレーション効率化・意思決定迅速化・収益性向上を図る。無形固定資産取得支出は2026年3月期1,539百万円を計上しており、システム投資が継続進行中。本稼働後の効果発現が収益改善の重要なドライバーとなる見込み。
最終更新: 2026年7月19日

