事業内容
ヤマトホールディングスは、子会社45社・関連会社12社で構成される総合物流グループ。個人・法人向け宅急便を中心とした「エクスプレス事業」(売上の約83%)を基盤に、法人向け3PL・不動産の「コントラクト・ロジスティクス事業」、国際フォワーディング・越境ECを担う「グローバル事業」、EV・再エネを軸とした「モビリティ事業」の4セグメントを展開。
個人消費者から大手製造業・EC事業者まで幅広い顧客層を持ち、全国ネットワークを社会インフラとして活用しながら、サプライチェーン全体の最適化ソリューションを提供している。
ビジネスモデル
運送収入(宅急便・国際フォワーディング等)と物流支援収入(3PL・倉庫運営等)を主軸とする。エクスプレス事業の全国輸配送網を共通インフラとして活用し、コントラクト・ロジスティクス・グローバル・モビリティ各事業が付加価値サービスを重ねることで、単価の高い法人向けソリューション収益を拡大する構造。
プライシング適正化と取扱数量拡大の両輪で収益性改善を図る。
企業の強み
1976年開始の宅急便は全国ネットワークを完成させ、2026年3月期の宅急便・宅急便コンパクト・EAZY取扱数量は1,941百万個に達する。この顧客基盤はグローバル事業・コントラクト・ロジスティクス事業へのクロスセルの起点となっており、競合が短期間で模倣困難な参入障壁を形成している。
エクスプレス事業の輸配送網に、コントラクト・ロジスティクス(外部収益164,602百万円、前期比69.6%増)・グローバル(同97,552百万円、前期比13.5%増)・モビリティ(同22,033百万円、前期比7.5%増)を組み合わせ、サプライチェーン全体を一括受託できる体制を構築。2025年10月開設の郡山統合型ビジネスソリューション拠点がその象徴。
グループ内でのEV導入・太陽光発電・エネルギーマネジメントシステム(EMS)の実証を通じて蓄積したノウハウを「EVライフサイクルサービス」として2024年10月に外販開始。ヤマトエナジーマネジメント株式会社(2025年1月設立)を通じた再生可能エネルギー由来電力の外部供給も開始しており、モビリティ事業の営業利益は5,221百万円(前期比14,400百万円増)と急拡大している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
営業収益は1,865,675百万円(前期比5.8%増)と5期ぶりの明確な増収。コントラクト・ロジスティクス事業(+69.6%)・グローバル事業(+13.5%)が牽引し、エクスプレス事業も+1.5%と小幅増収。
営業利益は28,304百万円(同99.2%増)と5期ぶりの増益を達成したが、2022年3月期(77,199百万円)比では依然36%水準にとどまる。親会社株主帰属当期純利益は13,662百万円(同64.0%減)と大幅減益。
前期の大型セール・アンド・リースバック特別利益の反動に加え、のれん償却額13,434百万円の特別損失計上が主因。外部環境として物価上昇・人手不足・エネルギー価格高騰によるコスト上昇圧力が継続する中、2025年10月の届出運賃改定と輸送オペレーション見直しが営業利益改善に寄与した。
営業CFは72,218百万円(前期比51.4%増)と大幅改善し、現金及び現金同等物期末残高は237,822百万円に増加。
成長戦略
宅急便強靭化・法人ビジネス拡大・新規事業化の3軸で2027年3月期営業利益42,000百万円を目指す
2025年10月の届出運賃改定、同年11月の宅急便当日配送サービス・同一都道府県内運賃新設を実施。リレー方式輸送・モーダルシフト推進によるオペレーティングコスト適正化、集配拠点再配置・ネコサポ展開を継続。エクスプレス事業セグメント利益は2,299百万円と黒字転換を達成。
ナカノ商会連結子会社化を活用したコントラクト・ロジスティクス事業の外部収益は164,602百万円(前期比69.6%増)に急拡大。統合型ビジネスソリューション拠点(郡山市)を開設し需要地への横展開を推進。
グローバル事業も国際フォワーディング拡販で97,552百万円(同13.5%増)と高成長継続。M&A・戦略的業務提携も引き続き検討。
EVライフサイクルサービスの営業体制強化・拡販推進、ヤマトエナジーマネジメントを中心とした再生可能エネルギー供給、共同輸配送オープンプラットフォームの展開、自動車運送事業者向け健康管理支援(MY MEDICA)を推進。モビリティ事業のセグメント利益は5,221百万円(前期比+14億40百万円)と着実に拡大。
固定資産の流動化・政策保有株式売却を継続実施。自己株式取得18,915百万円を実施し資本効率改善を図る。
財務健全性の目安として自己資本比率45%程度・D/Eレシオ0.3〜0.5倍を設定。配当性向40%以上を目標とするが、2026年3月期は配当性向106.8%と純利益を上回る水準となっており、利益回復が急務。
最終更新: 2026年7月19日

