事業内容
名古屋鉄道は1921年設立、営業キロ444.2kmの鉄道網を中核に、バス・タクシー・トラック・海運・不動産・ホテル・観光・百貨店・航空関連サービスまで7セグメントで構成される総合グループ。子会社118社・関連会社24社を擁し、連結営業収益は691,583百万円(2026年3月期)。
東海・中部圏の都市交通・物流・生活サービスを一体的に担い、沿線住民・企業・訪日外国人を主要顧客とする地域密着型の事業体である。東京・名古屋両証券取引所のプライム・プレミア市場に上場。
ビジネスモデル
鉄道・バス・タクシーで生み出す人流を起点に、沿線の不動産賃貸・分譲・商業施設開発で資産価値を創出し、ホテル・観光・旅行・百貨店で消費需要を取り込む。トラック・海運の物流事業は外部市場向け収益源として機能する。
各事業が相互に顧客・インフラを共有することで、単一事業では得られない収益の多様化と安定性を確保する構造である。
企業の強み
営業キロ444.2kmの鉄道ネットワークを自社保有し、沿線に商業施設・賃貸マンション・駐車場等の不動産資産を一体的に展開。2026年3月期末のセグメント資産は交通事業614,540百万円、不動産事業510,018百万円に達し、鉄道インフラと不動産資産が相互に価値を高める構造を形成している。
交通・運送・不動産・レジャー・流通・航空関連・その他の7セグメントが並立し、単一事業の不振を他事業でカバーできる構造を持つ。2026年3月期において運送・流通が赤字を計上した局面でも、交通・不動産・レジャー・航空関連・その他が黒字を維持し、グループ全体の営業利益36,185百万円を確保した。
名鉄都市開発がセントラル・リート投資法人の共同スポンサーに参入し、名鉄グループとして初のリート事業を開始。物流施設「MCD-LOGI小牧」の開業、Park-PFI事業「岐阜城楽市」・駅直結複合施設「イチ*ビル」の開業など、不動産賃貸業の営業収益は前期比12.4%増の64,220百万円に拡大した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
営業収益は2022年3月期490,919百万円から2026年3月期691,583百万円へ5期連続増収を達成したが、増収率は0.1%と実質横ばいに鈍化。営業利益は36,185百万円(前期比14.0%減)と4期ぶりの減益に転じた。
人件費・減価償却費の増加が主因で、外部要因として資源価格高騰・物価上昇による費用増も影響。経常利益は持分法投資利益の減少と支払利息増加で19.5%減、純利益は負ののれん発生益の剥落と減損損失急増で39.2%減と大幅悪化。
2027年3月期は運送事業の収支改善を主因に営業利益45,000百万円(前期比24.4%増)、純利益39,000百万円(前期比69.9%増)を予想している。
成長戦略
運送収支改善・不動産回転型ビジネス拡大・配当性向30%以上維持で持続的成長を目指す
NXグループとの事業統合による拠点・経営資源の融合と輸送効率改善、吹田流通センター新設による高付加価値サービス提供を推進。2027年3月期の連結営業利益増加の主要因として会社側が明示しており、赤字7,711百万円からの黒字転換が最優先課題。
名鉄都市開発がセントラル・リート投資法人の共同スポンサーに参入し、名鉄グループとして初のリート事業を開始。物流施設「MCD-LOGI小牧」開業、商業施設・複合用途施設の新規開業により不動産賃貸収益を拡大。セグメント資産510,018百万円を活用した資産効率向上を追求。
2027年3月期期首から報告セグメントを7区分から5区分(交通・運送・不動産・レジャー生活サービス・航空情報技術サービス)に再編。流通事業・航空関連サービス事業・その他事業を統合し、グループ全体の成長に向けた各事業の位置付けを明確化する。
2027年3月期から連結配当性向30%以上の維持と1株当たり60円の下限配当を新方針として設定。2026年3月期の配当40円から2027年3月期予想60円へ50%増配を予定。業績動向・経営環境・財政状態を総合的に勘案しながら安定的な株主還元を継続する方針。
MaaSアプリ「CentX」機能拡充、新型券売機・チャージ機の導入拡大、AI画像解析踏切監視システムの拡大等デジタル化を推進。高架化工事5ヵ所の継続(瀬戸線喜多山駅・三河線若林駅で切替完了)、通勤型車両30両新造等の安全・輸送力投資も継続。固定資産取得支出は172,267百万円と前期比大幅増。
最終更新: 2026年7月19日

