事業内容
神戸電鉄株式会社は1926年創業、神戸市北区に本社を置く東証スタンダード上場の地域鉄道会社。有馬線・三田線・粟生線・公園都市線の計69.6キロを運営し、神戸市北区・三田市・三木市等の沿線住民の生活インフラを担う。
グループは当社・子会社7社・関連会社1社で構成され、鉄道・バス・タクシーの運輸業を中核に、土地建物賃貸業(不動産業)、食品スーパー・コンビニ・飲食(流通業)、保育・健康・建設・施設管理(その他)を展開。沿線住民の「暮らし」全般を支える生活密着型の多角経営モデルを採用している。
2026年3月期の連結営業収益は23,347百万円。
ビジネスモデル
鉄道事業が旅客運輸収入(2026年3月期9,641百万円)を安定的に生み出し、沿線の集客力・地価を支える。その沿線資産を活用して土地建物賃貸業(営業利益率38.7%)が高収益を稼ぎ、食品スーパー・コンビニ等の流通業が沿線住民の日常消費を取り込む。
建設・施設管理・保育等のその他事業はグループ内部取引も含め補完的に収益を積み上げる構造。国や自治体の補助制度を活用しながら設備更新を行い、有利子負債削減と収益力強化を並行して進める。
企業の強み
2025年1月に鉄道事業の運賃改定(29年ぶり)を実施し、2026年3月期に通期効果が反映。運輸業の営業収益は14,052百万円(前期比+1,012百万円・+7.8%)、営業利益は1,578百万円(前期比+660百万円・+71.9%増)と大幅改善。
旅客人員も前期比+1.1%と回復基調が継続しており、収益構造の底上げが実現した。
不動産業の2026年3月期営業利益率は38.7%とグループ内最高水準。2025年4月(大阪府摂津市)、2025年9月(東京都葛飾区)、2026年1月(東京都立川市)と首都圏・関西圏で新規賃貸物件を継続取得し、賃貸収益を積み上げる戦略を実行中。
神戸市道路公社からの管理受託施設も拡大(2025年4月より箕谷駐車場を新規受託)し、安定収益基盤を強化している。
鉄道・バス・タクシー(運輸業)、不動産賃貸、食品スーパー・コンビニ・飲食(流通業)、保育・建設・施設管理(その他)と事業を多角化。2026年3月期のセグメント別営業収益は運輸業14,052百万円、流通業5,296百万円、その他3,482百万円、不動産業2,047百万円と分散しており、特定事業への依存度を低減している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の連結業績は営業収益23,347百万円(前期比+5.5%)、営業利益2,421百万円(+20.7%)、経常利益1,861百万円(+17.1%)、当期純利益1,462百万円(+27.1%)と全利益段階で2桁増益を達成した。5期連続の営業利益増益となり、2022年3月期比で営業利益は2.3倍に拡大。
主要ドライバーは①2025年1月実施の鉄道運賃改定の通期寄与(運輸業営業利益+71.9%)、②大阪・関西万博開催によるインバウンド・タクシー需要増(外部要因)、③不動産賃貸業の新規物件取得による増収。一方、流通業は消費者の買い控え傾向(外部要因:エネルギー・食料品価格高騰)により営業利益が前期比△76.7%と大幅減少した。
2027年3月期は万博特需剥落と人件費増により減益予想(当期純利益△18.6%)に転じる見通し。
成長戦略
中期経営計画2026のもと、運賃改定・不動産投資・沿線活性化で収益力を強化
2025年1月実施の29年ぶり運賃改定が2026年3月期に通期寄与し、運輸業営業利益は前期比+71.9%の1,578百万円を達成。2027年3月期は旅客運輸収入の減少と費用増加により減益予想だが、改定効果は恒久的に収益底上げに寄与する。
2025年4月(大阪府摂津市)、2025年9月(東京都葛飾区)、2026年1月(東京都立川市)と首都圏・関西圏への新規物件取得を継続。2027年3月期も賃貸業増収による増収・増益を予想しており、グループ内最高収益率セグメントのさらなる拡大を図る。
大阪・関西万博開催・神戸空港国際線就航に合わせた二次元コード活用デジタル乗車券の発売、「有馬グルメ&湯けむりチケット」等の企画乗車券展開により旅客誘致を強化。万博終了後の需要維持に向けた継続的な施策展開が課題。
移動スーパー「とくし丸」の6号車運行開始(2025年11月)による顧客基盤拡大、ケンタッキーフライドチキン武庫之荘駅前店のリニューアル実施。ただし2026年3月期の流通業営業利益は24百万円(前期比△76.7%)と大幅減益であり、エネルギー・食料品価格高騰への対応が急務。
2027年3月期は食品スーパー業増収による増収・増益を予想。
軌道強化・電気設備更新工事を国・自治体補助制度を活用しながら推進。2026年3月に有馬口駅ホームのスロープ化完成、6年ぶりに新造車両1編成の運行を開始。安全性向上と利便性改善により沿線の長期的な利用者維持を図る。
最終更新: 2026年7月19日

