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株式会社ゼロ

9028東証スタンダード陸運業

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事業内容

株式会社ゼロは1961年に日産自動車の全額出資により日産陸送として設立され、2001年のMBOを経て独立。現在は国内自動車関連事業(新車・中古車輸送)を主軸に、ヒューマンリソース事業(ドライバー派遣・送迎)、一般貨物事業(港湾荷役・3PL)、海外関連事業(中古車輸出・中国車両輸送)の4セグメントを展開する。

子会社21社・共同支配企業3社で構成され、香港上場のタンチョンインターナショナルリミテッドグループの傘下に属する。主要顧客は日産自動車(売上比率8.7%)をはじめとする完成車メーカー・自動車販売会社で、陸上・海上輸送の全国ネットワークを強みとする。

ビジネスモデル

国内自動車関連事業(売上収益69,519百万円)が全体の約47%を占める主力事業。料金適正化と復荷獲得による粗利重視の営業で収益性を向上させる構造。

ヒューマンリソース事業はドライバー派遣・送迎・空港人材で安定的な労働力提供収益を確保。一般貨物事業は参入障壁の高い港湾荷役・3PLで高利益率を実現。

海外関連事業はマレーシア向け中古車輸出(売上収益48,760百万円)が第2の柱として機能する。

企業の強み

2015年から2017年にかけて輸送体制の地域ブロック化を完了し、ゼロ本体・輸送子会社7社・協力会社6社の計14社を全国5ブロックへ再編。長距離輸送対応の陸上・海上輸送ネットワークは競合他社が容易に模倣できない参入障壁を形成しており、2025年6月期の国内自動車関連事業売上収益は69,519百万円に達する。

2024年1月より新車・中古車輸送料金の段階的引き上げを実施。粗利益重視の営業活動(復荷獲得による空車区間削減)と合わせ、売上原価率は前期87.4%から2025年6月期85.3%へ低下。

営業利益は前期6,222百万円から10,228百万円へ前期比164.4%増と大幅改善し、営業利益率6.9%は中期経営計画目標6.5%を上回った。

子会社ワールドウインドウズを通じたマレーシア向け中古車輸出が堅調で、中古車乗用車輸出台数は前期比101.6%と増加。海外関連事業売上収益は48,760百万円と全体の約33%を占める。タンチョングループのアジア自動車流通ネットワークとの連携により、ASEAN地域での事業基盤を有する。

エンヴァリスの着眼点

2026年6月期通期予想(売上収益145,000百万円、営業利益10,300百万円)は修正なしだが、3Q累計の売上収益111,925百万円(進捗率77.2%)・営業利益7,503百万円(進捗率72.8%)は前年同四半期比でそれぞれ△1.0%・△2.8%と小幅減収減益。4Q(2026年4〜6月)に残り約2,800百万円の営業利益が必要であり、前年4Q実績(約2,511百万円)を上回る水準が求められる。

下期の挽回可否が通期達成の鍵となる。

海外関連事業のセグメント利益は3Q累計398百万円(前年同四半期比53.0%)と半減近い落ち込み。マレーシア向け中古車輸出はAP発給再開で国内滞留車両の船積みが進んだものの、現地港湾施設のひっ迫による船舶滞留・船枠制限が発生。

中国車両輸送事業も契約更新に伴う売上単価減少が重なり、外部要因と構造的要因が複合している。同セグメントの利益率回復時期が全体業績の上振れ余地を左右する。

2025年7月からの乗務員給与水準引き上げ(労務費増加)、デジタル化・システム老朽化対応のシステム費用増加、2024年問題対応の分業体制構築コスト、キャリアカー整備費の上昇・臨時整備実施など、コスト増要因が複数同時進行している。これらは将来投資・構造対応として不可避であり、短期的な利益率改善余地は限定的。

法人所得税費用も3Q累計2,405百万円(前年同期2,233百万円)と増加しており、実効税率の上昇も純利益を圧迫している。

成長戦略

中計2027年6月期目標:売上収益1,500億円以上・営業利益100億円以上・ROE14%以上

新車輸送減少を中古車輸送で補完する戦略が3Q単体で輸送台数の前年比増加転換として結実。粗利重視の営業活動による単価上昇も継続しており、国内自動車関連事業の売上収益は3Q累計で前年同四半期比101.3%と増収に転じた。

㈱ゼロ・プラス・メンテナンスの連結子会社化(2025年3月)による車両整備事業の拡大、USS東京・USS横浜の構内運営業務受託開始(2026年1月)が寄与し、自動車周辺事業が国内自動車関連事業の増収に貢献。

2026年1月のマレーシアAP発給再開により国内滞留車両の船積みが進展。ただし現地港湾施設のひっ迫による船舶滞留・船枠制限が発生しており、出荷の完全正常化には至っていない。コスト削減は継続推進中。

送迎事業での低採算現場の料金改定推進と採用・フォロー体制の見直しにより新規契約獲得が増加。車両輸送ドライバー採用の一元化によりヒューマンリソース事業内の派遣人員数も増加。3Q累計セグメント利益754百万円(前年同四半期比109.2%)と増益を達成。

デジタル化推進およびシステム老朽化対応に伴うシステム費用が増加しており、現在は投資フェーズ。乗務員の労働時間削減のための分業体制構築(キャリアカーへの積み込み事前準備等)も並行して実施中。短期的にはコスト増要因だが、中期的な生産性向上を目指す。

最終更新: 2026年7月17日