事業内容
東京地下鉄株式会社(東京メトロ)は、東京都区部を中心に銀座線・丸ノ内線・日比谷線・東西線・千代田線・有楽町線・半蔵門線・南北線・副都心線の9路線・営業キロ195.0キロを運営する地下鉄事業者。2004年に帝都高速度交通営団を承継して設立され、2024年10月に東京証券取引所プライム市場へ上場。
運輸業を中核に、不動産賃貸・駅ナカ商業施設・広告・情報通信を展開するグループ企業14社を擁する。年間輸送人員は2,571,229千人(2026年3月期)に達し、首都圏の都市インフラを支える公共性の高い交通事業者である。
ビジネスモデル
旅客運輸収入(2026年3月期350,485百万円)が収益の根幹を成し、定期・定期外の安定的な乗車需要に支えられる。これに加え、駅構内・沿線の不動産賃貸(営業利益率約30%)、Echika等の駅ナカ商業施設運営、駅構内・車両内広告販売を展開し、保有する鉄道インフラ資産を多層的に収益化する。
東京メトロプライベートリート投資法人を活用したフロー型不動産モデルも加わり、資産効率の向上を図っている。
企業の強み
東京都区部の主要エリアを網羅する9路線195.0キロのネットワークは、法的・物理的に新規参入が極めて困難な独占的インフラ。2026年3月期の輸送人員は2,571,229千人、旅客運輸収入は350,485百万円に達し、通勤・通学・観光需要を安定的に取り込む構造的な収益基盤を形成している。
2026年3月に全路線全駅(東西線南砂町駅一部番線を除く)でのホームドア整備が完了。丸ノ内線でのCBTCシステム運用開始(2024年12月)、半蔵門線新型車両の全編成導入完了など、安全・サービス向上への継続的な設備投資(2026年3月期設備投資総額102,871百万円)が競合他社との差別化要因となっている。
運輸業(営業利益76,189百万円)に加え、不動産事業(営業利益率約30%)、ライフ・ビジネスサービス事業(営業利益率約32%)を展開。駅ナカ・高架下・沿線物件という自社保有資産を活用した事業群は、運輸需要の変動に対するバッファーとして機能し、グループ全体の収益安定性を高めている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2022年3月期の営業赤字(△12,117百万円)からコロナ禍後の急回復を経て、2026年3月期は営業収益422,414百万円(前期比3.6%増)、営業利益89,588百万円(同3.0%増)、親会社株主帰属当期純利益59,015百万円(同9.8%増)と5期連続増収・最高益を更新。旅客運輸収入が引き続き好調(輸送人員前期比3.0%増)に推移したことが主因。
外部要因として都心部の経済活動活性化・インバウンド需要増が追い風。一方、営業費は経費・人件費増加により前期比3.7%増と増加ペースが加速しており、2027年3月期は増収も大幅減益予想となっている。
成長戦略
新線建設・不動産拡大・海外O&M・DXの4軸で持続的成長を追求
有楽町線(豊洲〜住吉)・南北線(白金高輪〜品川)の延伸工事を推進。新線建設推進長期借入金192,120百万円・新線建設推進資金信託183,769百万円を活用し、将来的な旅客需要の取り込みと沿線開発を図る。
TS青山ビル・メトロステージPLUS中野弥生町等の新規物件開業により不動産事業営業収益14,694百万円(前期比0.2%増)、営業利益4,399百万円(同4.7%増)を達成。不動産セグメント資産は92,734百万円と前期(75,163百万円)から大幅増加しており、投資継続中。
2026年3月期より報告セグメントを「流通・広告」から「ライフ・ビジネスサービス」に変更。M'av浦安EAST等の新規商業施設開業・駅構内媒体販売増により営業収益26,388百万円(前期比2.5%増)、営業利益8,527百万円(同3.2%増)を達成。
日本初のCBTC導入を推進し、運行安定性の向上と保守コストの効率化を図る。状態基準保全(CBM)の推進により、長期的な費用構造の改善を目指す。減価償却費73,921百万円を計上しながら設備投資を継続。
英国Elizabeth line等の海外鉄道運営・保守(O&M)ビジネスへの参画により、国内鉄道事業に依存しない新規収益源の確立を目指す。持分法投資損益は211百万円(前期99百万円)と増加傾向。
最終更新: 2026年7月19日

