鉄道事業法による規制リスク
鉄道事業者として国土交通大臣の許可・認可が必要であり、運賃・料金の上限変更には総括原価方式による厳格な審査が求められる。法的規制の変更により遵守コストの増加や事業活動の制限が生じる可能性がある。当社は柔軟・簡便な運賃設定が可能となるよう関係箇所へ働きかけを継続している。
運賃改定の硬直性リスク
鉄道事業法第16条第2項の定めにより、運賃等の改定が難しい状況にある中、競争環境の変化や物価上昇に伴う費用増加が生じている。機動的な運賃変更が行えない場合、当社グループの収益に影響を与える可能性がある。当社は収入確保と効率化を進めつつ、柔軟な運賃設定の仕組みづくりに向けて関係箇所へ働きかけている。
競合・需要変動リスク
東海道新幹線において航空会社との競争に直面しており、空港発着枠拡大やアクセス改善による航空機利便性向上が脅威となっている。また、リモートワーク・Web会議の浸透や少子高齢化による人口動態の変化が鉄道利用に影響を与える可能性がある。対応策として「のぞみ」最大13本運転やN700S投入、EXサービス拡大等に取り組んでいる。
長期債務・金利上昇リスク
連結長期債務残高は当期末現在で4兆7,684億円(百万円換算:4,768,400百万円)に上り、当期の支払利息は78,700百万円となっている。今後の金利動向により調達金利が変動した場合、財政状態・経営成績・キャッシュ・フローに影響を与える可能性がある。調達手段の多様化や低利・安定的な資金確保に努めることで対応している。
自然災害・感染症リスク
地震・豪雨・台風・火山噴火等の自然災害やテロ、感染症の流行により東海道新幹線をはじめとする鉄道事業に大きな影響が生じる可能性がある。東海道新幹線の橋脚・高架橋柱の耐震補強完了、盛土の耐震補強、脱線防止ガードの全線敷設等の対策を実施済みである。豪雨対策としてコンクリート被覆による盛土強化を継続的に実施し、さらなる安全性向上に取り組んでいる。
鉄道事故・安全対策リスク
列車運行により事故が発生した場合、大きな損害が生じ財政状態・経営成績・キャッシュ・フローに影響を与える可能性がある。ソフト面では規程・マニュアル整備と教育訓練の徹底、ハード面では新ATC導入・車両更新・ATS-PT全線導入等の安全設備投資を積極的に推進している。当期の鉄道運転事故件数は30件と、会社発足初年度の60件から大幅に減少している。
サイバー攻撃・情報漏洩リスク
鉄道事業や関連事業における多数のコンピュータシステムがサイバー攻撃・自然災害・人為的ミス等により障害を起こした場合、業務運営に影響を与える可能性がある。顧客個人情報の外部流出が発生した場合には、サービス提供への影響を通じて財政状態・経営成績・キャッシュ・フローに影響を与える可能性がある。自社システムのセキュリティ機能向上、社員教育・訓練の充実、個人情報へのアクセス権限限定等の対策を講じている。
中央新幹線工事費増大リスク
品川・名古屋間の総工事費は当初5.52兆円から7.04兆円に増加した後、2025年10月には物価等高騰や難工事への対応等により11.0兆円に増加する見通しとなっている。建設資材高騰・難工事・金利上昇・社会全体の物価上昇等が重なり、さらなる工事費増大リスクが存在する。健全経営と安定配当を堅持できないと想定される場合には工事ペースを調整し、経営体力を回復することで工事完遂を目指す方針としている。
中央新幹線開業遅延リスク
南アルプストンネル静岡工区においてトンネル掘削工事に着手できていない状況が続いており、2027年の開業は実現できず、新たな開業時期を見通すことができない状態にある。開業遅延は収益計画の前提を大きく変え、財政投融資3兆円を活用した全線前倒し計画にも影響を与える可能性がある。工事実施計画(その3)において工事完了予定時期を「2027年以降」に変更し、静岡工区の早期着手に向けて取り組んでいる。
中央新幹線訴訟リスク
中央新幹線の建設に関して、工事実施計画認可の取消し等を国に求める行政訴訟および工事差止め等を求める民事訴訟が提起されている。訴訟の結果によっては工事の進捗や計画全体に影響を与え、当社グループの財政状態・経営成績・キャッシュ・フローに影響を与える可能性がある。当社は引き続き早期開業に向けた計画推進を目指しつつ、訴訟対応を継続している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

