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富士急行株式会社

9010東証プライム陸運業

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富士急行株式会社9010

事業内容

富士急行は1926年創業、「富士を世界に拓く」を創業精神に掲げる山梨・静岡・神奈川エリアの観光リゾート複合企業。連結子会社35社・持分法適用関連会社3社を擁し、鉄道・バス・船舶・索道の運輸業、富士山麓別荘地・賃貸の不動産業、富士急ハイランド・ホテル・スキー・アウトドアのレジャー・サービス業、ミネラルウォーター製造販売・建設等のその他事業を展開する。

主要顧客は国内ファミリー・若者層に加え、インバウンド旅行者が急増しており、Greater Mt.Fujiエリアのグループ利用者数は2026年3月期実績で1,939万人に達している。

ビジネスモデル

グループ内で輸送(鉄道・バス・船舶)が観光施設(遊園地・ホテル・スキー場)へ送客し、施設間のクロスセルで顧客単価と滞在時間を引き上げる垂直統合モデルを採用。運輸業(営業利益率24.6%)と不動産業(同20.3%)が安定収益基盤を担い、レジャー・サービス業が成長投資の主戦場となる。

デジタルプラットフォーム「Fujiyama Connect」によるデータマーケティングでクロスセルを促進し、グループ全体の顧客生涯価値(CLTV)向上を図る構造。

企業の強み

富士急ハイランド・ハイランドリゾートホテル&スパ・スノーパークYeti・PICAブランドのアウトドア施設・芦ノ湖遊覧船・十国峠など、富士山・箱根エリアに集積した観光施設群は競合が短期間で模倣困難な地理的・歴史的優位性を持つ。2026年3月期のレジャー・サービス業営業収益は25,317百万円に達し、グループ利用者数は1,939万人を記録している。

鉄道・バス・船舶・索道の運輸網がグループ観光施設への専用アクセスとして機能し、相互送客シナジーを生む。2026年3月期の運輸業営業利益率は24.6%(営業利益5,054百万円)と高水準を維持。

バスタ新宿〜富士急ハイランド直行便の新設や三島駅〜富士宮口五合目直通バスの開設など、グループ施設への輸送力強化を自社完結で実行できる点が競争優位となっている。

2026年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは11,731百万円の収入を確保。設備投資(受入ベース)9,576百万円(前期比27.4%増)を自己資金・借入金で賄いながら、有利子負債残高を前期比5,572百万円削減し43,812百万円に圧縮。

ROA8.5%(前期比0.4ポイント改善)と資産効率も向上しており、投資と財務健全性を両立している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は外国人旅行者増加が運輸業・ホテル事業の主要ドライバーとなった一方、2027年3月期予想では経常利益が前期比横ばい(8,620百万円)、当期純利益は微減(5,750百万円、前期比△0.8%)と保守的な見通しを示している。地政学的リスクの高まりによるインバウンド動向の変化や、継続的な物価・金利上昇による国内消費への影響が業績の下振れリスクとして意識される。

山中湖畔別荘地における高級街区の新規分譲区画は整備完了済みながら、山梨県の土地転貸承認が得られない状態が継続しており、販売・仲介取引を再開できていない。2026年3月期の売買・仲介斡旋事業収益は51百万円(前期比113.7%増も絶対額は軽微)にとどまる。

行政リスクの解消時期が見通せない点は不動産業の潜在収益力を評価する上での不確実性として残存する。

2026年3月期は短期・長期借入金と社債の合計が前期比5,957百万円減少し、自己資本比率は35.3%から40.7%へ改善した。一方、有形・無形固定資産取得支出は9,058百万円(前期6,715百万円)と大幅増加しており、営業CF(11,731百万円)を上回る投資・財務支出により現金同等物は16,702百万円から12,270百万円へ減少した。

第七次中期経営計画下での投資拡大局面において、財務規律の維持と成長投資のバランスが引き続き注目点となる。

成長戦略

第七次中期経営計画初年度、富士急ハイランド中心にグループ一体の体験価値提供で収益最大化

バスタ新宿〜富士急ハイランド直行便の新設、三島駅〜富士宮口五合目直通バス運行開始、臨時列車増発等により訪日外国人旅行者の取込を強化。2026年3月期の運輸業営業収益は前期比4.0%増の20,551百万円を達成。

スケートボードパーク「FUJI BerriQs SKATE PLAZA」開設、アウトドアシアター開催等により新客層開拓と夜間滞在価値向上を図る。2026年3月期の有形・無形固定資産増加額は9,576百万円と前期比27%増加し投資を加速。

「ハイランドリゾート ホテル&スパ」レストラン「こころぎ」リニューアル、「富士宮富士急ホテル」ツインルーム化、「富士山ステーションホテル」会議室の客室転換等を実施。2026年3月期ホテル事業営業収益は前期比5.9%増の6,641百万円を達成。

借入金の計画的返済により短期・長期借入金と社債の合計を前期比5,957百万円削減。自己資本比率は40.7%(前期35.3%)へ改善し、1株当たり純資産も787.27円(前期672.12円)へ向上した。

高級街区の新規分譲区画整備は完了済みだが、山梨県の土地転貸承認が未取得のため販売・仲介取引を再開できていない状態が継続。承認取得後は不動産業の収益拡大に直結する潜在的な成長機会。

最終更新: 2026年7月19日