事業内容
京成電鉄は1909年創業の首都圏私鉄で、当社・子会社55社・関連会社6社で構成される。鉄道・バス・タクシーを擁する運輸業を中核に、不動産賃貸・販売、流通(スーパー・百貨店)、ホテル・レジャー、建設、車両整備の6セグメントを展開する。
最大の特徴は日本の国際玄関口である成田空港への直結アクセスを独占的に担う点であり、スカイライナーを筆頭とする有料特急が収益の核を形成する。主要顧客は沿線通勤・通学利用者に加え、インバウンドを含む空港利用旅客であり、2026年3月期の連結営業収益は332,424百万円に達する。
ビジネスモデル
運輸業(営業収益205,271百万円)が売上の約62%を占め、成田空港アクセス輸送が高単価の有料特急収入(2026年3月期10,194百万円)を生む。不動産業(営業収益39,368百万円、営業利益率29.4%)は第2の収益柱として賃貸・販売・管理を展開し、高利益率で運輸業の収益変動を補完する。
建設業はグループ内工事需要を内製化することでコスト効率を高める構造となっている。
企業の強み
京成電鉄は成田空港への直結鉄道アクセスを担う唯一の私鉄であり、スカイライナー等有料特急の旅客人員は2026年3月期に9,929千人(前期比8.1%増)、有料特急旅客運輸収入は10,194百万円(前期比9.1%増)に達した。成田空港発着旅客収入は32,489百万円と鉄道収入全体の約36%を占め、競合が参入困難な路線独占性が高収益を支えている。
不動産業の2026年3月期営業利益率は29.4%(営業利益11,563百万円)と全セグメント中最高水準。都内ZEH-M認定物件を含む賃貸住宅11物件の取得、「イオンモール津田沼 South」開業、「スカイグランデ津田沼」稼働など、沿線開発と連動した物件積み上げにより賃貸収入基盤を継続拡大している。
京成建設・京成電設工業の2社が建設業を担い、2026年3月期の建設業営業収益は43,014百万円(前期比18.7%増)、営業利益は2,596百万円(前期比9.7%増)。宗吾車両基地拡充工事や押上線連続立体化事業等のグループ内大型案件を内製化することで、外部発注コストを抑制しつつ工事品質を管理する体制を構築している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は営業収益332,424百万円(前期比4.1%増)と6期連続増収を達成したが、営業利益33,974百万円(同5.6%減)、経常利益58,605百万円(同5.1%減)、親会社株主帰属当期純利益48,023百万円(同31.4%減)と各段階で減益。純利益の大幅減は前期の関係会社株式売却益(53,157百万円)の反動が主因。
コロナ禍の赤字(2022年3月期△4,438百万円)から急回復し2025年3月期に利益ピークを迎えた後、2026年3月期は費用増・特別利益剥落により減益局面に転じた。2027年3月期予想は営業収益359,800百万円(同8.2%増)と増収継続を見込む一方、営業利益31,000百万円(同8.8%減)・経常利益50,500百万円(同13.8%減)・純利益39,300百万円(同18.2%減)と利益の更なる悪化を予想。
外部要因として人件費・電力料・燃料費の上昇、金利上昇による支払利息増加(2027年3月期予想5,700百万円)が業績を圧迫する構造となっている。
成長戦略
成田空港機能強化対応と不動産拡大を両輪とするD2プランの推進
新型有料特急の導入を決定し設計に着手。成田空港アクセスの競争力強化と有料特急収入の拡大を目指す。2026年3月期の有料特急旅客運輸収入は10,194百万円(前期比9.1%増)と堅調に推移しており、新型車両導入による更なる需要取り込みを期待。
成田空港周辺の単線区間複線化に合わせ、成田スカイアクセス新線整備(複々線化)に向けた計画の検討に着手。空港機能強化(2028年度末予定)に伴う輸送力増強への対応として中長期的な収益拡大を目指す。
成田空港の機能強化に伴う輸送力増強に向け、宗吾車両基地拡充工事において基礎及び躯体工事等を推進中。2026年3月期の固定資産取得支出は84,014百万円と前期(63,197百万円)から大幅増加しており、投資フェーズが本格化している。
都内ZEH-M認定物件含む賃貸住宅11物件取得、イオンモール津田沼South開業、超高層住宅「プレミストタワー船橋」(2027年度引き渡し予定)販売開始等を実施。2027年3月期予想では不動産業営業利益13,700百万円(前期比18.5%増)と最大の利益成長セグメントとして期待。
2026年4月1日に新京成電鉄を吸収合併し松戸線として営業開始。バス事業は2026年4月に京成バス㈱の吸収分割・合併をもって再編完了。タクシー・バス・茨城県下事業の中間持株会社体制移行も完了し、営業力・採用力強化と効率的な事業運営体制を構築した。
成田空港「エアポートシティ」構想の実現に向けた検討を目的として、NRTエリアデザインセンターと特別パートナーシップ協定を締結。成田空港周辺の大規模開発への参画を通じた中長期的な収益機会の創出を目指す。
最終更新: 2026年7月19日

