事業内容
小田急電鉄は、新宿〜小田原・箱根・江ノ島を結ぶ鉄道網(営業キロ120.5km)を中核に、バス・タクシー・索道等の交通業、不動産分譲・賃貸・商業施設運営の不動産業、百貨店・スーパー・ホテル・飲食等の生活サービス業を展開するグループ企業(子会社51社・関連会社17社)。沿線住民の日常生活から観光・インバウンド需要まで幅広く取り込む「地域価値創造型企業」を経営ビジョンに掲げ、新宿・箱根・湘南を三大拠点として事業を展開している。
2025年3月期の連結営業収益は422,700百万円。
ビジネスモデル
鉄道輸送による安定的な旅客収入(旅客運輸収入合計115,309百万円)を基盤に、沿線の商業施設・オフィス賃貸収入、マンション・戸建分譲収益、百貨店・スーパー・ホテル等の消費関連収益を積み上げる構造。鉄道が沿線への集客を生み、沿線開発が鉄道利用者を増やす相互補完関係が収益の安定性を支えている。
インバウンド需要はMaaSアプリ「EMot」やKlook連携を通じて観光収益に転換する取り組みも進行中。
企業の強み
営業キロ120.5kmの鉄道網を中心に、2025年3月期の輸送人員は698,871千人(前期比2.2%増)。交通業の営業収益174,927百万円・不動産業95,897百万円・生活サービス業168,695百万円と、鉄道沿線に根ざした多業態が相互に集客・収益を補完し合う構造が安定した収益基盤を形成している。
東京地下鉄・東急不動産と共同で推進する新宿駅西口地区開発計画が進行中。旧小田急百貨店新宿店本館跡地の新築工事・解体工事を実施しており、完成後は最新ハイグレードオフィス・商業機能の賃料収入拡大が見込まれる。不動産業の2030年度営業利益目標300億円達成の中核プロジェクトと位置付けられている。
箱根(索道・航路・ホテル等)・湘南(江ノ島電鉄等)という国内有数の観光地を沿線に抱え、MaaSアプリ「EMot」を通じたKlook連携デジタルチケットサービスを2024年9月に開始。2030年度の観光収益1,200億円・営業利益150億円を目標に掲げ、インバウンド需要取り込みの具体的施策が進行中。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2022期から2025期にかけて売上高は358,753百万円→422,700百万円と増収基調が続いたが、2026期は418,732百万円(前期比0.9%減)と微減に転じた。前期にグループ通算制度適用に伴い百貨店・ストア業で13ヶ月連結した反動が主因。
営業利益は52,659百万円(同2.4%増)と交通業の輸送人員増加・運賃改定効果で安定成長を維持。一方、当期純利益は37,368百万円(同28.1%減)とUDS㈱売却益の反動で2期連続減。
外部要因として支払利息が6,165百万円(前期4,839百万円)に増加しており、金利上昇局面での財務コスト拡大が経常利益の伸びを抑制するリスクが顕在化しつつある。
成長戦略
観光・不動産・ホテルへの集中投資と株主還元強化で2030年度営業利益800億円を目指す
当社・東京地下鉄・東急不動産を事業主体とする大規模再開発。杭工事・新築工事・旧新宿ミロード解体工事が進捗し、オフィス部分のリーシングに着手。完成後は都心一等地での大規模賃料収入が不動産業の収益基盤を大幅拡充する見込み。
2025年9月の取締役会で事業実施を意思決定。用地取得手続きを進行中。移転後の跡地活用による不動産収益創出が期待される大型プロジェクトであり、沿線価値向上にも寄与する。
2026年3月にロマンスカー増発・長編成化・ダイヤ改正を実施。バス業・箱根エリアでの運賃改定も断行。2026年3月期の鉄道輸送人員は712,628千人(前期比2.0%増)、交通業営業利益は29,517百万円(同11.4%増)と成果が顕在化。
大涌谷新展望エリア「ちきゅうの谷」開業、「RETONA HAKONE」全面リノベーション開業等、箱根エリアへの積極投資を実施。インバウンド需要を取り込みつつ、箱根フリーパス等の料金改定で持続的な設備投資体制を整備。
2026~2030年度累計1,800億円の株主還元(2025~2030年度累計2,000億円)、2030年度までに自己資本比率30%への圧縮、累進配当を目標に設定。2026年5月に上限1,600万株・200億円の自己株式取得を決議し実行開始。年間配当は40円→55円に増配。
最終更新: 2026年7月17日

