事業内容
穴吹興産株式会社は1964年設立の香川県高松市を本拠とする総合不動産グループ。「アルファ」シリーズ分譲マンション事業を主力に、人材サービス・施設運営(ホテル・PPP)・介護医療・エネルギー・観光など7セグメントを展開する。
連結子会社43社・関連会社13社で構成され、四国・中国・近畿・九州・首都圏に加え、東南アジア・米国にも事業基盤を持つ。主要顧客は分譲マンション購入者(実需・投資)、法人・行政(施設運営受託・BPO)、高齢者(介護施設)と多岐にわたる。
2025年6月期の連結売上高は130,973百万円。
ビジネスモデル
主力の不動産関連事業(売上高の約70%)では、新築分譲マンション「アルファ」シリーズの企画・販売・引渡しによるフロー収益に加え、中古マンション買取再販(保有1,135戸)や不動産仲介でストック収益を積み上げる。エネルギー事業では自社分譲マンション向け高圧一括受電(945棟61,088戸)で継続課金収益を確保。
施設運営・介護医療・人材サービスが安定的な収益基盤を補完する構造。
企業の強み
2025年6月期末時点で翌期以降の売上計上予定マンションの既契約戸数1,613戸を確保し、未契約完成在庫は15期連続でゼロを維持。需給バランスを重視した厳選エリア用地選定と高付加価値商品企画が奏功し、在庫リスクを極小化している。
エネルギー関連事業(日本電力㈱)が2025年6月期末時点で945棟61,088戸に高圧一括受電サービスを提供。自社分譲マンション事業との連携により顧客基盤が自然増する構造で、2025年6月期売上高は前期比27.8%増の8,165百万円に拡大した。
穴吹エンタープライズ㈱が香川・徳島・岡山・兵庫で20施設超の指定管理・PPP事業を受託。施設運営受託事業の売上高は3,919百万円(前期比16.7%増)となり、施設運営事業全体の売上構成比50.7%を占める最大収益源に成長。
2025年2月開館のあなぶきアリーナ香川はユネスコ「ベルサイユ賞」を受賞した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は2024期134,500百万円をピークに2025期130,973百万円へ反落し、営業利益・純利益も2期連続で減少していた。しかし2026年6月期第3四半期累計(9ヶ月)は売上高112,262百万円(前年同期比14.3%増)、営業利益8,448百万円(同56.4%増)、親会社株主帰属純利益5,401百万円(同66.3%増)と急回復。
不動産関連事業の完成引渡マンション増加・「グローリオ」シリーズ引渡棟数拡大(11棟)、エネルギー関連事業の大幅増益、小売流通関連事業(不採算)の除外効果が複合的に寄与。外部要因として不動産価格の上昇基調(地価公示5年連続上昇)と旺盛な投資用不動産需要も追い風となっている。
通期予想(売上高144,000百万円、営業利益7,000百万円)は据え置きだが、純利益は3Q累計時点で通期予想4,400百万円を大幅に超過しており、上振れ着地が濃厚。
成長戦略
地域密着モデルの深化と事業ポートフォリオ組み替えで、収益多様化と中長期基盤安定化を推進。
需給バランスを重視した厳選エリアでの用地選定と価格転嫁可能な高付加価値商品の企画・開発を継続。2025年春開始のオンライン販売によるハイブリッド販売体制で顧客利便性向上と販売効率化を推進。中古マンション買取再販・仲介事業の拡大強化も並行して進める。
高圧一括受電サービス提供戸数の継続的拡大と電力調達原価削減を推進。栄新テクノ株式会社の連結子会社化(第1四半期より)により電気工事事業を取り込み、再エネ施設・受電設備更新の大型工事請負受注を拡大。第3四半期累計で営業利益864百万円(前年同期比96.8%増)と成果が顕在化。
中期方針「独創的新事業の創造と挑戦による事業ポートフォリオの組み替え」に基づき、霊園事業・再エネ施設・物流施設開発・リゾート開発への投資を進め、収益の多様化と中長期的な事業基盤の安定化を図る。霊園事業は「その他」セグメントに組み込まれ収益貢献が始まっている。
東南アジアにおける「地域密着型ビジネスモデル」の確立に注力するとともに、前期より本格化した米国市場など新たなマーケットへの挑戦を継続。株式会社あなぶきグローバルキャリア(2026年2月設立)を通じた外国人材の確保・定着支援体制の整備も海外展開基盤の強化に寄与。
2025年7月に連結子会社・株式会社ジョイフルサンアルファ(スーパーマーケット事業、2025年6月期営業損失193百万円)の全株式を譲渡し「小売流通関連事業」セグメントを廃止。不採算事業の切り離しにより、グループ全体の収益性改善と経営資源の重点配分が実現。
最終更新: 2026年7月17日

