事業内容
住友不動産は1949年設立、住友グループの総合不動産会社として東京都心を中心にオフィスビル・高級賃貸マンションの開発・保有・賃貸を主軸に事業を展開する。連結子会社49社を含むグループ全体で、不動産賃貸(オフィス・ラ・トゥール・ホテル・イベントホール)、不動産販売(分譲マンション・戸建・宅地)、ハウジング(新築そっくりさん・注文住宅)、ステップ(不動産仲介・販売代理)、その他(フィットネス・飲食等)の5事業を運営する。
主要顧客は法人テナント(約1,800社)、マンション購入者、住宅リフォーム需要者、不動産売買仲介利用者と多岐にわたり、2026年3月期の連結売上高は1,057,765百万円に達する。
ビジネスモデル
不動産賃貸事業が営業利益全体の約7割を占める収益の大黒柱。東京都心の細分化用地を買い纏め・再開発で創出した高利回り(NOI利回り7%超)のプライム資産を売却せず長期保有し、安定的な賃貸キャッシュフローを蓄積する。
その収益を原資に新規開発投資・株主還元・賃上げを同時に実現する「持続的成長モデル」を採用。販売・仲介・リフォーム事業が景気変動時の補完機能を担う。
企業の強み
東京23区内に保有延床150万坪超のオフィスポートフォリオを有し、都心7区比率84%。細分化用地の買い纏めや再開発手法による「土地を創る力」で、完成物件取得利回り2.5〜3.5%に対しNOI利回り7%超を実現。この参入障壁の高い資産形成力が競合他社に模倣困難な競争優位の源泉となっている。
2026年3月期は売上高1,057,765百万円、営業利益299,155百万円(営業利益率28.3%)、当期純利益212,535百万円を達成し、当期純利益は13期連続最高益更新。不動産賃貸事業の営業利益率は45.6%と極めて高く、景気変動に耐性のある安定収益構造を確立している。
分譲マンション事業では約3年分・6,000戸超の完成在庫(財庫)を保有し、竣工前完売に依存しない独自の販売戦略を採用。2027年3月期計上予定分は期初時点で大半の契約が完了済みであり、収益の視認性が業界平均を大きく上回る。この在庫戦略は工期遅延リスクが高まる局面でも安定供給を可能にする。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期939,430百万円から2026年3月期1,057,765百万円へ5期で12.6%増加。営業利益は同期間233,882百万円→299,155百万円(+27.9%)、純利益は150,452百万円→212,535百万円(+41.3%)と利益成長が売上成長を上回る。
売上高営業利益率は28.3%(前期26.8%)へ改善。外部要因として東京オフィス市場の需給逼迫・中古マンション価格上昇が追い風となる一方、支払利息の増加(前期比+6,817百万円)が経常利益の伸びを抑制。
2027年3月期は売上高1,070,000百万円・営業利益320,000百万円・純利益223,000百万円と全指標で最高業績更新を予想。第十次中期経営計画(2025-2028年)の1年目は3ヵ年累計目標の概ね3分の1を達成し順調な滑り出し。
成長戦略
東京都心賃貸資産の深化とハウジング分社化・インド事業育成による多軸成長戦略
既存ビルの稼働率改善(当期末4.3%)と賃料値上げの浸透を継続。「住友不動産大崎ツインビル西館」「住友芝公園ビル」等の新規竣工ビルの内定率9割超を維持し、2027年3月期の不動産賃貸営業利益224,000百万円(過去最高)を目指す。
2025年4月1日付で新築そっくりさん事業と注文住宅事業を住友不動産ハウジング株式会社へ統合分社化。事業統合深化により早期売上5割増・3,000億円達成を目標とし、施工体制共通化・人的資本投資拡充・陣容拡大を推進。期末受注残高はコロナ禍以降最高となり業績反転の基盤が整いつつある。
当期末に56銘柄・取得価格822億円相当を管理処分信託設定し純投資に振り替え。政策保有株式の取得価格残高は1,581億円(対株主資本比率7.8%)となり、10%以下への縮減目標を当初計画より5年前倒しで達成。
配当は年間65円(2026年3月期)→52円(2027年3月期予想)へ株式分割調整後ベースで増配基調を維持。
第十次中期経営計画における新成長軸として、インド・ムンバイBKC地区への賃貸資産投資を推進。当期はムンバイ子会社への増資を実施。東京都心に次ぐ第二の賃貸事業拠点として育成することを目指しているが、開発リスク・現地規制リスクを内包しており進捗の継続的モニタリングが必要。
最終更新: 2026年7月19日

