事業内容
豊トラスティ証券株式会社は1957年創業の商品デリバティブ取引専門の証券会社(東証スタンダード市場上場、証券コード:8747)。大阪取引所・東京商品取引所・堂島取引所における貴金属・エネルギー・農産物等の商品先物取引を主軸に、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」、取引所為替証拠金取引「Yutaka24」、株価指数先物取引(日経225先物)を展開する。
個人投資家・法人当業者の双方を顧客とし、受託業務と自己売買業務を一体運営。子会社ユタカ・アセット・トレーディング株式会社が自己売買業務を担い、ユタカエステート株式会社が研修施設等の不動産管理を行う3社グループ体制。
ビジネスモデル
主収益源は委託者から受け取る受入手数料で、2026年3月期は12,510百万円(営業収益の96.3%)を占める。商品デリバティブ取引業が手数料収入の約87%、金融商品取引業が約13%を構成。
これに加え自己売買によるトレーディング損益(198百万円)が補完的収益源として機能する。市場ボラティリティが高まるほど取引量が増加し手数料収入が拡大する構造を持つ。
企業の強み
2026年3月期の貴金属市場受入手数料は10,782百万円(前年同期比84.2%増)で、国内商品デリバティブ取引手数料収入10,888百万円の約99%を占める。金(標準取引)の委託売買高は724,211枚(委託売買高全体の53.0%)と突出しており、1957年創業以来培った貴金属分野の専門性・営業力・情報提供力が顧客基盤を支えている。
大阪取引所・東京商品取引所・堂島取引所の商品先物に加え、東京金融取引所の取引所株価指数証拠金取引・取引所為替証拠金取引、大阪取引所の株価指数先物取引(2022年1月開始)と幅広い取引資格を保有。単一の市場環境に依存しない商品ラインアップが収益の分散に寄与している。
2026年3月期の営業利益は6,284百万円(純営業収益比48.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,424百万円(自己資本利益率27.7%)を達成。販売費及び一般管理費6,684百万円に対し純営業収益12,969百万円と費用対収益のレバレッジが高く、ボラティリティ上昇局面での利益拡大力が実績として示されている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
営業収益は2022期6,716百万円→2023期6,875百万円→2024期7,402百万円→2025期7,662百万円と緩やかな増収基調が続いていたが、2026期は12,991百万円と前期比69.6%増で急加速した。営業利益も6,285百万円(前期比203.0%増)、当期純利益4,424百万円(前期比131.0%増)と過去最高を大幅更新。
外部業績ドライバーとして、金価格の過去最高値更新(NY市場5,586.2ドル)、原油急騰(NY原油119.48ドル)、ドル円の大幅変動(140円台割れ~160円台)が受入手数料12,511百万円(前期比66.0%増)を押し上げた。1株当たり純利益は779.11円(前期343.86円)、1株当たり純資産は3,196.05円(前期2,440.62円)に改善。
配当は210円(前期86円)に大幅増配し、配当性向27.0%を維持した。
成長戦略
中期ビジョンに基づく商品ラインアップ強化と顧客基盤の維持・拡大
新中期ビジョンの柱として東証の取引資格取得を掲げ、株式・ETF等の現物商品への参入を目指す。商品デリバティブ一本足打法からの脱却と収益多角化が期待されるが、具体的な取得時期は未開示。
取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」および取引所為替証拠金取引「Yutaka24」を主要収益基盤として位置づけ、顧客基盤の維持・強化を推進。2026年3月期末の預り証拠金は171,623百万円と前期末比約2.9倍に拡大し、資産取り込みは進展している。
訴訟損失引当金残高129百万円が示す通り、商品取引事故リスクへの対応が継続課題。中期ビジョンにおいてコンプライアンスおよびリスク管理の更なる強化を明示しており、顧客信頼の維持と規制対応の両立を図る。
人件費4,501百万円(前期3,581百万円)と積極的な人材投資を継続。賞与引当金392百万円(前期175百万円)の大幅増加は業績連動報酬の拡大を示しており、優秀人材の確保・定着による営業力強化を図る。
最終更新: 2026年7月19日

