市場変動による運用資産残高の低下
収益の大半を占める委託者報酬・投資顧問料は運用資産残高に連動しており、日本・アジア地域の上場株式市場の低迷や気候変動・パンデミック・紛争等の外部事象が運用実績を悪化させた場合、残高減少を通じて業績に直接影響する。また顧客の資産配分方針の変更により解約が連鎖するリスクもある。対応として不動産・再生可能エネルギー・未公開株式等への運用対象多様化を進め、上場株式市場への依存度低減を図っている。
顧客基盤・販売チャネルの不安定性
独立系資産運用会社として大手金融機関系列に属さないため、強力な販売チャネルや解約リスクの低い系列資金を持てず、競合他社に対して運用資産残高・営業収益の安定性で比較劣位にある。顧客との契約は比較的短期の事前通知で解約可能であり、一部顧客の解約が他顧客の追随を招くリスクがある。小口資金の積み上げにより特定投資家への集中度低下を図っているが、構造的な脆弱性は残る。
運用実績悪化と成功報酬の変動
運用実績の悪化は既存顧客の契約維持・新規契約獲得の困難化を招き、運用資産残高の低下につながる。加えて成功報酬は運用実績を反映して毎年大きく変動するため、市場環境の悪化局面では残高報酬・成功報酬の双方が同時に減少するリスクがある。社内勉強会による投資哲学の共有や成功報酬付きファンドのマーケティング強化で対応しているが、市場環境への依存は不可避である。
法的規制・行政処分リスク
金融商品取引法に基づく投資運用業・投資助言業等の登録を維持する必要があり、許認可取消や行政処分が生じた場合は事業継続に重大な支障をきたす。韓国・香港・ケイマン等の海外拠点でも各国法令への準拠が求められ、規制改正や解釈変更への対応が不十分な場合は業務制限や顧客離脱につながる。コンプライアンス委員会によるモニタリングと各拠点での研修体制を整備して対応している。
創業者・阿部修平への依存
代表取締役社長の阿部修平は事業経営・投資戦略の方向性決定において中心的役割を担っており、何らかの事情で職務遂行が困難になった場合、業績に少なからぬ悪影響が生じるリスクがある。また阿部グループが当社株式の過半を保有する大株主であり、取締役選任等の基本事項を決定できる立場にあるため、議決権行使が適切に行われない場合は他の株主利益を損なうリスクもある。組織的運営形態の構築とマネジメント人材の育成により依存度低減を継続的に図っている。
自己勘定投資の評価損リスク
当社グループは上場・未上場ファンドへの自己勘定投資や発電所等の開発資金支出を行っており、市場環境の悪化・投資先業績不振・開発断念等により減損処理が発生した場合、損益計算書に評価損として反映され業績が悪化する。政策保有株式については投資回収の時期・方法が限定される可能性もある。月次・四半期モニタリングと保守的な会計処理、連結純資産額に対する投資総額の管理により損失拡大を抑制している。
システム障害・サイバー攻撃リスク
業務遂行に不可欠なコンピューターシステムが障害・サイバー攻撃・自然災害等により停止・改ざんされた場合、業務継続に重大な支障をきたすとともに顧客・市場の信頼を失うリスクがある。近年は生成AIを含むAI技術の不適切利用による情報漏えい・誤情報・著作権侵害等のリスクも顕在化している。多層防御によるサイバーセキュリティ対策、BCP策定、AI利用ガイドラインの整備と役職員教育により対応している。
人材の流出・確保困難リスク
資産運用業において優秀なファンドマネージャー等の人材は競合他社による引き抜きの対象となりやすく、流出した場合は運用能力の低下や顧客離脱につながる。また採用・教育が計画通り進まない場合や過重労働・ハラスメント等の労務問題が発生した場合も事業活動に支障をきたす。金銭的・非金銭的インセンティブを組み合わせた「Professional Nurturing Ground」の提供と適切な労務管理体制の整備で対応している。
運用対象拡大に伴う固有リスク
不動産・再生可能エネルギー・プライベートエクイティ・TOB等への運用対象拡大は、従前と異なる専門人材・リソースの確保を必要とし、初期投資負担が一時的に収益性を毀損するリスクがある。第三者からのクレーム・補償要求や利益相反管理の不備による行政処分、新規分野における法令改正リスクも存在する。撤退基準の明確化、外部専門家の活用、内部管理体制の構築により対応しているが、新規領域特有の不確実性は残る。
負債調達・格付け低下リスク
2026年3月末時点の外部有利子負債額は90億円(9,000百万円)であり、発行体格付けはBBB+(安定的)を取得しているが、金融市場での信用収縮や金利上昇が生じた場合には追加的な資金調達条件が悪化するリスクがある。為替変動も外貨建て資産・負債の円換算額に影響し、外貨建て取引の増加に伴い為替変動リスクが拡大する可能性がある。保守的な財務方針の堅持と為替予約によるヘッジで対応している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

