事業内容
アニコム ホールディングス株式会社は2000年創業のペット保険専業の保険持株会社。中核子会社アニコム損害保険株式会社が2009年から17年連続で国内ペット保険シェアNo.1を維持し、保有契約件数1,392,772件(2026年3月末)を誇る。
事業領域は損害保険事業を軸に、ブリーダーマッチングサイト運営(ペット向けインターネットサービス事業)、動物病院運営(58病院超)、口腔・腸内ケア商材の健康イノベーション事業、遺伝子検査・カルテ管理システム等の周辺事業まで多岐にわたる。ペットの誕生前から高度医療まで「川上から川下」を一貫して支えるインフラプレーヤーを目指している。
ビジネスモデル
主収益源は正味収入保険料(2026年3月期64,103百万円)。ペットショップ代理店1,352社・5,122店舗のNBチャネルと一般チャネルを通じて新規契約を獲得し、年間更新型の保険料収入を積み上げる。
業界初・対応病院数トップ(約7,000病院)の窓口精算システムが顧客利便性と業務効率を同時に高め、年間約480万件の請求の約9割をシステム処理することでコストを圧縮。保険事業で蓄積したデータ・ネットワークを周辺事業に展開し、グループ全体でシナジーを創出する構造を持つ。
企業の強み
アニコム損害保険は2009年から2025年まで17年連続で国内ペット保険シェアNo.1を維持。2026年3月末時点の保有契約件数は1,392,772件で、前期末比104,849件(8.1%)増と堅調に拡大。
新規契約件数も266,231件(前年同期比8.3%増)と継続的な積み上げが続いており、競合他社が短期間で模倣困難な顧客基盤を形成している。
日本初の窓口精算システムを構築し、2026年3月時点で全国約7,000病院(全国の動物病院の5割以上)と契約。年間約480万件の保険金請求の約9割がこのシステム経由で処理され、事務コストを大幅に圧縮。対応病院数は他社と圧倒的な差があり、顧客利便性と業務効率の両面で参入障壁を形成している。
グループ内に獣医師資格保有者121名が在籍し、日本で最も獣医師が集まる企業の一つ。農学・理学・薬学・歯学博士、弁護士、公認会計士、アクチュアリー、弁理士、データサイエンティスト等の多種多様な専門家が在籍し、他社が短期間で模倣困難な保険引受・査定体制の質向上や研究開発力の源泉となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期53,022百万円から2026期73,846百万円へ5期連続増収(年平均成長率約8.6%)を達成。一方、当期純利益は2022期2,112百万円→2025期3,246百万円と増益基調が続いていたが、2026期は2,204百万円と前期比約32.1%の大幅減益に転じた。
ROEも訂正後7.7%に低下。損害率の上昇や周辺事業への先行投資費用が収益を圧迫したとみられる。
なお、2026年5月13日付訂正により自己資本当期純利益率が8.0%から7.7%へ修正されている。
成長戦略
ペット保険の収益力強化と、川上〜川下のシナジー創出事業拡大の両輪戦略
NBチャネル(ペットショップ代理店4,986店舗)および一般チャネルの営業強化と、「どうぶつ健活」付帯商品の訴求により新規契約を獲得。同時に獣医師103名体制による引受審査・査定精度向上で損害率をコントロールし、収益性の改善を図る。
アニコム先進医療研究所による動物病院58病院の運営拡大と病院承継推進、再生医療(809病院加入・492件の幹細胞投与実績)の普及拡大を推進。先行投資フェーズが継続しており、収益化に向けた規模拡大が課題。
2024年3月に子会社化した株式会社フローエンスのブリーディング事業売上が寄与し、その他事業経常収益が前期比160.2%増の1,907百万円に急拡大。川上領域の取り込みによるグループシナジー創出を目指す。
性格・品種・毛色・体質等を一度に測定する遺伝子検査技術の開発進展と事業拡充、CRYSTAL JOYや7Days Food等の口腔・腸内ケア商材の直営動物病院を中心とした販路開拓を推進。収益貢献は限定的な段階。
最終更新: 2026年7月19日

