事業内容
岩井コスモホールディングス株式会社は、1915年創業の歴史を持つ大阪発祥の証券グループの持株会社である。中核子会社の岩井コスモ証券株式会社が金融商品取引業を担い、有価証券の売買・委託媒介、引受・売出し、投資信託の販売・信託報酬収受、信用取引など幅広い金融サービスを個人投資家を主要顧客として提供する。
バックオフィス機能は岩井コスモビジネスサービス株式会社が担う。東京証券取引所プライム市場上場。
2026年3月期の連結営業収益は32,260百万円と過去最高を更新した。
ビジネスモデル
収益の主軸は株券等トレーディング損益(2026年3月期:17,556百万円)、委託手数料(同:7,437百万円)、投資信託信託報酬を中心とするその他受入手数料(同:3,110百万円)、信用取引収益を中心とする金融収益(同:3,244百万円)の四本柱。対面営業員による提案営業で顧客の預り資産を積み上げ、残高連動型の信託報酬・金融収益が安定収益基盤を形成する構造である。
企業の強み
2026年3月期のROEは14.7%を達成し、ネット専業証券を除く上場証券・主要証券16社中2位(業界平均9.0%)。営業収益経常利益率は42.0%に達し、低コスト体質の堅持と収益拡大の両立を実現している。
2026年1月末に預り資産残高が3兆円を突破(3月末時点は地政学リスクによる株価下落の影響で2.9兆円)。投資信託残高の継続的積み上げと信用取引残高の拡大が安定収益源となっており、長年の対面営業で構築した顧客基盤の厚みを示す。
2025年9月28日にインターネット取引(コスモ・ネットレ)において業界初となるパスキー認証を導入し、ログイン時の多要素認証を必須化。フィッシングメール等による不正ログイン・不正取引被害が多発する環境下で、顧客資産保護における先行優位を確立した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
営業収益は2023年3月期の19,691百万円を底に3期連続で加速度的に拡大し、2026年3月期は32,260百万円(前期比25.3%増)と過去最高を更新。営業利益率は33.6%(2025年3月期)から40.3%(2026年3月期)へ大幅改善。
外部要因として日経平均株価が史上最高値58,850円を記録し期末51,063円(前期末比43.4%上昇)で着地した活況な市場環境が株券トレーディング損益(17,357百万円、前期比30.8%増)と委託手数料(7,437百万円、同38.0%増)を牽引。特別利益として投資有価証券売却益1,375百万円(前期5百万円)を計上したことも当期純利益の押し上げに寄与。
販売費・一般管理費は人件費増(賞与・ベースアップ)を主因に18,851百万円(同11.8%増)と増加したが、増収効果が費用増を大幅に上回った。
成長戦略
第6次中計(2026〜2028年3月期)で預り資産3兆円・総還元性向50%以上を目指す。
投資信託の残高積み上げを中心に、低リスクファンドから高成長ファンドまで多様な商品ラインナップで顧客の資産形成ニーズに対応。信託報酬等の安定収益基盤を拡大し、市況変動に左右されにくい収益構造への転換を図る。
顧客のポートフォリオに海外金融資産を組み入れることを重要施策と位置づけ、好調な米国株式の提案営業に注力。委託手数料の株券部門が7,303百万円(前期比39.6%増)と大幅増加しており、施策の効果が業績に反映されている。
2025年9月28日にインターネット取引(コスモ・ネットレ)において業界初のパスキー認証を導入し、ログイン時の多要素認証を必須化。フィッシングメール等による不正取引被害が多発する環境下で顧客資産保護を強化し、ネット取引顧客の信頼維持・獲得を図る。
第6次中計期間中(2026〜2028年3月期)の配当方針としてDOE3%程度を下限に設定し、業績連動配当と組み合わせた総還元性向50%以上を明示。2026年3月期は年間配当225円・配当性向50.6%・DOE7.4%と方針を大幅に上回る水準を実現し、株主還元の実績を積み上げた。
最終更新: 2026年7月19日

