システム障害リスク
現物・デリバティブの売買・清算業務はシステムを通じて処理されており、システム障害が発生した場合には市場の信頼性が毀損され取引量が減少する可能性がある。また、取引システムの性能が競合他社に劣後した場合にも事業運営・経営成績に重大な影響を及ぼす。当社グループでは開発手法の標準化、十分な稼働確認テスト、品質管理の徹底等に取り組むとともに、障害発生時の迅速な回復策の拡充を継続的に推進している。
金融市場動向への収益依存
取引関連収益(2026年3月期連結営業収益の39.0%)および清算関連収益(同27.3%)は有価証券・デリバティブの売買代金・取引高に大きく依拠しており、景気低迷や市場環境の悪化により取引量が減少した場合には経営成績に重大な影響を及ぼす。上場関連収益(同9.4%)も上場企業の時価総額や新規上場数に依存しており、日本経済の状況が特に大きな影響を持つ。当社グループは新たなサービス創出による収益安定化と強固な財務基盤の維持に取り組んでいる。
清算参加者破綻時の損失リスク
株式会社日本証券クリアリング機構は清算機関として決済履行を保証しており、清算参加者が決済不履行を起こした場合、担保等で補填しきれない損失について当社グループが損失補償義務を負う。現物取引では東京証券取引所・大阪取引所の損失補償限度額合計104億円、金融デリバティブ取引では174億円、コモディティ・デリバティブ取引では91億円が上限として設定されている。清算参加者制度・モニタリング・担保制度・DVP決済・流動性確保等の多層的な決済履行確保の枠組みを整備しているが、極端な市場環境下では当社グループに損失が生じる可能性がある。
免許・認可取消リスク
当社グループは金融商品取引法・商品先物取引法に基づく取引所業免許・金融商品債務引受業免許等の複数の許認可を受けて事業を行っており、何らかの理由により免許等の取消処分または業務停止処分を受けた場合には事業運営・経営成績等に重大な影響を及ぼす。現時点では取消事由に該当する事象は発生していないが、広範な法規制の下で事業を行っているため、将来的なリスクとして認識されている。当社グループでは各種リスク管理体制を整備し、法令遵守への取組を継続している。
競合激化・市場シェア低下
国内上場株式の売買代金における当社グループのシェアは2025年1〜12月で約80%を占めるが、取引所外取引(PTS・OTC等)は約20%と増加傾向にあり、将来的にシェアを奪われる脅威となる可能性がある。また、シンガポール取引所との日経平均株価先物・オプション取引の競合や、世界的な取引所間の価格競争激化により手数料引下げを余儀なくされる可能性もある。当社グループでは市場制度の見直しや取引システムの高度化、デジタル・ネットワーク事業の強化により競争力維持に取り組んでいる。
日経平均利用許諾契約リスク
大阪取引所の主力商品である日経平均株価先物・オプション取引は、株式会社日本経済新聞社との利用許諾契約に基づいており、契約義務不履行や支配権の重大な変動等の事由が生じた場合には契約が解約され、当該取引の中断・中止を余儀なくされる可能性がある。また、当該契約は独占契約ではないため、第三者が日経平均株価の利用権を取得し競合商品を提供した場合には大阪取引所市場の取引高が減少するリスクもある。利用許諾料の大幅変更も経営成績に重大な影響を及ぼす可能性がある。
情報漏えい・サイバーリスク
当社グループは取引参加者・上場会社の企業情報や個人情報を保有しており、役職員の故意・過失または外部からの不正アクセスにより重要情報が漏洩した場合、損害賠償・監督官庁からの処分・レピュテーション毀損等により事業運営・経営成績に重大な影響を及ぼす可能性がある。当社グループではISO/IEC27001の認証を取得・維持し、情報管理ポリシーの策定、e-ラーニングによる教育・研修、システム上のセキュリティ対策等を実施している。
事故・災害による事業中断
地震・風水害等の自然災害、電力・通信インフラの停止、サイバーテロ、疫病の蔓延等により想定を上回る被害を受けた場合、事業の長期中断・甚大な経済的損失・社会的信用の低下等の深刻な事態をもたらす可能性がある。当社グループはBCP(緊急時事業継続計画)を策定し、関係機関と協業した定期的な訓練を実施するとともに、関西データセンターの構築をはじめ業務・システム両面での東西相互バックアップ態勢の強化に取り組んでいる。
外国人投資家動向リスク
外国人投資家は2025年1〜12月において株式売買代金の約6割、日経平均株価先物・TOPIX先物取引高の約7割を占める重要な市場参加者であり、日本経済・株式市場のパフォーマンス悪化、為替変動、規制強化等により投資魅力が減退した場合には取引量が大幅に減少し、当社グループの事業運営・経営成績に重大な影響を及ぼす可能性がある。当社グループでは国内外の投資家への営業強化・関係強化および日本市場へのフロー獲得に向けた取組を積極的に行っている。
システム投資の収益化リスク
取引所の競争力維持のためITへの継続的な設備投資が不可欠であり、2024年11月のarrowhead更改に続き、J-GATEについても2028年後半を目途に更改を予定しているが、これらの投資が必ずしも直ちに収益拡大につながるとは限らない。市況悪化等によりコストに見合う収益を生み出せなかった場合には業績が圧迫されるとともに、その後の追加的な設備投資にも重大な影響を及ぼす可能性がある。当社グループでは事業戦略の進捗状況や事業環境の変化を定期的にモニタリングし、的確な財務運営を行うよう対策を講じている。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

