事業内容
東洋証券株式会社は1934年創業、東京証券取引所プライム市場上場の総合証券会社である。国内外株式の売買仲介、投資信託の募集・販売、引受業務等を主たる事業とし、個人投資家を主要顧客層とする対面営業を中核に据える。
中国・香港株式に関しては業界内でのパイオニア的地位を有し、香港現地法人(東洋証券亜洲有限公司)を通じた中国株取引サービスを提供する。国内に複数の営業拠点を展開するほか、上海駐在員事務所(2024年12月閉鎖)を通じた中国市場へのアクセスを持ち、当社グループは当社及び子会社2社で構成される。
ビジネスモデル
収益の中心は受入手数料(2026年3月期:11,391百万円)であり、国内外株式の委託手数料(5,104百万円)、投資信託販売手数料(2,963百万円)、投資信託代行手数料(3,290百万円)の三本柱で構成される。代行手数料は預り資産残高に連動する安定収益であり、株式投信預り資産平均残高の拡大(3,868億円)が安定収益基盤を支える。
これにトレーディング損益(1,309百万円)・金融収支(524百万円)・ソリューションビジネス関連収益が加わる複合収益構造を持つ。
企業の強み
1987年に香港現地法人(東洋証券亜洲有限公司)を設立し、2005年に香港証券取引所参加者資格を取得。中国・香港株式取引において業界内でのパイオニア的地位を確立しており、中国政府の景気刺激策を背景にハンセン指数が約4年半ぶりの高値を記録した局面で中国株手数料の増加を実現した。
この専門性は競合他社が短期間で模倣困難な固有の強みである。
株式投信預り資産平均残高は3,868億円(前期比13.9%増)に拡大し、代行手数料は3,290百万円(前期比19.9%増)を達成。預り資産残高1兆5,740億円(中期計画目標1兆5,000億円以上)を既に達成しており、市場変動に左右されにくい安定収益基盤が形成されている。
NISA口座残高も987億円に拡大し、長期的な資産残高の積み上げが進んでいる。
トップダウン・ボトムアップ型のカイゼンを推進するProject ESTにより、2026年3月期の販売費・一般管理費の増加を前期比0.8%増(10,392百万円)に抑制。取引関係費(前期比7.5%減)・事務費(前期比4.1%減)を削減しつつ、業績回復に伴う人件費増加を吸収した。
収益拡大局面でのコスト規律維持が営業利益の大幅改善(2,820百万円、前期比21,260百万円増)に貢献した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
営業収益は2023期の8,341百万円を底に回復基調が続き、2026年3月期は13,576百万円(前期比20.2%増)と過去5期で最高水準を達成。営業利益は2,820百万円(前期比306.2%増)と急回復し、2022期の赤字から完全に脱却。
外部要因として東証1日平均売買代金が7兆1,018億円(前期比33.1%増)に拡大したことが委託手数料の増加(5,104百万円、前期比41.2%増)を牽引。また株式投信募集金額が1,154億円(前期比32.5%増)に増加し、販売手数料・代行手数料の双方が拡大。
費用面では販売費・一般管理費の増加を0.8%増に抑制し、収益拡大に対する高い営業レバレッジを発揮した。ROEは12.9%と中期計画目標の8%を大幅に上回る水準に達している。
成長戦略
預り資産1兆5,000億円超達成済み、ROE8%目標を前倒し達成しROE維持と株式投信残高拡大が次の焦点
2026年3月末時点で預り資産残高1兆5,740億円と中期計画目標を前倒し達成。NISAを活用した長期保有顧客の獲得と投信残高の積み上げにより、代行手数料という安定収益基盤を強化する。
2026年3月末時点の株式投信残高は4,018億円と目標の5,000億円に対して約80%の進捗。株式投信募集金額が1,154億円(前期比32.5%増)に拡大しており、アジア関連投資信託の販売強化とコンサルティングサービスの高度化で残高積み上げを加速する。
2026年3月期のROEは12.9%と中期計画目標(2028年3月期8%以上)を2期前倒しで達成。本業収益力の回復と高い配当性向の維持が両立しており、引き続き収益拡大とコスト構造改革(Project EST)の並行推進でROEの維持・向上を図る。
中国株・香港株取引における独自ブランドを活かし、アジア関連投資信託の販売強化と中国株手数料の拡大を図る。ハンセン指数の回復局面を追い風に顧客セミナーの開催強化とアフターフォローの充実で顧客満足度を向上させる。
トップダウン・ボトムアップ型のカイゼンにより、2026年3月期の販売費・一般管理費増加率を0.8%増に抑制。取引関係費(前期比7.5%減)・事務費(前期比4.1%減)の削減を継続しつつ、成長分野への資金投入と人件費の適正管理を両立させる。
最終更新: 2026年7月19日

